異世界王政〜Four piece stories〜

桜井ギル

報告NO.001

………………

…………………………



『こちら、エド』


『忘れられた地にて、不思議なものを発見』


『報告します』


『報告NO.001』






貴女は知らなかったでしょう。忘れてた地…というより、そもそもクルシエ帝国は『魔界』だったということを


今のクルシエ帝国は初代の皇帝が魔界のほとんどを浄化して生まれたのです。


しかし、それは全て浄化することはありませんでした。瘴気が濃く残っている場所を『魔界』、薄いけども瘴気の残っている場所を人が寄り付かない故に『忘れられた地』と呼ぶのです。


また、忘れられた地は魔界に近すぎる故に魔界の瘴気が残っているのです。その瘴気量はヴァンパイア界と非常に似ております。故に罪を犯したヴァンパイアがヴァンパイア界を追放されると、そこに留まっているのです。


貴女がいう『魔界』はヴァンパイア界とは似ても似つかないのですよ。


…ところで貴女は魔王の存在をご存知でしょうか?


ああ、知っていましたよね。失敬。


そう、貴女のご存知の通り魔王はとっくに滅びましたよ。…ええ、とっくにです。


しかし、そのいわゆる『魔界』で不穏な動きがあるのはご存知でしょうか?


噂では、魔王が近々復活するのではないか?とまで言われているのです。


どうしてそんな噂が出たのか…理解出来ません。


貴女はどのように思いますか?


答えてくださいアリスティル様


エド






………………


…………………………



『ふふ、ねぇエド…………』


『もしも、本当に魔王が復活したら』


『あなたはどうする?』


『…ああ、ごめんなさい。唐突に何の脈絡もない質問しちゃって…………』


『でもあなた、本当は気づいているのでしょう?』


『先代の魔王は復活することはないけど、新たな魔王の器がいることに』


『それが誰か知りたい?』


『それは……………………』



……………………



………………………………









───プツッ


『メッセージを、終、了イタシマシタ』


『……………………申し訳、ゴザイマ、セン。繰り返しの再生、ハ、不可能トナッテオリマス』


『……………………………………』







メッセージはここまでのようだ

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