異世界王政〜Four piece stories〜

桜井ギル

フランチェスカの怒り

一方その頃…レッドキャッスルにて



ーコンコンッ



スピア「……いい加減、機嫌を直したらどうですか?」



シーン



スピア「まだ主のことで怒ってるか?」


フランチェスカ「………るさいわね」


フランチェスカ「怒ってるに決まってるでしょ!」



スピアとフランチェスカはドア越しで喧嘩を始めた。



?「まあまあ、二人とも落ち着いてください。」



喧嘩の仲裁に入ったのは意外な人物だった。



スピア「…フィルナンド様、まだお帰りになってなかったんですか?」


フィルナンド「ああ、少し気になることがあってね」


フィルナンド「言っとくが、アリス嬢がおかしくなったのは俺のせいじゃないからな」


スピア「……」



スピアはまだフィルナンドが何かしたのではないかと疑っているようだった。


その証拠に今もフィルナンドをめちゃくちゃ睨んでいる。



フィルナンド「とにかく、1度アリス嬢がどこにいるか探しに行く」


スピア「……宛はあるのですか」


フィルナンド「勿論」



フィルナンドは待ってましたと言わんばかりの不敵な笑みを浮かべる。



フィルナンド「皇宮・ゴールドキャッスル」


スピア「……何を根拠に」


フィルナンド「先程通達が来たのだがヴァンパイア王が皇帝陛下に謁見を申し立てたらしい。」


フィルナンド「だがヴァンパイア王は欠席、代わりに第三王子・ローレンツが謁見する。」


スピア「それがなんだ」


フィルナンド「アリス嬢は今ヴァンパイア側だけど人間側でもある。」


フィルナンド「帝国に置いて1位2位を争う実力を持つキングスレー家がヴァンパイア側だと公表されれば当然混乱する。」


スピア「……チッ」


スピア「それが一体何が関係あるんです!」


フィルナンド「アリス嬢はローレンツと一緒に行動するであろうっていうこと」


スピア「……?」


フィルナンド「あー、つまりゴールドキャッスルに行けばアリス嬢に会えるってこと」



ーガタンッ!



なんの音かとびっくりして音の主を探すとフランチェスカが思いっきりドアを蹴った音だったことが分かった。



スピア「……」


フィルナンド「……………」



スピアとフィルナンドは唖然としている。


当然だ。何故ならドアが言葉通り真っ二つになっているからだ。



スピア「フ、フランチェスカ…さん?」



恐怖を感じたのか何故か敬語になっているスピアでしたー

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