異世界王政〜Four piece stories〜

桜井ギル

久しぶりの友

レオン「というかアリスティル放ったらかしじゃん」


ローレンツ「………あ」



見ればアリスティルはたまたま近くにあった木に頭をぶつけてうずくまっていた。


相当痛かったんだろう。ま、俺が悪いんだが!


当然謝らない。(謝れない)



レオン「アリスティル?大丈夫かい?」



兄貴はいつの間にかアリスティルに近づいてアリスティルに手を差し伸べていた。



アリスティル(ユリウス)「………ぶつぶつ」


レオン「……ん、どうしたんだい?」


アリスティル(ユリウス)「………」


アリスティル(ユリウス)『赤の王特権・私は何の悔いもありはしないドント・ハブ・ア・リグレット


レオン・ローレンツ「!!!!!!????」







嗚呼、またやってしまいました。


つい怒りで燃やし尽くしてしまいました。


見れば芝生は焼き焦げ、レオンとローレンツはいた場所に倒れていた。


流石にヴァンパイアだから死んではいないけどかなり危険な状態かも


これにはちょっと反省……


しかし、これなら


今なら逃げられる!


悪夢のような日々におさらば出来る。



私がヴァンパイアに身を投じた後は悪夢のようだった。


レオンに追い回されるわ、アルベールにこき使われるわ、ローレンツに罵倒されるわ、アレクシスにパシリ認定されるわ…


もう嫌っ!帰る!お家帰るもん!!


でも、呪いがある限りは逃げられない。


どうすれば……



?「だったら呪いの元を断て」


?「ヴァンパイア王を殺れ」


アリスティル(ユリウス)「……っ!誰?!誰かそこにいるの!?」



辺りを見回しても誰もいない。確かに声が聞こえたはずなのに


気のせいなのでは、と自分に言い聞かせてその場を去ろうとした。



?「……ねぇ、逃げないでよ」


アリスティル(ユリウス)「!」



今度ははっきりと気のせいではないと主張するような声が聞こえる。



アリスティル(ユリウス)「だ、誰!?」


?「誰って……心外だなぁ」



木影からゆっくりとその人物は出てくる。



?「………久しぶり」


アリスティル(ユリウス)「フィ、フィル!?」


フィルナンド「いやぁー、正直苦労したよ。フランチェスカはカンカンに怒ってるからとりあえず適当にあしらっておいたけど」


アリスティル(ユリウス)「うっ……」


アリスティル(ユリウス)「迷惑かけてごめんね」


フィルナンド「別に、いいけど」


フィルナンド「それよりなんでここにいるわけ?」


アリスティル(ユリウス)「は?」


フィルナンド「アリス嬢は皇宮にいるとか言っちゃったんだけど」


アリスティル「……………は?何言ってんの?」



普通に考えて自業自得。私に責任押し付けないでよね



アリスティル「まだまだ、あなたの推理は未熟って事ね」


フィルナンド「そうかもだけどさすがにはっきり言われると傷つくなぁ」


アリスティル「『確信を打つ証拠がなければ犯人は追い詰めることが出来ない』…昔読んだ推理小説にそんなフレーズがあるの」


フィルナンド「へぇー……」


アリスティル「つまりあなたは二流探偵どころか三流探偵ね」


フィルナンド「…………言うね」



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