は、魔王?そんなのうちのブラコン妹の方が100倍危ないんだが
10話 こちらのスライムはそんなに甘くないようです
そこは少しひらけた場所で、大きな木が一本生えているだけの広場的な所だった。
そして、すでに逃げ道を覆うようにしてスレイムの軍団が塞いでいた。
ハクヤたちはまんまとスレイム達の思い通りに動かされていたらしい。
二人は止まるにも止まれず、大木の根元まで走るとそこでようやく停止。
あっという間に全方位囲まれた訳である、未だにどうしてクレアの攻撃が効かなかったのか分からない⋯⋯いやもしかして打撃には強いのだろうか。
スレイム達はというとハクヤたちの出方を警戒している様で今の所は何もして来ない。
だがそれもしびれを切らして攻撃してくるまでの時間の問題だろう。
いわゆる、大ピンチというやつだ。
ハクヤはクレアを背後に隠しつつ、先程買った剣を手に取った。
ジリジリと緊張感が手足を震えさせようとするが、クレアの前という事もあり、必死に隠す。
手を繋ぎ初めて3分ほどたったが今の充電量はというと3パーセントと記されている。
100パーセントが100分だとすると1パーセントで1分という事になる。確か、使用には最低10パーセントなのだから、後7パーセント必要という事だ。
「あと7パーセントとか無理ゲーすぎないか⋯⋯? ド◯クエを見習って、俺達コマンド触らないから、そのまま動かないでくれませんかね⋯⋯ 」
どうにか、余裕を保つように軽口を叩く。
今だけは本当にド◯クエのスライムが可愛く見えた、それはそれは100レベまで育ててあげられるぐらいに。
「お兄ちゃんこれは現実だよ⋯⋯あとスレイムだよ」
クレアの呆れた様な指摘が入り、失笑を浮かべる。
「知ってるよ、冗談だよ! 」
「知ってるよお兄ちゃんの事ならなら何でもね❤︎ 」
「はぁ⋯⋯これほんとどうしようか⋯⋯ 」
クレアも軽口を言ってはいるものの、汗を垂らし繋いでいる手が微かに震えているのが分かる。
だんだんと近づいてくるスライムに更に緊張が高まっていく。
先程まで涼しかった風も今は無いかのように暑い。
ジリジリ⋯⋯
「お兄ちゃん⋯⋯やっぱりあれしかないよ⋯⋯」
「何か打開策でも思いついた、のか?」
ジリジリ⋯⋯
「うん⋯⋯やっぱりキスしかないよ」
「は⋯⋯? なんでそうなr⋯⋯あ、いやでも⋯⋯」
クレアが言わんとするそれの意味を理解し、渋面を浮かべる。
確かにスマホにもあったように恐らくキスをすれば早くパーセントも溜まるだろう、生き残る為にはスキルに頼るしかないのだ。
やらなければならないのは分かっている、だが相手は妹なのだ、普通に考えてNGだろう。
「お兄ちゃん早く!」
「興奮するな!」
こんな時に頬を上気させて言い寄ってくるクレアに呆れる。
ジリジリ⋯⋯
だが結論を出す前、恐れていた瞬間が訪れた。
とうとうしびれを切らしたスレイムの1匹が突然飛びかかってきたのだ。
狙いはハクヤ、辛うじて右に身体をずらし避けるするとそのままの勢いで後ろの木に激突、鋭い牙は容易に大木に突き刺さった。
「あっぶねぇ⋯⋯! こんなの食らったら即死だぞ⋯⋯」
その1体を筆頭に一斉に跳ねる準備をし出す。
「⋯⋯それはシャレにならないって! じゅ、充電は!? 」
「ま、まだ7パーセントだよ! 」
そう叫ぶクレアの目には僅かに涙が見え、握ってる手は隠す事すら出来ず震えている。
これでようやく7パーセントときた、正直言ってハクヤもブルブルなのだ。
だが、普段絶対にないクレアを見て、改めて決意が固まるのを感じる。
「クレアは俺が何があっても守るから、心配すんなよ⋯⋯」
「お、お兄ちゃん? 」
ハクヤは優しく笑顔を向け、クレアを木と自分で守るように挟み、短刀を再び構える。
「お前を傷つけるわけにはいかない⋯⋯ 誓ったんだ⋯⋯ 」
抵抗しようとしたクレアは一瞬目を見開らく。
「あれは⋯⋯お兄ちゃんの、せいじゃ⋯⋯⋯⋯」
そこまで言うと、俯いてしまった。
ハクヤは一度優しく頭を撫で、武器を構えた。
そして、すでに逃げ道を覆うようにしてスレイムの軍団が塞いでいた。
ハクヤたちはまんまとスレイム達の思い通りに動かされていたらしい。
二人は止まるにも止まれず、大木の根元まで走るとそこでようやく停止。
あっという間に全方位囲まれた訳である、未だにどうしてクレアの攻撃が効かなかったのか分からない⋯⋯いやもしかして打撃には強いのだろうか。
スレイム達はというとハクヤたちの出方を警戒している様で今の所は何もして来ない。
だがそれもしびれを切らして攻撃してくるまでの時間の問題だろう。
いわゆる、大ピンチというやつだ。
ハクヤはクレアを背後に隠しつつ、先程買った剣を手に取った。
ジリジリと緊張感が手足を震えさせようとするが、クレアの前という事もあり、必死に隠す。
手を繋ぎ初めて3分ほどたったが今の充電量はというと3パーセントと記されている。
100パーセントが100分だとすると1パーセントで1分という事になる。確か、使用には最低10パーセントなのだから、後7パーセント必要という事だ。
「あと7パーセントとか無理ゲーすぎないか⋯⋯? ド◯クエを見習って、俺達コマンド触らないから、そのまま動かないでくれませんかね⋯⋯ 」
どうにか、余裕を保つように軽口を叩く。
今だけは本当にド◯クエのスライムが可愛く見えた、それはそれは100レベまで育ててあげられるぐらいに。
「お兄ちゃんこれは現実だよ⋯⋯あとスレイムだよ」
クレアの呆れた様な指摘が入り、失笑を浮かべる。
「知ってるよ、冗談だよ! 」
「知ってるよお兄ちゃんの事ならなら何でもね❤︎ 」
「はぁ⋯⋯これほんとどうしようか⋯⋯ 」
クレアも軽口を言ってはいるものの、汗を垂らし繋いでいる手が微かに震えているのが分かる。
だんだんと近づいてくるスライムに更に緊張が高まっていく。
先程まで涼しかった風も今は無いかのように暑い。
ジリジリ⋯⋯
「お兄ちゃん⋯⋯やっぱりあれしかないよ⋯⋯」
「何か打開策でも思いついた、のか?」
ジリジリ⋯⋯
「うん⋯⋯やっぱりキスしかないよ」
「は⋯⋯? なんでそうなr⋯⋯あ、いやでも⋯⋯」
クレアが言わんとするそれの意味を理解し、渋面を浮かべる。
確かにスマホにもあったように恐らくキスをすれば早くパーセントも溜まるだろう、生き残る為にはスキルに頼るしかないのだ。
やらなければならないのは分かっている、だが相手は妹なのだ、普通に考えてNGだろう。
「お兄ちゃん早く!」
「興奮するな!」
こんな時に頬を上気させて言い寄ってくるクレアに呆れる。
ジリジリ⋯⋯
だが結論を出す前、恐れていた瞬間が訪れた。
とうとうしびれを切らしたスレイムの1匹が突然飛びかかってきたのだ。
狙いはハクヤ、辛うじて右に身体をずらし避けるするとそのままの勢いで後ろの木に激突、鋭い牙は容易に大木に突き刺さった。
「あっぶねぇ⋯⋯! こんなの食らったら即死だぞ⋯⋯」
その1体を筆頭に一斉に跳ねる準備をし出す。
「⋯⋯それはシャレにならないって! じゅ、充電は!? 」
「ま、まだ7パーセントだよ! 」
そう叫ぶクレアの目には僅かに涙が見え、握ってる手は隠す事すら出来ず震えている。
これでようやく7パーセントときた、正直言ってハクヤもブルブルなのだ。
だが、普段絶対にないクレアを見て、改めて決意が固まるのを感じる。
「クレアは俺が何があっても守るから、心配すんなよ⋯⋯」
「お、お兄ちゃん? 」
ハクヤは優しく笑顔を向け、クレアを木と自分で守るように挟み、短刀を再び構える。
「お前を傷つけるわけにはいかない⋯⋯ 誓ったんだ⋯⋯ 」
抵抗しようとしたクレアは一瞬目を見開らく。
「あれは⋯⋯お兄ちゃんの、せいじゃ⋯⋯⋯⋯」
そこまで言うと、俯いてしまった。
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