異世界王政〜Four piece stories〜

桜井ギル

急変

俺が寝ていると扉がノックされる音が響いた。



暁人「はい…」



そこにはアリスティルさんが立っていて、隣に客人と思われる人をおぶったスピアがいた。



アリスティル「…………もう、部屋に戻ってもいいから」



たった一言そう言ってアリスティルさんとスピアは去っていった。


アリスティルさんの瞳には暗く曇ったような感じがした。



暁人「お客さんと何かあったのかな」



アリスティルさんを心配した気持ちが大きく、俺は食事時にでも聞いてみようと固く決心したのであった。







暁人「えっ!?アリスティルさんが食事を取りたがらない?」


フランチェスカ「そうなの。姫ちゃんったら今まで健康に注意していて毎日3食欠かさなかったのに……」


スピア「俺が主の部屋に呼びに行っても部屋から出ようとはしなかったな」


フィルナンド「それってやばいんじゃ」


暁人「……あの」


暁人「自然に会話に混じってるあなたは誰ですか?」


フィルナンド「ああ、失礼。ちゃんと自己紹介すべきですね。私はフィルナンド。白の領地の王です。」



やはり俺の推理は正しかった。フッ(どやぁ)


我ながら恥ずかしいことをしてるなとか思うが今は関係ない。



フィルナンド「君も見たのか……アリス嬢の態度が急変したのを」


暁人「…!はい……」



この人に心を見透かされてしまったのではと体をビクつかせてしまった。



フィルナンド「最初に言っておくが、断じて私のせいではない。」


スピア「いいや、あなたが1番怪しいです!主の態度が急変したのはあなたと話していた後ではありませんか」


スピア「何かやったんですね?」


フィルナンド「いやー、そのーー……」


フィルナンドさんは言い出しづらそうにモジモジし出す。


スピア「もったいぶってないでさっさと言ってください!!」


フィルナンド「……君は怒るかもだけどアリス嬢の近くに寄って、もう少しだけって言ってたらいつの間にか寝ちゃってました!」


スピア「……(ブチッ」



あっ…
なんか察してしまった。

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