異世界王政〜Four piece stories〜

桜井ギル

タイムリミット(1)

アリスティル「…………今、なんて?」


アルベール「だから、もうすぐ貴女は完全なヴァンパイアになるんです」


アリスティル「……………………」


アリスティル「とりあえず、1回殴らせて」


アルベール「はあ…動揺してますね……」



この瞬間、アリスティルは家に帰る望みを完全に断ち切られてしまった気がした。


完全なヴァンパイアになれば人間界に行くには色々手続きが面倒…億劫だから



アリスティル「兎に角、呪いの期限は明日ってことか…」


アルベール「ま、そうなりますね」


アリスティル「なんでこんな日に人攫いとかするのよ…」


アルベール「………知らないです」



アリスティルの呪いについて説明しよう


アリスティルの両親は共にヴァンパイアだが父親のロイスがアンリーにはめられてしまったからだ


アンリーは赤の王の称号を持つロイスに取りいようとし、魔法でロイスを操りそしてギルトを産んだ


しかし、これがヴァンパイア王の逆鱗にふれ、ヴァンパイア王の妹リリアーナを正妻として送り込む


ヴァンパイア王はそれだけでなくロイスを直接呼び出し、次に産まれる子は何かしらの呪い持ちになるように呪った


問題はその呪いには特定の効果がないためどのように作用するか実際にその子が産まれるまでは分からなかった


アリスティルの場合は両親以外の親族による干渉がある場合に発動するものだった


それが「あの事件」…アリスティルが通り魔に刺された時……アリスティルはヴァンパイア王に干渉されてしまった


そのことによってアリスティルの呪いの主導権はヴァンパイア王に堕ちたのだった



アリスティル(厄介ね…………)



きっと私があの場所に帰れるのはだいぶ先…いやもしかすればもう戻れないかもしれない







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