無能な俺がこんな主人公みたいなことあるわけがない。
四章 14 『キャトル村救出戦 3』
「ふむ・・・そんな怖い顔で剣を向けないでくれよ。さっきも言っただろ?私は君の味方だと」
「そんな言葉をこの状況で鵜呑みにするわけないだろ。先ほどのやり取りを見てもお前とその狼人族と何かしらの関係があったのは明白だ。今回の騒動ととの関連性をまずは説明してもらおうか」
「やれやれ・・・まあ仕方ない。確かに、この狼人族と私は顔見知りだ。私がこの狼人族たちにこの村を襲うように仕向けさせたのだよ」
ネハンは淡々と悪びれる様子もなく話し始めた。
「それは一体何の目的の為にだ?」
「そんなのこの村にある魔装武具を手に入れるためさ。この村に代々受け継がれているとされている『神血の結晶』が施されている首飾りを手に入れるのが私の目的だったのさ」
「神血の結晶・・・?あの首飾りの名前か?」
アイズはシャムミルが身に着けていた首飾りを思い出し小さく呟いた。
「その表情、どうやら心当たりがあるようだね。神血の結晶はその名の通り神の生き血を結晶として造られた物なのだよ。だからその結晶には膨大な神の魔力が込められていると言われているんだ。まさかこんな辺鄙な村に存在していたとは驚いたけどね。私の目的はそれだけさ、手間を省くためにこの狼人族たちに手伝いをさせていただけだよ。これで納得してもらえたかな?」
「てめぇ・・・!そんなことに俺らを利用してやがったのか!!あの首飾りは猫人族が俺ら狼人族を滅ぼすために利用しているって話は嘘だったのかぁ!?」
ネハンの話を聞いていたジックが叫んだ。どうやらネハンにいい様に言いくるめられていた様子だ。
そんなジックを再び冷めきった目で見下すネハン。
「キャンキャンうるさい奴だな・・・そんなことはもうどうでもいいんだよ。結果的にお前らは失敗したんだ。お前らのような無能な集団は遅かれ早かれ滅びる運命だろ?それが少し早まっただけじゃないか。それよりも少しでも私の元で働けたことを光栄に思うことだな」
「このっ・・・・!くそったれがぁ!!」
ネハンの言葉にジックは激昂して片手、片足を駆使して這いずりながらネハンに牙を向け向かっていった。
「・・・っ!やめろっ!!」
その様子を見たアイズが制止した。
しかし間に合わなかった。
「飼い主に牙を向けるとは・・・躾がなってないな。お前のような奴にはもったいないが、私の力で引導を渡してやろう・・・地獄の業火ヘルフレイム!」
ネハンの唱えた魔法によりジックの全身は禍々しい黒い炎に包まれた。
「ぐおぉおおおお!!!」
ジックは苦痛の叫びともに炎に焼かれ息絶えた。ジックを焼いた炎は燻ぶっていていつまでもジックの死体を燃やしていた。
「ふんっ・・・獣の焼ける匂いは臭いな。生きていても死んでも私の気分を害しおって・・・ん?」
アイズが剣を振り払って生じた風によってジックを焼いていた炎を打ち消した。
アイズの起こした風は強く足元に生えていた雑草が吹き飛ばされるくらいだった。
「・・・弔いのつもりかい?こいつは君の敵だったのだろう?」
「確かに私の敵だった・・・だがこの男との戦いは本来は不必要だったものだったのだ。お前と言う存在がいなければなっ!」
アイズはネハンを鋭く睨みつけた。その声は怒りの感情を多く含んでいた。
「おやおや、そんな怖い顔で睨まないでくれよ。せっかくの綺麗な顔が台無しじゃないか?まあ女性の怒った顔も嫌いではないのだけど私はどっちかというと苦痛に歪んだ表情の方が好みなんだ。君はどんな風にその顔を歪めるのかな?楽しみだなぁ・・・」
さっきまで紳士のような振る舞いを見せていたが、下卑た笑みを見せるネハン。
「それがお前の本性か?どうやらお前には慈悲や情けは無用のようだな・・・お前のような屑はこの場で切り伏せてやるっ!」
「安心してよ・・・殺しはしないから。君は私のものになるんだからねぇ!!」
剣を構えたアイズ、一足飛びでネハンに近づき剣で斬りかかろうとした。しかしネハンに剣が届こうとした寸前で何かに気づいたアイズは剣を止め、ネハンから間合いを取るように離れた。
「おや?どうしたのかな?今のは完全に真っ二つに出来たはずだけど?」
「・・・なんだその力は?魔法障壁・・・ではないようだな」
「フフッ、さすがだね。コレに気づくなんて・・・」
そう言うとネハンの身の回りにいくつもの黒い人影のようなものが浮かび上がってきた。
「バレないように隠していたつもりだったんだけどねぇ・・・」
「禍々しい不快な魔力だ、隠していてもわかる者にはわかるはずだ」
「ふぅーん・・・それは改良の余地があるようだね。紹介しよう、これは私の分身でもあり私自身でもある影だよ。この影に触れるとどうなるか・・・・それは触れてからのお楽しみということで」
再び下卑た笑みを見せるネハン。
「・・・」
アイズは剣を構え一定の間合いを取っていた。
「ふふっ、剣士である君と私の相性は最高だよ!どんなに強かろうと剣が届かなければ君にはどうすることも出来ないだろう!?さあ遠慮せず思いっきり斬りかかってくるといい!楽園へと誘ってあげよう・・・」
ネハンはそう言いながらアイズの方へと近づいてきた。
「そんな言葉をこの状況で鵜呑みにするわけないだろ。先ほどのやり取りを見てもお前とその狼人族と何かしらの関係があったのは明白だ。今回の騒動ととの関連性をまずは説明してもらおうか」
「やれやれ・・・まあ仕方ない。確かに、この狼人族と私は顔見知りだ。私がこの狼人族たちにこの村を襲うように仕向けさせたのだよ」
ネハンは淡々と悪びれる様子もなく話し始めた。
「それは一体何の目的の為にだ?」
「そんなのこの村にある魔装武具を手に入れるためさ。この村に代々受け継がれているとされている『神血の結晶』が施されている首飾りを手に入れるのが私の目的だったのさ」
「神血の結晶・・・?あの首飾りの名前か?」
アイズはシャムミルが身に着けていた首飾りを思い出し小さく呟いた。
「その表情、どうやら心当たりがあるようだね。神血の結晶はその名の通り神の生き血を結晶として造られた物なのだよ。だからその結晶には膨大な神の魔力が込められていると言われているんだ。まさかこんな辺鄙な村に存在していたとは驚いたけどね。私の目的はそれだけさ、手間を省くためにこの狼人族たちに手伝いをさせていただけだよ。これで納得してもらえたかな?」
「てめぇ・・・!そんなことに俺らを利用してやがったのか!!あの首飾りは猫人族が俺ら狼人族を滅ぼすために利用しているって話は嘘だったのかぁ!?」
ネハンの話を聞いていたジックが叫んだ。どうやらネハンにいい様に言いくるめられていた様子だ。
そんなジックを再び冷めきった目で見下すネハン。
「キャンキャンうるさい奴だな・・・そんなことはもうどうでもいいんだよ。結果的にお前らは失敗したんだ。お前らのような無能な集団は遅かれ早かれ滅びる運命だろ?それが少し早まっただけじゃないか。それよりも少しでも私の元で働けたことを光栄に思うことだな」
「このっ・・・・!くそったれがぁ!!」
ネハンの言葉にジックは激昂して片手、片足を駆使して這いずりながらネハンに牙を向け向かっていった。
「・・・っ!やめろっ!!」
その様子を見たアイズが制止した。
しかし間に合わなかった。
「飼い主に牙を向けるとは・・・躾がなってないな。お前のような奴にはもったいないが、私の力で引導を渡してやろう・・・地獄の業火ヘルフレイム!」
ネハンの唱えた魔法によりジックの全身は禍々しい黒い炎に包まれた。
「ぐおぉおおおお!!!」
ジックは苦痛の叫びともに炎に焼かれ息絶えた。ジックを焼いた炎は燻ぶっていていつまでもジックの死体を燃やしていた。
「ふんっ・・・獣の焼ける匂いは臭いな。生きていても死んでも私の気分を害しおって・・・ん?」
アイズが剣を振り払って生じた風によってジックを焼いていた炎を打ち消した。
アイズの起こした風は強く足元に生えていた雑草が吹き飛ばされるくらいだった。
「・・・弔いのつもりかい?こいつは君の敵だったのだろう?」
「確かに私の敵だった・・・だがこの男との戦いは本来は不必要だったものだったのだ。お前と言う存在がいなければなっ!」
アイズはネハンを鋭く睨みつけた。その声は怒りの感情を多く含んでいた。
「おやおや、そんな怖い顔で睨まないでくれよ。せっかくの綺麗な顔が台無しじゃないか?まあ女性の怒った顔も嫌いではないのだけど私はどっちかというと苦痛に歪んだ表情の方が好みなんだ。君はどんな風にその顔を歪めるのかな?楽しみだなぁ・・・」
さっきまで紳士のような振る舞いを見せていたが、下卑た笑みを見せるネハン。
「それがお前の本性か?どうやらお前には慈悲や情けは無用のようだな・・・お前のような屑はこの場で切り伏せてやるっ!」
「安心してよ・・・殺しはしないから。君は私のものになるんだからねぇ!!」
剣を構えたアイズ、一足飛びでネハンに近づき剣で斬りかかろうとした。しかしネハンに剣が届こうとした寸前で何かに気づいたアイズは剣を止め、ネハンから間合いを取るように離れた。
「おや?どうしたのかな?今のは完全に真っ二つに出来たはずだけど?」
「・・・なんだその力は?魔法障壁・・・ではないようだな」
「フフッ、さすがだね。コレに気づくなんて・・・」
そう言うとネハンの身の回りにいくつもの黒い人影のようなものが浮かび上がってきた。
「バレないように隠していたつもりだったんだけどねぇ・・・」
「禍々しい不快な魔力だ、隠していてもわかる者にはわかるはずだ」
「ふぅーん・・・それは改良の余地があるようだね。紹介しよう、これは私の分身でもあり私自身でもある影だよ。この影に触れるとどうなるか・・・・それは触れてからのお楽しみということで」
再び下卑た笑みを見せるネハン。
「・・・」
アイズは剣を構え一定の間合いを取っていた。
「ふふっ、剣士である君と私の相性は最高だよ!どんなに強かろうと剣が届かなければ君にはどうすることも出来ないだろう!?さあ遠慮せず思いっきり斬りかかってくるといい!楽園へと誘ってあげよう・・・」
ネハンはそう言いながらアイズの方へと近づいてきた。
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