転生したら解体師のスキルを貰ったので魔王を解体したら英雄になってしまった!

山神 旬字

第5話 英雄のパレード


パッパパー パーパーパーパッパッパパー!

トランペットの音のようなものが町中に響き渡る。

王国の広場ではパレードが行われていた。

聞く話によると、過去最大級だという。

まぁ魔王を倒したんだからそれくらいのパレードはあるだろうな。

そしてこの俺は今、王国の広場の中心にいる。

めっちゃ高くて怖いんですけど。
木造で簡易的に建てられた、超高い台に登っている。そして俺の周りには大勢の群衆がいた。

町には人の頭くらいの大きさの青色の綺麗な石が街灯の一部に取り付けられていた。

〝拡声石〟

元となる集音石からなんらかの魔力が働き、拡声石に届く。
言葉の通り集音石に向かって喋りかけている声を拡声石にて大音量で拡声することができる。

ほほう。マイクとスピーカーのようなものだな。
そんなものまであるなんて。便利な世界だなぁ。


そんなことを考えていると、俺の後ろに座っていたおじさんが立ち上がり、赤色のマイクくらいの大きさの石に喋りかけた。

「こんにちは。民衆たち!すでに知っていると思うが、長年、我々を苦しめて来た魔王が、この世からいなくなった!!」

『うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!』

民衆たちもすごく喜んでいる。
魔王はそんなに悪いことをしてたんだな。

「そして!今回、魔王を討伐した英雄がいる!その名は!黒鷹 駿!!!!!」

『うおおおおおぉぉぉ!!!!!!!』

なんかめっちゃ緊張するんですけど〜。


「こんにちは。ご紹介に預かりました、黒鷹 駿というものです。今回は、このような盛大なパレードを行っていただき、凄く嬉しいです。
また、この国が平和になったのが何よりです。
ご静聴、ありがとうございます!」

『うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!』

俺は台から階段で広場に降りると民衆たちが花吹雪をやってくれて王国の城につながる道を歩いて行った。


城では、王様や王子、綺麗なドレスを着た人たちでいっぱいだった。

俺は案内されるがまま、食事会場へと向かった。

会場では豪華な料理や、大きなケーキ、オーケストラの生演奏があった。

俺はそこで料理を堪能し、ちょっとその場の人と話をして、宿へと戻った。

やっぱりここが1番落ち着くなぁ。
王様は是非城に泊まってくれ、と言ってくれたが、なんせ質問攻めやその他色々でねれなそうだからだ。

俺は今日1日の疲れを癒したかったのでさっと風呂に入り、ベッドに潜り込んだ。



…。



俺が寝てから4時間くらいだったのだろうか。
俺は尿意を感じたのでトイレへと向かい、用を足した。
しかしこの俺、一度起きてしまったらなかなか寝れないという特性を持ってしまっている。

俺は気休め程度にまだ日が昇っていない街をちょっとだけ散策してみることにした。

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