異世界王政〜Four piece stories〜

桜井ギル

罪の自覚

ファウスト「ふむ…なるほど」


ファウスト「つまり貴女はギルト・キングスレーがすぐにでもキングの座を継承出来るようになりすましていると」


アリスティル「……ま、そんな感じです」



ちょっとニュアンスが違う気がするけどあながち間違いでもないし訂正しなくていいよね



ファウスト「そんな理由が通ると思っているんですか?」


アリスティル「……え」


ファウスト「あなたは兄のために自分の人生を棒に振っているようなものですよ。」


アリスティル「それは………」


ファウスト「貴女が重罪人ならまだ理解出来ます。ですが違うのでしょう?」


アリスティル「………」


ファウスト「…どうして黙るのです?」


フィルナンド「アリス嬢……?」



やはり…罪、なんでしょうね


こうも指摘されれば嫌でも自覚する


たとえ私が主犯出なくても実行犯である事には変わりないのだから…






…数年前


それは突然だった。



ヴァンパイア王「始末しろ」


アリスティル「……はい?」



この日は私がヴァンパイア王に呼ばれてヴァンパイア王の住む城に来ていた。


この時私は赤の王の座を継承したばかりだったため、それをおじとして祝いたいという申し出があった。その時突然言われた。



ヴァンパイア王「もう一度言う。お前の腹違いの兄、ギルト・キングスレーを始末しろ」


アリスティル「…言っている意味が分かりません。どうしてですか?理由を言ってください。」


ヴァンパイア王「簡単な事だ。彼奴は邪魔だからだ。私の計画に彼奴は要らん。」


アリスティル「計画?」


ヴァンパイア王「それは今はどうでもいい事だ。お前はただ私に従えばいいのだ」


アリスティル「そんな……」


ヴァンパイア王「もしお前がやらなければ私の息子達にやらせる。そしてお前は私の命令に逆らった裏切り者として処罰する」


アリスティル「……ちなみにその処罰って?」


ヴァンパイア王「お前を地下牢行きとし、奴らの餌にする」


アリスティル「……」


ヴァンパイア王「奴らにはここ二百年は何も与えてないから飢えてるだろうなぁ」


ヴァンパイア王「喰われて奴らの栄養になるか、はたまた別の意味で食われることになるかもな」



ヴァンパイア王は不気味な笑みを浮かべていた。


私は目の前の奴をおじである事を忘れ、縛りあげたかった。


だけど、親子の契りがあるためそれは出来なかった。

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