子猫ちゃんの異世界珍道中
第37話、エリッサちゃん
「お父様のお部屋で、ミカさんが来るのを、お待ちしていたのですが、この城に入られたと聞いて、待ち遠しくてお迎えにあがりましたの」
「――にゃ」
ミカちゃん、お姫様だからって恐縮する必要なんて無いですよ。もっと堂々としていましょう。
「初めましてですにゃ。私はミカですにゃ。こちらは友達の子猫ちゃんですにゃ」
「みゃぁ~」
「お話は父から窺っていますわ、とてもお強い子猫ちゃんなのだとか」
「そうですにゃ。いつもミカを助けてくれますにゃ」
「羨ましいですわ~子猫ちゃん、私とも仲良くしてくださいませ」
「みゃぁ~」
このモカブラウンの髪をミディアムに切りそろえた可愛い少女は、珍しく僕の名前を間違え無かったです。お友達になってあげてもいいですよ。
「それでは、ここからは私が案内いたしますね」
恥ずかしそうに微笑み、そう言って僕達の前を歩き出します。
「お、おねはいしますにゃ」
ミカちゃん、ガチガチに緊張しているようです。
僕達の前を歩く、この若草色のドレスを着たお姫様は、僕と同じく足音を立てずに歩いていきます。中々やりますね。
そうして少し歩くと、豪華な木彫りの装飾がされた扉の前で一度立ち止まり、ノックをしていました。中から声が掛かると扉を開き、中へと入ります。
「お父様、御連れ致しましたわ」
「全く――仕方の無い子だ」
短くそう言うと奥の椅子に腰掛けている、30代前半位の男性は立ち上がり、僕達を笑顔で見つめ――。
「よく来てくれたね。私がこのサースドレイン子爵領の領主、グレゴリー・サースドレインだ。君達の置かれている立場は全て、調査で理解した。客人としてもてなす予定なのでゆっくりしていくといい」
「あ、有難うございますにゃ。ミカですにゃ。こちらは子猫ちゃんですにゃ」
「にゃぁ~」
「では、堅苦しい挨拶はここまでとして、座ってくれたまえ」
「失礼しますにゃ」
僕とミカちゃんは長い椅子に2人で座り、その正面に子爵様、隣にお姫様が座ります。
「それにしても大変な事件に巻き込まれたね。同情するよ。そもそもこの国の王様は、民を大事にし、善政を施す王様なんだよ。その国で民を虐げる真似をする貴族が現れるとは……王様にはもう文で伝えてあるから、オードレイク伯爵には厳しい沙汰が下ると思っていいよ。それまではこの城で娘の遊び相手でもしていてくれると助かる」
「お父様ったら、嫌ですわ。遊び相手だなんて、私もう立派なレディーなんですのよ」
「あはははは、まだ13歳なんだが、母親を小さいときに亡くし、周りには大人しか居なかったから、大人びた事を言うが、まだまだ子供でね。歳の近い子と会えるからと朝からはしゃいじゃっているんだよ。仲良くしてやってくれ」
屈託の無い優しい笑顔でそう言った子爵様は、後の事を筆頭執事のフェルブスターさんに頼むと、仕事が残っているからといい部屋から出て行った。
「では、本日からミカ殿にお泊り頂く部屋まで案内いたします。部屋にはメイドも付いていますので、不自由な事は無いかと思いますが、何か御座いましたら私か、他の執事にお話下さい」
そう言って、僕達を部屋に案内してくれました。
お部屋は、広く、お婆さんの家の部屋を全てあわせた位の部屋を用意してくれました。
「こちらが朝食や、談話が出来る部屋で、こちらは寝室。こちらが浴槽と
 化粧室になっております」
簡単に部屋の用途を教えてくれて、執事さんは退出していきました。
「じゃ、私がお城を案内いたしますわ」
とても嬉しそうにそう言って、エリッサちゃんは僕達を伴って城中を案内してくれたのでした。
「――にゃ」
ミカちゃん、お姫様だからって恐縮する必要なんて無いですよ。もっと堂々としていましょう。
「初めましてですにゃ。私はミカですにゃ。こちらは友達の子猫ちゃんですにゃ」
「みゃぁ~」
「お話は父から窺っていますわ、とてもお強い子猫ちゃんなのだとか」
「そうですにゃ。いつもミカを助けてくれますにゃ」
「羨ましいですわ~子猫ちゃん、私とも仲良くしてくださいませ」
「みゃぁ~」
このモカブラウンの髪をミディアムに切りそろえた可愛い少女は、珍しく僕の名前を間違え無かったです。お友達になってあげてもいいですよ。
「それでは、ここからは私が案内いたしますね」
恥ずかしそうに微笑み、そう言って僕達の前を歩き出します。
「お、おねはいしますにゃ」
ミカちゃん、ガチガチに緊張しているようです。
僕達の前を歩く、この若草色のドレスを着たお姫様は、僕と同じく足音を立てずに歩いていきます。中々やりますね。
そうして少し歩くと、豪華な木彫りの装飾がされた扉の前で一度立ち止まり、ノックをしていました。中から声が掛かると扉を開き、中へと入ります。
「お父様、御連れ致しましたわ」
「全く――仕方の無い子だ」
短くそう言うと奥の椅子に腰掛けている、30代前半位の男性は立ち上がり、僕達を笑顔で見つめ――。
「よく来てくれたね。私がこのサースドレイン子爵領の領主、グレゴリー・サースドレインだ。君達の置かれている立場は全て、調査で理解した。客人としてもてなす予定なのでゆっくりしていくといい」
「あ、有難うございますにゃ。ミカですにゃ。こちらは子猫ちゃんですにゃ」
「にゃぁ~」
「では、堅苦しい挨拶はここまでとして、座ってくれたまえ」
「失礼しますにゃ」
僕とミカちゃんは長い椅子に2人で座り、その正面に子爵様、隣にお姫様が座ります。
「それにしても大変な事件に巻き込まれたね。同情するよ。そもそもこの国の王様は、民を大事にし、善政を施す王様なんだよ。その国で民を虐げる真似をする貴族が現れるとは……王様にはもう文で伝えてあるから、オードレイク伯爵には厳しい沙汰が下ると思っていいよ。それまではこの城で娘の遊び相手でもしていてくれると助かる」
「お父様ったら、嫌ですわ。遊び相手だなんて、私もう立派なレディーなんですのよ」
「あはははは、まだ13歳なんだが、母親を小さいときに亡くし、周りには大人しか居なかったから、大人びた事を言うが、まだまだ子供でね。歳の近い子と会えるからと朝からはしゃいじゃっているんだよ。仲良くしてやってくれ」
屈託の無い優しい笑顔でそう言った子爵様は、後の事を筆頭執事のフェルブスターさんに頼むと、仕事が残っているからといい部屋から出て行った。
「では、本日からミカ殿にお泊り頂く部屋まで案内いたします。部屋にはメイドも付いていますので、不自由な事は無いかと思いますが、何か御座いましたら私か、他の執事にお話下さい」
そう言って、僕達を部屋に案内してくれました。
お部屋は、広く、お婆さんの家の部屋を全てあわせた位の部屋を用意してくれました。
「こちらが朝食や、談話が出来る部屋で、こちらは寝室。こちらが浴槽と
 化粧室になっております」
簡単に部屋の用途を教えてくれて、執事さんは退出していきました。
「じゃ、私がお城を案内いたしますわ」
とても嬉しそうにそう言って、エリッサちゃんは僕達を伴って城中を案内してくれたのでした。
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