異世界王政〜Four piece stories〜

桜井ギル

神父は何者?

とりあえず行く宛がないので協会に来てみた。



アリスティル(ユリウス)「…………帰っていいですか?」


フィルナンド「なんでそんな露骨に嫌そうな顔するんだよ。本人が見たらなんか言われるぞ」


アリスティル(ユリウス)「それはそれで嫌だわ。よし、帰る」


フィルナンド「ちょっと待て!」



フィルナンドはグイッと私の腕は掴む。



アリスティル(ユリウス)「何?痛いから離して」


フィルナンド「ああ、ごめん。それよりお願いだから帰らないで」


アリスティル(ユリウス)「はぁ?何言ってんの?」


フィルナンド「あの…………それがフランチェスカが………………ごにょごにょ」


アリスティル(ユリウス)「はぁ…おおよそ察したわ」



どうせまたフランチェスカが花瓶あたり怒りで壊したのでしょう。もう呆れて怒ることにも疲れたわ。


それに私はこの件を片付けるまではキングスレー家には戻らないと決めたんだもの


今回の件はなかなかハードルが高いけどちゃんと解決してみせる



フィルナンド「いつまでそこに立ってるつもりだ?置いていくぞ!」


アリスティル「え……」



気がつけばフィルは既に教会の扉に手を掛けていた。



フィルナンド「そこにいたらあいつら追いかけてくるぞ」


アリスティル「それはもっと嫌!」



私はクソエセ神父とヴァンパイア兄弟を天秤にかけ、どちらも嫌だが仕方なくクソエセ神父の方を選ぶことにした。








?「む、客人とは……」


?「しかもキングスレーの若き王と、隣は…」


フィルナンド「初めまして神父サマ?私は白の王フィルナンドです」


?「それはそれはご丁寧にどうも」


?「私はこの教会で神父をしているファウスト・フォン・テオフィルスという者だ」



ファウストというのは偽名だ。…正確にいうとファウストはあっているらしいが姓が違うらしい。



ファウスト「赤の王、・キングスレー」


ファウスト「いつまで黙っているつもりだ?」


アリスティル「げっ……」


ファウスト「なんて品のない声だろうか」


ファウスト「それでも神に愛されし光の御子か?」


アリスティル「…それは関係ないでしょ」


アリスティル「それに光の御子と言っても魔法が全く効かないってだけなんだけど」



『御子』もしくは『神の申し子』とも言う


私はヴァンパイアだが何故か『御子』として生まれた。


この世界では誰もが『御子』として生まれるわけではなく極一部のひと握りも居ないくらいしか存在しない。


御子が生まれる確率は世界に隕石が当たる確率よりも低い…と(ファウストいわく)


御子と言ってもそのほとんどが生まれつき特別体質だったり魔法に関する体質など


私の場合その後者。生まれつき魔法が効かない。

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