竜神の加護を持つ少年
72.王都散策と盗賊退治
今日は王都観光の日、俺、アルテッザ、メテオラ、ポチ、ホロウ、ヘメラと光学迷彩のクロとで、王都の街を散策していた。
「おぉ、あれはなんじゃ!」
「あれは雑貨屋さんですね」
「では、あれは何の店なんだ!」
「あれは小物屋さんですよ」
こんな感じで何故か、ヘメラが一番キョロキョロしていた。
クロが居なかった間、ヘメラが何処で、何をしていたのかは、一切謎である。
クロの話では竜人の村にでも行っておったのだろう!との事だが。
「これなんか可愛いにゃ!」
「タマにはこの色が似合いそうだに!」
「タマちゃん可愛いです!」
「ヘメラ様も可愛いですよ!」
このお店には、タマちゃん、ヘメラの私服を買いにやってきた。
タマちゃんはピンクのワンピースを試着しては、皆ときゃっきゃっと、はしゃいで姦しい。
ヘメラはというと、いまいちワンピースはお気に召さないようで、何故かメイド服に興味があるそうだ。
タマちゃんの白と黒の斑模様の耳、尻尾にピンクがよく映える。
一方、ヘメラの場合はメイド服でロングスカートからちょっとはみ出した赤い尻尾が、日本で最後に見たアニメのサトーさん家の竜娘に酷似しているが角は無い。
そんな感じで女性陣は盛り上がっていたのだが、買い物に付き合っている俺とクロは退屈だ。
「なぁ、クロ。女の買い物って長いってTVで見ていたけど本当だったんだな」
「うむ、我も始めてゆえ。これほどとは思わなかったわ!」
そうなのである。
もう2時間は同じ店で、あれもいい!これも可愛い!と試着を繰り返していた。
まぁ皆が可愛いと俺も嬉しいからいいんだけどね。
「あら? コータさんじゃないですか!」
誰かに声をかけられたと思ったら、孤児院の院長のフレイさんだった。
「こんにちは! フレイさんもお買い物ですか?」
「えぇ、新しく子供が入ってきたので、その子の服を買いに……」
孤児院に新しく子供が入った? いきなり孤児になるなんて、普通は無いから、何があったんだろう?
「何があって、孤児になった子なんですか?」
「えぇ、なんでも王都からトーマズの街の途中で、乗合馬車が盗賊に襲われて、両親をそれで亡くされた子なんです」
くっ、また盗賊か。旧ブリッシュ王国からアイテールに戻る途中で、盗賊を討伐したが、盗賊なんて奴等は何処にでも湧く。
トーマズか。アルテッザの実家のある街だな、今度行って見るか。
今度、孤児院に顔だしますね。と約束をしてフレイさんと別れた。
みんなも漸く買い物を終えたようで、両手にたくさんの服を抱えていた。
その服を一旦、俺の虚空倉庫に仕舞い、皆、長い買い物でお腹が空いたようなので近くの賑わっている食堂に入った。
そこでさっきのフレイさんとの話をする。
「それじゃぁ、私が以前襲われた街道に、また盗賊が出始めたんですね」
「うん、それで両親が殺されて孤児になった子の服を、フレイさんが買いに来ていたって訳」
「まだまだ、この国も物騒ですわね」
「エジンバラとの一件で一時期は本当に、やばかったからね」
「賠償金で最近は景気も上向きで良くはなっているけど……」
「悪い奴等はいくらでもいるだに!」
「これからも、オルカナの村の様な所が、出ないとは限りません!」
だよな。ポチ達の村、オルカナはオワルスターの陰謀の巻き添えで、滅んだ様なものだ。
「それでだ! アルテッザの実家に顔を出すついでに盗賊退治をしようと思うんだけど?」
俺がどうかな? というと最近めっきり、武闘派になってきているうちのメンバー、全員一致で賛成と相成った。
それから翌日、俺は以前と変わらず御車席に座っていた。めっきり寒くなってきたんで、さすがに肩から毛布を羽織ってはいるが。
今回の目的が盗賊退治なので、フロストさんにはゆっくり、飛ばさない様に言いつけてある。
そして王都から1日走った、周りが深い林になっている辺りで、それは出た。
「馬車を止めろ!」
前に5人、後ろにも5人、少し離れた前方にさらに10人は居そうだ。
この物言いで盗賊だろうな! とは思ったけど、一応確認はしなくちゃね!
「何ですか? 盗賊ですか?」
普通は盗賊だ! なんて言わないと思ったのだが、阿呆なのか?
「へへっ! そうさ! 最近この辺りで有名なとうぞ……」
最後まで言わせずに、石突を腹に食らわせた。
「この餓鬼! いきなり何しやがる!」
盗賊が先制されて、その台詞は如何なものですかね。
「だって盗賊なんでしょ? なら逆に、襲われても文句は言えないですよね?」
俺がそう言うと一斉にやってしまえ! とか言ってかかってきた。
馬車が停車した事で、異常を察知した皆も、一斉に馬車から飛び出し。
「お、おんなだぁぁ! こいつら捕まえれば、今晩は美味しい思いにありつけんぞ!」
「おぉぉ!」
あー若い子ばかりだから、一気に士気があがっちゃったよ。
もっとも士気が上がった位で、俺達に勝てるほどレベル差はわずかでは無いが。
ポチやホロウ、アルテッザとは、レベル差が100はあるんじゃないだろうか?
当然レベルの差はタマちゃんでも倍以上あるわけで……。
「とうぞくはきらいにゃ!」
タマちゃんは叫ぶと一気に盗賊の間合いに入り木の棒でこめかみ付近を殴り気絶させていく。
うは! タマちゃん以外とえげつねぇ!
盗賊にはいい思いないからね、うちの獣人娘達は。
そうして5分もたずに盗賊は全滅。この前同様、裸にひん剥いて装備没収、アジトの場所まで案内させお宝げっと!
そのまま塒に縄で縛って転がしてきた。後で魔獣に食われても俺はしらん。
「しかし、最近有名だ! とかほざいていた割りに。お宝がしょぼかったね」
「盗賊なんて所詮、食いっ逸れた駄目人間の集まりですからね」
「人間の屑だに!」
「ゴミです!」
「……」
タマちゃん、無理に言おうとしなくていいんだからね!
そんな事で盗賊退治初日の成果。20人を裸にして簀巻き。金貨1枚、銀貨24枚、他小銭でした。
「おぉ、あれはなんじゃ!」
「あれは雑貨屋さんですね」
「では、あれは何の店なんだ!」
「あれは小物屋さんですよ」
こんな感じで何故か、ヘメラが一番キョロキョロしていた。
クロが居なかった間、ヘメラが何処で、何をしていたのかは、一切謎である。
クロの話では竜人の村にでも行っておったのだろう!との事だが。
「これなんか可愛いにゃ!」
「タマにはこの色が似合いそうだに!」
「タマちゃん可愛いです!」
「ヘメラ様も可愛いですよ!」
このお店には、タマちゃん、ヘメラの私服を買いにやってきた。
タマちゃんはピンクのワンピースを試着しては、皆ときゃっきゃっと、はしゃいで姦しい。
ヘメラはというと、いまいちワンピースはお気に召さないようで、何故かメイド服に興味があるそうだ。
タマちゃんの白と黒の斑模様の耳、尻尾にピンクがよく映える。
一方、ヘメラの場合はメイド服でロングスカートからちょっとはみ出した赤い尻尾が、日本で最後に見たアニメのサトーさん家の竜娘に酷似しているが角は無い。
そんな感じで女性陣は盛り上がっていたのだが、買い物に付き合っている俺とクロは退屈だ。
「なぁ、クロ。女の買い物って長いってTVで見ていたけど本当だったんだな」
「うむ、我も始めてゆえ。これほどとは思わなかったわ!」
そうなのである。
もう2時間は同じ店で、あれもいい!これも可愛い!と試着を繰り返していた。
まぁ皆が可愛いと俺も嬉しいからいいんだけどね。
「あら? コータさんじゃないですか!」
誰かに声をかけられたと思ったら、孤児院の院長のフレイさんだった。
「こんにちは! フレイさんもお買い物ですか?」
「えぇ、新しく子供が入ってきたので、その子の服を買いに……」
孤児院に新しく子供が入った? いきなり孤児になるなんて、普通は無いから、何があったんだろう?
「何があって、孤児になった子なんですか?」
「えぇ、なんでも王都からトーマズの街の途中で、乗合馬車が盗賊に襲われて、両親をそれで亡くされた子なんです」
くっ、また盗賊か。旧ブリッシュ王国からアイテールに戻る途中で、盗賊を討伐したが、盗賊なんて奴等は何処にでも湧く。
トーマズか。アルテッザの実家のある街だな、今度行って見るか。
今度、孤児院に顔だしますね。と約束をしてフレイさんと別れた。
みんなも漸く買い物を終えたようで、両手にたくさんの服を抱えていた。
その服を一旦、俺の虚空倉庫に仕舞い、皆、長い買い物でお腹が空いたようなので近くの賑わっている食堂に入った。
そこでさっきのフレイさんとの話をする。
「それじゃぁ、私が以前襲われた街道に、また盗賊が出始めたんですね」
「うん、それで両親が殺されて孤児になった子の服を、フレイさんが買いに来ていたって訳」
「まだまだ、この国も物騒ですわね」
「エジンバラとの一件で一時期は本当に、やばかったからね」
「賠償金で最近は景気も上向きで良くはなっているけど……」
「悪い奴等はいくらでもいるだに!」
「これからも、オルカナの村の様な所が、出ないとは限りません!」
だよな。ポチ達の村、オルカナはオワルスターの陰謀の巻き添えで、滅んだ様なものだ。
「それでだ! アルテッザの実家に顔を出すついでに盗賊退治をしようと思うんだけど?」
俺がどうかな? というと最近めっきり、武闘派になってきているうちのメンバー、全員一致で賛成と相成った。
それから翌日、俺は以前と変わらず御車席に座っていた。めっきり寒くなってきたんで、さすがに肩から毛布を羽織ってはいるが。
今回の目的が盗賊退治なので、フロストさんにはゆっくり、飛ばさない様に言いつけてある。
そして王都から1日走った、周りが深い林になっている辺りで、それは出た。
「馬車を止めろ!」
前に5人、後ろにも5人、少し離れた前方にさらに10人は居そうだ。
この物言いで盗賊だろうな! とは思ったけど、一応確認はしなくちゃね!
「何ですか? 盗賊ですか?」
普通は盗賊だ! なんて言わないと思ったのだが、阿呆なのか?
「へへっ! そうさ! 最近この辺りで有名なとうぞ……」
最後まで言わせずに、石突を腹に食らわせた。
「この餓鬼! いきなり何しやがる!」
盗賊が先制されて、その台詞は如何なものですかね。
「だって盗賊なんでしょ? なら逆に、襲われても文句は言えないですよね?」
俺がそう言うと一斉にやってしまえ! とか言ってかかってきた。
馬車が停車した事で、異常を察知した皆も、一斉に馬車から飛び出し。
「お、おんなだぁぁ! こいつら捕まえれば、今晩は美味しい思いにありつけんぞ!」
「おぉぉ!」
あー若い子ばかりだから、一気に士気があがっちゃったよ。
もっとも士気が上がった位で、俺達に勝てるほどレベル差はわずかでは無いが。
ポチやホロウ、アルテッザとは、レベル差が100はあるんじゃないだろうか?
当然レベルの差はタマちゃんでも倍以上あるわけで……。
「とうぞくはきらいにゃ!」
タマちゃんは叫ぶと一気に盗賊の間合いに入り木の棒でこめかみ付近を殴り気絶させていく。
うは! タマちゃん以外とえげつねぇ!
盗賊にはいい思いないからね、うちの獣人娘達は。
そうして5分もたずに盗賊は全滅。この前同様、裸にひん剥いて装備没収、アジトの場所まで案内させお宝げっと!
そのまま塒に縄で縛って転がしてきた。後で魔獣に食われても俺はしらん。
「しかし、最近有名だ! とかほざいていた割りに。お宝がしょぼかったね」
「盗賊なんて所詮、食いっ逸れた駄目人間の集まりですからね」
「人間の屑だに!」
「ゴミです!」
「……」
タマちゃん、無理に言おうとしなくていいんだからね!
そんな事で盗賊退治初日の成果。20人を裸にして簀巻き。金貨1枚、銀貨24枚、他小銭でした。
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