異世界王政〜Four piece stories〜

桜井ギル

大切な事

アリスティル「………はあ」


アリスティル「神父と司祭は違います!」


アリスティル「それにね、神父であろうと司祭であろうと普通ビームは出しません」


ファウスト「……え?聖職者ってビーム出せるのではなかったのですか?」



何その理論


聖職者はビームを出せるって誰から教えてもらったのよ!こいつの師匠の顔が見てみたいものだわ!




アルベール「………っく、ただの人間風情がっ!!」


アリスティル「っ?!」



アルベールは聖職者による攻撃を受けてもなお、動けるようだった。


そしてすぐ私の後ろに回り込み私を捕まえた。



アリスティル「っ痛!」


アリスティル「嫌!離して!!」


アルベール「いいえ離しません」



アルベールは私をまるでものであるかのように乱暴に引っ張る。



アリスティル「うわぁーんっ!ファウスト助けてよ!お願いだからァっ!!さっきのやつもう一度使って!!」


ファウスト「…すみません、神聖の力がもうカラッケツで………ごっふ」(バタンっ)


アルベール「戯れはもう辞めなさい。惨めですよ」


アリスティル「………………」


アルベール「さあ、いい子だから私に着いてきなさい」


アリスティル「…………………………」



嗚呼、これが最期かもしれない


お願いだから……壊さないで壊れないで


もう私にはあの場所を……………








フランチェスカ「…ねえ、フィルナンドくんは?」


スピア「まだ帰ってきてませんね」


フランチェスカ「…ねえ、姫ちゃんは本当に帰ってくるよね?」


スピア「…………」


フランチェスカ「ねえ何とか言ってよ!ねえ!!」


スピア「………っ」


暁人「………………………」



フィルナンドさんがアリスティルさんを迎えに出ていってからもう1週間も経っていた。


さすがに遅すぎだからか俺達の中でピリピリと不穏な空気が流れる。



フランチェスカ「姫ちゃんがいなくなったら『ギルト・キングスレー』はどうなるの?」


フランチェスカ「姫ちゃんはずっと今までお兄さんのフリをして色んな人を助けてきたんだよ」


フランチェスカ「……私だってその1人なのに……………」


スピア「………………」


スピア「そろそろあなたのことを教えて貰ってもいいですか」


フランチェスカ「………分かった。本当は姫ちゃんにも聞いて欲しかったけど……
でも姫ちゃんって感がいいから多分気づいてるかもね」



フランチェスカさんは一息ついて口を開く。



フランチェスカ「私の本当の名前はアリシア・ルクレシア。ホワイト領の名家の1つ、ルクレシア家の長女なの。」

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