マウンドで勝利を叫べ!〜勝ち続ける難しさ〜

カイリ

小4ー4 とある休日の球唔

 練習試合が終わった次の日の朝、暑い太陽の日差しで球唔は起きる。


「あじーー」


 今日は日曜日で親は仕事で練習はオフ。


 特にやることはないし、暇だな。


「ボールでも投げようかな?」


 ピーンポーン


「ん?誰だ」


 俺はパジャマのまま玄関に向かい、ドアを開けた。


「あ、才気くん! おはよ!」
「おはよ、美咲。今日はどうしたの?」
「ん? 才気くんと遊ぼうと思って」


 今日は暇だし……よし! 遊ぶか!


「うん、いいよ。今から準備するから、リビングで待ってて!」
「はーい」


 そして俺の準備が終わり。俺たちは今は。


「おー、久しぶりにスーパー来たな」
「はは、才気くん野球以外じゃ外でなからねー」


 俺たちは今、近所にあるスーパーに来ている。基本何でもある一階建てのスーパーだ。


「ねぇねぇ! あそこ行こ!」
「ん? アクセサリーショップか、いいね行こうか」


 球唔たちはアクセサリーショップに入っていた。すると、美咲が目をキラキラさせながら何かを見ていた、それを不思議に思った球唔が美咲に話しかける。


「何見てんだ?」
「これ綺麗だなーって思って」
「ん? これか」


 球唔手に取ったのは二万くらいの首飾りだった。鉄製のシンプルなデザインで派手な飾りは無い物のとても可愛らしい首飾りだった。


「これ買ってあげるよ」
「え! でも二万なんて持ってないでしょ!」
「ああ、俺、野球以外じゃおこずかい使わないんだ」
「で、でも悪いよ」
「俺は美咲が喜んでくれればいよ」
「っ! とっとにかく別のとこ行くよ!」


 美咲は顔を真っ赤にした、そして球唔を引っ張りながらアクセサリーショップを出て行く。球唔もそれに無抵抗に応じた。


 次に来たのは、飲食店。看板には「サイゼン」と書いてあった。


「ここのドリアン美味しいんだよ!」
「へー、じゃぁ、入ろっか」
「うん!」


 球唔達は飲食店に入って行く。店員の接客に流されて、テーブルに座る。


「じゃ、何食べるか決めよっか」
「うん」
「んーー。私はチーズドリアンにしようかな」
「俺もそれにする」
「じゃ、呼び鈴押すよ」


 美咲が呼び鈴を押し、しばらく経つと店員が来た。美咲が注文し、店員が対応し、裏に入って行く。


「あ!」
「どうしたの才気くん」
「ちょっとおトイレに……」
「もう! 女の子の前でそうゆう事言っちゃダメだよ、早く行って来て」
「ごめん、行ってくる」


 球唔はそう言った立ち上がるが。なぜか店内のトイレに行かず、一回店から出て行った。美咲はそれを不思議そうに見ながら、注文したドリアンを待っていた。


「ごめん、まだドリアン来てないよね?」
「うん。そう言えばなんで店内のおトイレ使わなかったの?」
「はは、店内にあったんだ」


「失礼します。こちらチーズドリアン二つです」


 数分後、球唔が帰ってきた。それとほぼ同じに頼んでいたチーズドリアンが来た。


「じゃ、食べよっか」
「ああ」
「「いただきます」」


 二人同時にドリアンに手をつける。


「「うまーー!」」


 同時にスプーンを口に入れた。感想も二人同士に出てきた。それからは雑談を交わし合いながら。数十分でドリアンを完食した。


「美味しかったね」
「うん、またきたいなー」
「うん、また来よ」


 二人は会計を終え。スーパーから徒歩五分くらいの公園に来ていた。


「ねえ。才気くんって次の大会どこまで行く気なの?」
「ん? そりゃ……全国だよ」
「ふふふ」
「何が可笑しんだよ」
「何にも。ただ才気くんならそう言うかなって思って」
「美咲はどこまで行きたいんだ」
「私も全国だよ」
「同じじゃんか」


 二人は見つめ合って微笑む。


「なぁ、美咲」
「何?」
「コレ、プレゼント」


 球唔がリュックから出したのは縦長の箱だった。


「コレは?」
「開けてみて」


 美咲は箱を開ける。そこには、さっきのアクセサリーショップで美咲が欲しいと言った二万もする首飾りだった。


「コ、コレって」
「欲しいて言ったろ?」
「でっでも! 「受け取ってくれないか?」 ありがとう」
「美咲が喜んでくれる俺も嬉しいよ……なぁ美咲」
「なに?」
「一緒に全国に行こうな」
「うん」


 いつのまにか周りはもうオレンジ色の染まっていた。不意に球唔は、美咲の顔を見てこう言い放った。


「美咲、ーーだよ」
「ッ!」

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