戦力より戦略。
黒歴史の塊
「本日は、お客様がいるということで、ちょっと張り切らせてみましたー」
ニコニコとお母さんが語るが、目の前に並んだ料理の数々はどう見ても量がおかしい。
今テーブルについている6人の量としては過剰が過ぎる。
「私達はメイドなのですが……」
「あらあら、ここではあなたたちもお客様よ? ぜひ、おもてなしさせてくださいな?」
そんなこんなで夕食だ。
ここで衝撃の事実。
寿司が上手い!
「お寿司はねー、夫が凄く気に入って、修行に行かせた子がいたのよー。帰ってきたらこんなに美味しいお寿司を握れるようになっていたわー」
日本でお寿司屋さんに弟子入りして、以後連絡がつかなくなってる人がいたらその人ここにいますね。
肌の色とかの問題はどう解決したのだろうか。
日焼けと言い張ったのかな?
というか、そいつ異世界転移してるじゃん。
俺と言い、そんなに簡単なものなのか?
「それでねー、リブレったらお餅を飛ばしてねー……」
「あらあら」
ある程度食事が進むと、リオンによる俺の黒歴史発表会が行われ出した。
あの時の俺はなんであんなことしたんだろうな?
餅を飛ばして人に降りかからせるとか、正気の沙汰じゃないんだが。
まぁ、いきなりこっちに来させられて動揺していたのだろう。
そういうことにしておこう。
「で、パパに連れ戻されたんだけど、そこでリブレがパパと喧嘩して……」
「あらあら」
自分の夫と俺が喧嘩したとか、それまでの話もずっと「あらあら」で聞いているお母さん。
聞く力が凄いな。
あるいは、娘の話を聞くのがただ楽しいのか。
家族とは、こうあるべきなのだろう。
俺にはなかったものなので、少し、羨ましくもある。
「ご主人様、閻魔大王様と喧嘩をなさっていたので……?」
「そして、こちらは閻魔大王様の奥様……?」
「バンフリオン様はそのお子様……?」
俺の武勇伝を熱心に聞いていたメイドたちだが、突如として公開された情報に理解が追い付いていない。
あれ?
その辺の説明してなかったっけ?
「大切なお客様としてしか知らされておりませんでしたので……。メイドごときにお客様の素性を説明するというのもおかしな話ではありますし……」
そう言われればそうかもしれない。
「まぁ、リオンはリオンだから。そんなに気にするな」
そう言って俺がまたこっちに来てからの話に移っているリオンを見やる。
初めて会った時には、明るいながらもほの暗い影が差していたような感情も、今では煌々と輝く太陽のように明るい。
俺のあれこれをほじくり返されるのはともかく、それで笑顔になってくれるなら、それでもいいのかもしれない。
ニコニコとお母さんが語るが、目の前に並んだ料理の数々はどう見ても量がおかしい。
今テーブルについている6人の量としては過剰が過ぎる。
「私達はメイドなのですが……」
「あらあら、ここではあなたたちもお客様よ? ぜひ、おもてなしさせてくださいな?」
そんなこんなで夕食だ。
ここで衝撃の事実。
寿司が上手い!
「お寿司はねー、夫が凄く気に入って、修行に行かせた子がいたのよー。帰ってきたらこんなに美味しいお寿司を握れるようになっていたわー」
日本でお寿司屋さんに弟子入りして、以後連絡がつかなくなってる人がいたらその人ここにいますね。
肌の色とかの問題はどう解決したのだろうか。
日焼けと言い張ったのかな?
というか、そいつ異世界転移してるじゃん。
俺と言い、そんなに簡単なものなのか?
「それでねー、リブレったらお餅を飛ばしてねー……」
「あらあら」
ある程度食事が進むと、リオンによる俺の黒歴史発表会が行われ出した。
あの時の俺はなんであんなことしたんだろうな?
餅を飛ばして人に降りかからせるとか、正気の沙汰じゃないんだが。
まぁ、いきなりこっちに来させられて動揺していたのだろう。
そういうことにしておこう。
「で、パパに連れ戻されたんだけど、そこでリブレがパパと喧嘩して……」
「あらあら」
自分の夫と俺が喧嘩したとか、それまでの話もずっと「あらあら」で聞いているお母さん。
聞く力が凄いな。
あるいは、娘の話を聞くのがただ楽しいのか。
家族とは、こうあるべきなのだろう。
俺にはなかったものなので、少し、羨ましくもある。
「ご主人様、閻魔大王様と喧嘩をなさっていたので……?」
「そして、こちらは閻魔大王様の奥様……?」
「バンフリオン様はそのお子様……?」
俺の武勇伝を熱心に聞いていたメイドたちだが、突如として公開された情報に理解が追い付いていない。
あれ?
その辺の説明してなかったっけ?
「大切なお客様としてしか知らされておりませんでしたので……。メイドごときにお客様の素性を説明するというのもおかしな話ではありますし……」
そう言われればそうかもしれない。
「まぁ、リオンはリオンだから。そんなに気にするな」
そう言って俺がまたこっちに来てからの話に移っているリオンを見やる。
初めて会った時には、明るいながらもほの暗い影が差していたような感情も、今では煌々と輝く太陽のように明るい。
俺のあれこれをほじくり返されるのはともかく、それで笑顔になってくれるなら、それでもいいのかもしれない。
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