異世界王政〜Four piece stories〜

桜井ギル

ヴァンパイア王家の兄弟達

男2「めんどいなんて心外だなぁ」


ローレンツ「うっせぇ、一応俺がお前の兄貴だろうが」


男2「でも生まれた時間はたったの2時間差〜!」


男1「そろそろ黙りなさい。五月蝿いうるさいですよ。」


男2「ちぇ、…………はーい」


ローレンツ「…………ちっ」



状況が掴めず俺だけ取り残されていた。



男1「嗚呼すみません。あなたもいたのですね」


男1「よくやりましたね、ローレンツ。あなたにはあまり期待してませんでしたが」


ローレンツ「おい!今なんか言いやがったか?」


ローレンツ「俺はかーなーり苦労したんだぜ?もう少し労ってくれても……」


男2「うっさいよ、ローレンツくん」


ローレンツ「あぁ?んだとてめぇ!!」


男1「黙りなさい」


男1「貴方達が喋り出すといつも喧嘩喧嘩…少しは学習しなさい」


男1「……このような下等な人間に自己紹介など不要…ですが、父上じきじきのご命令ですから致し方ありません。」


男1「私はアルベール。ヴァンパイア王家の次男です。」


男2「僕はアレクシス。アルベールと間違えないでね。ローレンツの双子の弟だよ」


ローレンツ「……はっ、俺はそんなこと1度たりとも思ったことないがな」


アレクシス「えぇー…酷いなぁ」


アルベール「静かに!」


アルベール「あなたがあの女が召喚した新島暁人でよろしいのですね?」


暁人「っ……!」


暁人「……………はい」



微かにだが殺気を感じた。怖い……


それに「あの女」ってアリスティルさんのこと?



アルベール「嗚呼、それとあなたに伝えるべき事がありました。」


アルベール「まず、あの女の名前…アリスティルはキングスレー家としての名前ですがここでは違いますからね」


暁人「……は?」



自分でも分かるくらい素っ頓狂な声をあげていた。


つまり……



暁人「偽名…?」


アレクシス「惜しいね。あの子はアリスティルという名前を背負っているけど、同時にヴァンパイアとしての真名も背負ってるんだよねぇ」


アレクシス「僕らには出来ない事だよねぇ。思わず尊敬しちゃうくらい。」


暁人「……?」


アレクシス「その顔は分かってないって事だよね」


アレクシス「いいよ。教えてアゲル。」


アレクシス「つまりあの子は赤の王という大きな地位を持ちながら、ヴァンパイアとしてヴァンパイアの王の座を狙う……」


アレクシス「欲張りな子なんだよ」

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