転生したら解体師のスキルを貰ったので魔王を解体したら英雄になってしまった!

山神 旬字

第28話 因縁の対決?! 中編

俺はとっさに体を避けた。

(こいつ普通のモルテドラゴンか?異常なまでの速度を持っているぞ。)

しかし、速度が相まって、壁に激突してしまう。

激震が走る。

床や壁が崩れるような音もする。

物凄い威力だ。

その場からモルテドラゴンが起き上がると、今度は苦しそうにもがき始めた。

自分の刃で自分自身を刺し始めた。

すごく苦しそうだ。

するとそこへ、1人の男がやってきた。

スタスタとこちらへ歩いてくる。

軽い足取りだ。

黒いフードをかぶっている。

どこかでみたことのあるそのフードはおそらく対解体繊維だろう。

俺は小声で、バレろ、と言った。

しかし消える様子はない。

「僕にはその攻撃は効かないよ。無駄だよ無駄w」

「お前は誰だ!何が目的だ!」

「まぁまぁ。そう焦るなって。あ、変なことしたら君の連れが死ぬからね?w」

「ま、まさか、ミアを拐ったのはお前か?」

「ご名答!よくできまちたぁぁ〜」

(う、うぜぇ…。)

「そんなことより、君が前に倒したモルテドラゴン、せっかく復活させてあげたのに…。
死にかけてるじゃないか。」

「いや、俺がやつの攻撃を避けたら自分から壁に衝突して…。今に至る。」

「それは草。てことで、蘇生剤をちょっと入れましてと。」

男は謎の液体が入った瓶をモルテドラゴンに投げた。

すると、咆哮をあげ、また突進してきた。

それをまた避ける。

そして壁にぶつかる。

うっ。デジャブ感否めない…。

「簡単に避けすぎよ〜。しゅーんくん。もっと楽しまないと。
ほれ、薬だ!持ってけ持ってけ!」

今度は奴が10本ほど瓶を投げた。

すると、不思議なことにモルテドラゴンはそのまま苦しみ、足掻きながら命の灯火が消えた。

「おっと。ヤクブーツを投与し過ぎたかなぁ。仕方ない。
赤いの、行け。」

グウァァァァァァァア!!!!

咆哮を上げると先ほどの通常モルテドラゴンの3倍の速度で突進してくる。

俺は、モルテソードを出すと、その剣撃を受け止めた。

ギリギリと刃が擦れる音がする。

そこからは、お察しの通り、激毒が滴り、俺の装備を少しずつ溶かしていく。

俺は一旦間を取り、亜種の攻撃に備える。

堅牢な脚は、地を剥ぎ落とし、その力で風を斬りながら進んでくる。

ジャキィィィン!!!!

俺は一瞬の隙を見落とさなかった。

亜種の爪の結合部から骨の付け根にかけて、音速レベルの速さで斬り上げた。

風圧が発生し、俺自身も飛ばされそうになるが耐える。

すると、亜種の爪は綺麗に根元から折れ、宙を舞い俺の後ろへと落下した。

グゥォワァアァァァァア!!!!

怒りの咆哮だ。

すると黒ローブのやつがこっちへときた。

男はその口を動かし、

「面白くねーなぁ〜。一瞬で攻撃不能になったじゃねーか。
亜種はな、ドラゴンならよくあるブレス攻撃とかを全部取っ払う代わりに、爪の攻撃力を爆上げしたモンスターだ。
まぁ面白くないことをしたね。
まぁいいや。ここからは僕の能力を使おう。」

「何をするつもりだ!」

「黙って見てな。
集まれ!」

男はそう叫ぶと、さっき宙を舞った左右合わせ10本の爪がポリゴンと化した。

すると、そのポリゴンたちは亜種の爪があった場所へと復り、そのポリゴンは少しずつ爪の形を成してゆく。

みるみると爪が復り、ついには元の状態へ戻ってしまった。

さては…。これってキリが無いぞ!

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