未来の観測者

シャーレ「うん、アリスティルは未来観測が出来るの。だからアリスティルの見る未来は正しい歴史なの」


シャーレ「アリスティルはこれを他人に教える事を拒んだのだけど歴史守護の仕事で使うならって作ってくれたのよ」


暁人「へぇー……」



それほどの人が人間よりもヴァンパイアを選んだのはどうしてなんだろう。


正しい未来を知っているのなら、歴史の歪みを止めようとするはずだ、アリスティルさんなら


でも俺はアリスティルさんの事何も分かっていなかった。アリスティルさんの行動の意味も分からない。


だからアリスティルが歴史守護組織に肩を入れているのかどうかも分からない。


もしかしたら歴史改変派かもしれない。


根拠はないがあの行動はヴァンパイア達に肩入れするものだった。



アリスティル『私は人間の味方であることをやめたのよ』



でもあの言葉は証拠になるのではとふと思う。



暁人「あの、シャーレさん」


シャーレ「なぁに？」


暁人「アリスティルさんは歴史守護組織の何なんですか？」


シャーレ「というと？」


暁人「アリスティルさんは人間の味方であることをやめたって言ってたんです。この耳で聞きました。」


シャーレ「そうなの！？」


シャーレ「アリスティルはいったい何をするつもりなのかしら」


シャーレ「……もしかして、この先起こる事実を変えたくて？」



シャーレさんはそう言うと未来予知残って本を開いた。



シャーレ「！」


シャーレ「書いてない……」


暁人「何がですか？」


シャーレ「昨日のことからずっと何も書かれてないの！前は確かに書いてあったのに」


シャーレ「前は確か……今日はアリスティルとフィルナンドがこの国の皇帝に謁見すると書かれてたはずなのに」


シャーレ「T-47！」


T-47「お呼びでしょうか」


シャーレ「今すぐ今日起こるはずの事が起きているか調べてきて」


T-47「かしこまりました」



AIだろうか？シャーレさんに呼ばれてすぐに出てきた。しかも壁を突き抜けて



T-47「戻りました」


暁人「早っ!!」


T-47「当たり前です。私はそこら辺のAIよりも格上の上級AIですから」


T-47「主様、確認したところ現在そのような事は行われてはいませんでした」