子猫ちゃんの異世界珍道中
第88話、砂漠の国の王女
団子虫を倒す事に決ったのはいいですが、問題は普段は土の中に生息している為、何処にいるのか分らない点です。
「土の中から出てこないと倒しようが無いにゃ」
ミカちゃんも、僕も土系魔法は使えません。
使えても探査の魔法で無ければ探しようが無いのですが……。
「腹を空かせやって来た所を叩くしか無いだろうな」
フローゼ姫も僕達と同じ考えの様です。
「前回の前はいつ襲ってきたんですの?」
エリッサちゃんはやってくる頻度で、次回の襲撃を予想しようと考えたようです。
「ビックウッドローズは3日に一度の割合でやって来る。やって来ては街に侵入し……後は先日あなた方が見た通りだ」
「それだとあまり時間は残されてはいませんわね」
エリッサちゃんは自分に何が出きるのかを、考えているようです。
僕の持っている魔石はまだ沢山残っています。
宿に戻ってからそれを皆に配り、魔法の強化を行いましょう。
そんな話をしている内にギルマスの部屋の扉がノックされます。
扉が開くと美味しそうな匂いを発している食事が装われた、お皿を載せたトレーを持った少女が入室して来ました。
皆のお腹から音が鳴ります。
「腹ペコの所呼び止めてすまなかった。冷めない内に食べてしまおう」
ギルマスの言葉を受け、テーブルの上に乗せられた食事を貪るように食べます。
やっぱり辛く無い料理はいいですね。
量は大盛りではありませんでしたが、僕達はその料理を堪能しました。
昼ごはんを食べ終えた僕達は、いつも通りなら明後日にはビックウッドローズがやって来るので、討伐をどのタイミングで行うかを話し合います。
小一時間も話したでしょうか?
襲撃されるのがこの前と同じ場所なら、僕達の滞在している宿から近い為、即対応できます。
ですが、万一別の場所が襲われた場合の事を考えて、簡単な街の地図を受け取ります。
地図を見ると長方形の形が描かれていて、所々に番号が振ってあります。
宿の近くに襲撃が無ければ、その番号で表された場所付近に行く事になります。
一通り実際の場所と記載された番号を、頭に入れておいてくれと言われ食事の後はギルマスの案内で街壁を内側から見回ります。
徒歩で見回っていると――前からやって来た質素ですが、堅牢な作りの馬車が目の前で止ります。
すると――。
「シャラドワお姉様!」
馬車の窓からエリッサちゃんと歳が変わらない容姿の少女が、金髪の髪を揺らしながら手を振っていました。
この少女は誰でしょう?
それにしても金髪は珍しくありませんが、赤い瞳は珍しいですね。
「ジェニファー、もう起きても平気なのかい? お父上が亡くなったばかりだ。無理して出歩く事もないのだぞ」
僕達と接していた時には厳しい目つきでしたが、ギルマスのこの少女に向ける視線は僕がミカちゃんに向ける視線に良く似ている気がします。
「これでも王女ですもの、いつまでも落ち込んでいても仕方ありませんわ。私には私にしか出来ない事を考えないと……」
この少女の雰囲気はエリッサちゃんと似ていますね。
「ふふ、それでこそグラッセルの血族だな。そうだ……次回の襲撃に対抗する面々を紹介しよう」
「シャラドワお姉様は相変わらずですわね。せっかくご紹介して頂けるのでしたらお城の方で伺いますわよ」
少女は僕達に視線を移すと、儚げな感じで薄く微笑みます。
少女が乗ってきた馬車は6人掛けで、御者席に執事が乗り、中の座席は5人分開いています。
少女に案内されるまま、僕達は馬車に乗り込みました。
僕達全員が乗っても、大人が6人乗れるように作られた馬車です。十分ゆったり座れました。
全員が席に付くと馬車はゆっくりと動き出します。
「これから何処に向かうにゃ?」
ミカちゃんが予想は出来ているでしょうけれど確認します。
その返事はギルマスでは無く、金髪赤眼の少女から発せられました。
「この馬車はこの街の高台にある、お城に向かっておりますわ」
エリッサちゃんとの出会いを思い出しますね。あの時はお城の入り口まで迎えに来てくれましたが……。
エリッサちゃんは自分と雰囲気の似ているこの少女を、興味津々で見つめています。
ミカちゃんもエリッサちゃんとの出会いを思い出したのでしょうか?
微かに目元が笑っています。
フローゼ姫は……何故か複雑そうな面持ちですね。
ギルマスと少女が内輪の話をしているのを、僕達はジッと見つめていると、
「あっ、ごめんなさい。紹介はお城で行おうと思ったので……簡単に自己紹介しますね。私はこの国の王女でグラッセル・ジェニファーですわ」
この国の王女様でした。
フローゼ姫と立場では同じですね。
皆で簡単な挨拶を行っている内に、馬車はお城に到着しました。
「土の中から出てこないと倒しようが無いにゃ」
ミカちゃんも、僕も土系魔法は使えません。
使えても探査の魔法で無ければ探しようが無いのですが……。
「腹を空かせやって来た所を叩くしか無いだろうな」
フローゼ姫も僕達と同じ考えの様です。
「前回の前はいつ襲ってきたんですの?」
エリッサちゃんはやってくる頻度で、次回の襲撃を予想しようと考えたようです。
「ビックウッドローズは3日に一度の割合でやって来る。やって来ては街に侵入し……後は先日あなた方が見た通りだ」
「それだとあまり時間は残されてはいませんわね」
エリッサちゃんは自分に何が出きるのかを、考えているようです。
僕の持っている魔石はまだ沢山残っています。
宿に戻ってからそれを皆に配り、魔法の強化を行いましょう。
そんな話をしている内にギルマスの部屋の扉がノックされます。
扉が開くと美味しそうな匂いを発している食事が装われた、お皿を載せたトレーを持った少女が入室して来ました。
皆のお腹から音が鳴ります。
「腹ペコの所呼び止めてすまなかった。冷めない内に食べてしまおう」
ギルマスの言葉を受け、テーブルの上に乗せられた食事を貪るように食べます。
やっぱり辛く無い料理はいいですね。
量は大盛りではありませんでしたが、僕達はその料理を堪能しました。
昼ごはんを食べ終えた僕達は、いつも通りなら明後日にはビックウッドローズがやって来るので、討伐をどのタイミングで行うかを話し合います。
小一時間も話したでしょうか?
襲撃されるのがこの前と同じ場所なら、僕達の滞在している宿から近い為、即対応できます。
ですが、万一別の場所が襲われた場合の事を考えて、簡単な街の地図を受け取ります。
地図を見ると長方形の形が描かれていて、所々に番号が振ってあります。
宿の近くに襲撃が無ければ、その番号で表された場所付近に行く事になります。
一通り実際の場所と記載された番号を、頭に入れておいてくれと言われ食事の後はギルマスの案内で街壁を内側から見回ります。
徒歩で見回っていると――前からやって来た質素ですが、堅牢な作りの馬車が目の前で止ります。
すると――。
「シャラドワお姉様!」
馬車の窓からエリッサちゃんと歳が変わらない容姿の少女が、金髪の髪を揺らしながら手を振っていました。
この少女は誰でしょう?
それにしても金髪は珍しくありませんが、赤い瞳は珍しいですね。
「ジェニファー、もう起きても平気なのかい? お父上が亡くなったばかりだ。無理して出歩く事もないのだぞ」
僕達と接していた時には厳しい目つきでしたが、ギルマスのこの少女に向ける視線は僕がミカちゃんに向ける視線に良く似ている気がします。
「これでも王女ですもの、いつまでも落ち込んでいても仕方ありませんわ。私には私にしか出来ない事を考えないと……」
この少女の雰囲気はエリッサちゃんと似ていますね。
「ふふ、それでこそグラッセルの血族だな。そうだ……次回の襲撃に対抗する面々を紹介しよう」
「シャラドワお姉様は相変わらずですわね。せっかくご紹介して頂けるのでしたらお城の方で伺いますわよ」
少女は僕達に視線を移すと、儚げな感じで薄く微笑みます。
少女が乗ってきた馬車は6人掛けで、御者席に執事が乗り、中の座席は5人分開いています。
少女に案内されるまま、僕達は馬車に乗り込みました。
僕達全員が乗っても、大人が6人乗れるように作られた馬車です。十分ゆったり座れました。
全員が席に付くと馬車はゆっくりと動き出します。
「これから何処に向かうにゃ?」
ミカちゃんが予想は出来ているでしょうけれど確認します。
その返事はギルマスでは無く、金髪赤眼の少女から発せられました。
「この馬車はこの街の高台にある、お城に向かっておりますわ」
エリッサちゃんとの出会いを思い出しますね。あの時はお城の入り口まで迎えに来てくれましたが……。
エリッサちゃんは自分と雰囲気の似ているこの少女を、興味津々で見つめています。
ミカちゃんもエリッサちゃんとの出会いを思い出したのでしょうか?
微かに目元が笑っています。
フローゼ姫は……何故か複雑そうな面持ちですね。
ギルマスと少女が内輪の話をしているのを、僕達はジッと見つめていると、
「あっ、ごめんなさい。紹介はお城で行おうと思ったので……簡単に自己紹介しますね。私はこの国の王女でグラッセル・ジェニファーですわ」
この国の王女様でした。
フローゼ姫と立場では同じですね。
皆で簡単な挨拶を行っている内に、馬車はお城に到着しました。
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