マウンドで勝利を叫べ!〜勝ち続ける難しさ〜

カイリ

プロローグ:夢


「ぱぱ! ぼくぷろやきゅうせんしゅになりたい」


 幼稚園児がいきなりそう言い放った。暑い夏の中、野球中継一緒にリビングのソファーで座って見ていた父親に幼稚園児がキラキラした目で言った。


「ははは、プロは厳しいぞ、それでもやるか?」


 父親は自分の息子の話を聞いてソファーの肘掛を叩きながら笑った。自分の息子が「プロ選手を目指す」とても嬉しいことだったため嬉しくて笑ったように見えた。だがどの世界のプロも厳しい事を知ってきた父親は自分の息子目をしっかりと見て、問いかけた。


「うん! ぼくがんばるよ、いっぱ、いっぱいかって。せかいいちのせんしゅになる!」
「そうか、なら今から道具を買いに行くぞ!」


 父親はソファーから立ち上がり、それに続いた息子も立ち上がる。父親は支度をして玄関へ向かう、息子は嬉しそうに顔をニコニコさせながら父親について行った。




あれから数年後


 暑いなるが続いていた。
 幼稚園児だった子は7歳になり地域の野球クラブに入る事になった。
 クラブの名は「リトルバード」地域ではそこそこ強いチームで、人数は新しく入る子を合わせて20人で低学年年7人、高学年8人、新入生5人だった。


 今日は入団式のため親子で来ていた。周りには他の保護者や子供がいる。


「よし、並べー!




これから入団式を始める、新しく入る子は前に出てくれ、それでは、自己紹介からだ! じゃぁ、君から」


 監督らしき人が出てきて号令をかける。それを聞いた他の子供、保護者が並び始める。子供はグランドに保護者はテントが用意してあったためそこに並んだ。並び終わり、監督らしき人の言葉で入団式が始まった。


 はじめに自己紹介をするのは、列の端に居た自分の息子だった。


「小学1年生、球唔きゅうご 才気さいきです! よろしくおねがいします!」


 球唔の自己紹介が無事に終わり、保護者用のテントにいた父親はホッと胸を撫でおをす。


 球唔の自己紹介が終わり、ドンドンと他の子の自己紹介が始まって居た。


 7歳になった球唔は身長百三十センチまで伸びていた。7歳の平均身長が百二十センチだから、球唔は他の子と比べると頭一つ抜けて居た。髪の毛は短く切っており耳が出ている、顔も中の上並みのイケメンになっており、爽やかという言葉がよく似合う少年に成長していた。


「これで全員終わったな。俺はこのリトルバードの監督をしている『再再』だ、よろしく!」


「「よろしくお願いします!」」


「ではこれから練習を始める!新入団した者少し残ってくれ。それでは練習開始!」


 監督の合図で選手が散らばり練習を始めた。残った選手が監督の周りに円を組み話を聞く体制になった。


「それでは、希望ポジションを聞く。球唔お前はどのポジションをやりたい?」


「とうしゅをやりたいです!」


 監督は一瞬驚いた顔をしたが嬉しそうにニヤリとした。ニヤリとした訳はこの歳で投手をやりたがる選手は意外と少ない、だが球唔のような身長で投手をやりたいゆうのはとても監督としても、チームとしても嬉しい事だったからだ
 どのスポーツでも身長は一つの武器になる。平均身長を十センチを超える球唔は投手にぴったりだった。


 その他の選手のポジションを聞き。新選手達も練習に混ざる。


月日は流れ


そして球唔は4年生になって居た。


「行ってきまーす」
「今日も頑張って来なさいよ」
「うん、わかってるよ母さん」


 才気は野球バカになっていた。玄関から球唔が飛び出す姿を見て母親はニッコリと微笑んでいた。
 ここから始まる、才気の野球物語が。

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