異世界王政〜Four piece stories〜
処罰
そうして、エドとカイはキングにこの状況になった理由を話した。
彼女のおかげで捏造はされなかったがいざ振り返ってみると我ながら恐ろしいことに遭ってしまったと思う。
「それで?」
「えっ?」
「あなた達は今後何をすべきか…分かりますか?」
彼女は真剣な顔で彼らを見つめる。
「私はあなた達にアイツのように道を外れて欲しくないだけなのです。だからそれなりの処罰を下すつもりです。」
アイツとはいったい誰なのだろう?
そう思ったがその疑問を押し殺し、彼女の話に耳を傾けた。
「まずエド。」
「はい…」
「あなたは我が右腕とも言えるスピアに変装し、暁人さんを亡きものにしようとした…」
『スピア』という人物はどうやらでっち上げて作ったものではなく、ちゃんと本人がいるみたいだ。
「はい」
「これは言うまでもなく分かりますよね?」
「はい…」
悪い空気が漂っているかのようでこの場にいることが苦しくなる。俺はただの野次馬かのようでこのままここにいるのは辛かった。
「この土地から追放…とまでは言いません。しかし、あなたにはそれなりに償ってもらう必要があります。処罰の内容は私のお城で下働き…これでいい?」
「はい…問題ありません。」
こうして見ているとエドには2つの表情が見えたような気がした。
一つは罰を与えられて沈んでいる表情。もう一つは…喜んでいる表情…?
「嗚呼、アリス!貴女様はとても慈悲深いお方!一生ついて行きますよ〜!!」
エドはそれまでの事を忘れたかのように喜んでいた。
「…(ドン引き)」
エドの突然の言葉に驚いたのか、彼女は少しずつエドから離れていく。
「待ってくださいよ、アリス!私達はこれから一緒なんですから!」
「…気持ち悪い。スピア、やっぱこいつ斬っていいよ。」
「御意」
そう言ってどこからか男性が目の前に飛び出してきた。
「待て待て!やめてくれよ!」
「…私の事を『アリス』と呼ばないで。この名前で呼んでいいのは彼だけよ。」
彼…?
彼女は誰の事を言っているんだろう?
「彼…か。フッ、ハハッハハッハハッハハッハハッハハ!」
「はあ…。なるほど、『彼』なら納得行くな。」
「…」
「分かったよ。改めて、キング。私の事は道具とでもなんとでも思ってくれても構いません。ですが、私は道を外れることはしません。ここに、貴女への忠誠を誓います。」
「チュッ…」
エドは彼女の手をとり、爪先にキスをおとす。
何かのゲームで見たが、爪先へのキスは騎士の誓い?だそうだ。
「ふむ、別に君に守って欲しいわけではないのだが…良いだろう。」
「スピア、下がって。」
「はっ」
スピアは突然現れたのと同様。音も立てずにその場から消えていった。
「それとカイ。」
「っはい!」
カイはビクビクしながらキングの方へ目を向ける。
「あなたは…そうね。下働きは難しそうだからあなたは街の子供達と遊んであげなさい。皆あなたとちっとも遊べなくて残念そうだったから。」
「それくらいお安い御用です!( ´罒`*)✧」
カイは嬉しそうに街へ向かって走り出す。
「夜までには帰ってくるのですよ!」
「はーい!」
まるで親子のやり取りを見ているようだ。彼女は大人びて見えるだけなのだと思う。
「さて…暁人さん。お待たせしてしまい申し訳ございません。そして怖い目に合わせてしまった事を彼らの代わりに謝ります、大変ご迷惑をお掛けしてしまい申し訳ございません!」
この人が謝る必要なんてないのに…
そう思っていても、彼女の必死の意志を見ているとそう言う事が出来なかった。
彼女のおかげで捏造はされなかったがいざ振り返ってみると我ながら恐ろしいことに遭ってしまったと思う。
「それで?」
「えっ?」
「あなた達は今後何をすべきか…分かりますか?」
彼女は真剣な顔で彼らを見つめる。
「私はあなた達にアイツのように道を外れて欲しくないだけなのです。だからそれなりの処罰を下すつもりです。」
アイツとはいったい誰なのだろう?
そう思ったがその疑問を押し殺し、彼女の話に耳を傾けた。
「まずエド。」
「はい…」
「あなたは我が右腕とも言えるスピアに変装し、暁人さんを亡きものにしようとした…」
『スピア』という人物はどうやらでっち上げて作ったものではなく、ちゃんと本人がいるみたいだ。
「はい」
「これは言うまでもなく分かりますよね?」
「はい…」
悪い空気が漂っているかのようでこの場にいることが苦しくなる。俺はただの野次馬かのようでこのままここにいるのは辛かった。
「この土地から追放…とまでは言いません。しかし、あなたにはそれなりに償ってもらう必要があります。処罰の内容は私のお城で下働き…これでいい?」
「はい…問題ありません。」
こうして見ているとエドには2つの表情が見えたような気がした。
一つは罰を与えられて沈んでいる表情。もう一つは…喜んでいる表情…?
「嗚呼、アリス!貴女様はとても慈悲深いお方!一生ついて行きますよ〜!!」
エドはそれまでの事を忘れたかのように喜んでいた。
「…(ドン引き)」
エドの突然の言葉に驚いたのか、彼女は少しずつエドから離れていく。
「待ってくださいよ、アリス!私達はこれから一緒なんですから!」
「…気持ち悪い。スピア、やっぱこいつ斬っていいよ。」
「御意」
そう言ってどこからか男性が目の前に飛び出してきた。
「待て待て!やめてくれよ!」
「…私の事を『アリス』と呼ばないで。この名前で呼んでいいのは彼だけよ。」
彼…?
彼女は誰の事を言っているんだろう?
「彼…か。フッ、ハハッハハッハハッハハッハハッハハ!」
「はあ…。なるほど、『彼』なら納得行くな。」
「…」
「分かったよ。改めて、キング。私の事は道具とでもなんとでも思ってくれても構いません。ですが、私は道を外れることはしません。ここに、貴女への忠誠を誓います。」
「チュッ…」
エドは彼女の手をとり、爪先にキスをおとす。
何かのゲームで見たが、爪先へのキスは騎士の誓い?だそうだ。
「ふむ、別に君に守って欲しいわけではないのだが…良いだろう。」
「スピア、下がって。」
「はっ」
スピアは突然現れたのと同様。音も立てずにその場から消えていった。
「それとカイ。」
「っはい!」
カイはビクビクしながらキングの方へ目を向ける。
「あなたは…そうね。下働きは難しそうだからあなたは街の子供達と遊んであげなさい。皆あなたとちっとも遊べなくて残念そうだったから。」
「それくらいお安い御用です!( ´罒`*)✧」
カイは嬉しそうに街へ向かって走り出す。
「夜までには帰ってくるのですよ!」
「はーい!」
まるで親子のやり取りを見ているようだ。彼女は大人びて見えるだけなのだと思う。
「さて…暁人さん。お待たせしてしまい申し訳ございません。そして怖い目に合わせてしまった事を彼らの代わりに謝ります、大変ご迷惑をお掛けしてしまい申し訳ございません!」
この人が謝る必要なんてないのに…
そう思っていても、彼女の必死の意志を見ているとそう言う事が出来なかった。
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