異世界王政〜Four piece stories〜

桜井ギル

パジャマ脱却

俺は悟った。ここには変人しか居ないのだと。


アリスティルさんは人外だし、スピアは変態。フランチェスカに至っては良くいえばムードメーカー、悪く言えば空気が読めない人。



暁人「はぁ…俺はこんな変人しか居ない中でやっていけるのかな……」


スピア「はぁ?!それを言うならお前も変人だからな!!」



スピアは怒っているのかいつもの丁寧な口調が崩れてしまっていた。


フランチェスカ「そうそう。朝こんな場所にパジャマで彷徨くこと自体君が変人というのを物語ってるからね。」



暁人「…………あっ」



そうだった。今までのやり取りで俺はパジャマ姿であったことを忘れてしまっていた。



アリスティル「あの、暁人さん?本当にパジャマしかないっていうのは本当なんですか?」


暁人「はい………お恥ずかしながら。」


アリスティル「そうだったのですか……そんな時に呼び出してしまってすみませんでした……」


アリスティル「お詫びといってはなんですがとりあえず今はスピアの服を借りて…」


スピア「私はこいつに私の服を貸すのは嫌です!」


アリスティル「そう…………でも他に男物の服は………………あっ」


アリスティル「あったわ。私の兄様の服。昔のだから暁人さんに合うかどうか分からないけど、着てみる?」


暁人「っはい!お願いします!」


とにかくパジャマ脱却出来るならなんでも良かった。服さえあればいいってことだ。








アリスティル「良かった。暁人さんに合うサイズが残ってて。」



アリスティルさんが用意したのはどこか品のある燕尾服だった。



暁人「あの……なんでこれ………?」


アリスティル「ああ、実はね兄様の身長って結構高いの。だから結構前の服しか合わなくてこれしかなかったの。」


暁人(マ・ジ・デ!?)



心の中で俺はどんだけ身長高いんだよっと思った。


俺の身長は175cmだ。これより結構高いとなると何cmなんだろうか。



アリスティル「…なんか露骨に嫌な顔をされていますね。これ言っちゃダメかもしれないですが、パジャマよりはマシなのではないですか?」


暁人「……ごもっともです、はい。」



顔に出てしまってたか……。

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