戦力より戦略。
300話記念幕間 ~女子会~
「たまにはこういう日も必要ですかね……」
幻想級との戦いが迫り、全員が休息をとっている日。
僕たちはマレイユ様に集められました。
なんでも、女性だけで話す機会が欲しかったとのこと。
参加者は、僕、マレイユ様、ルーリア様、エルメさん、ハンネさん、エイグさん、そしてプリンセちゃんの7人です。
「なんで集められたのでしょうか?」
「特にはありませんよ? 親睦を深めたいと思っただけです」
マレイユ様が優雅に紅茶を飲んでいます。
この前、ルーリア様が飲んでいるのを見ましたが、カップの持ち方が全く一緒です。
親子ですね。
「ただ、リブレ様に聞きましたが、女子が集まるとしなければならないことがあるそうですわ。なんでも、『恋バナ』というものをするらしいですわ」
「それはなんなの?」
「互いの恋について赤裸々に語るものだとか。どこまで話すかは本人の裁量次第だと言ってましたが……」
ルーリア様に対しても言葉遣いの変わらないエルメさん、流石です。
しかし、リブレさんは姫に対してなにを教えているのでしょうか。
帰ったら他にも変なことを教えていないか問い詰める必要がありそうです。
「じゃあ、まずはマレイユ様じゃない? なんたって、唯一の既婚者だし」
エルメさんの怖いもの知らずなところは周りを怖がらせることに定評があります。
現に、僕とエイグさんは怯えています。
初手でマレイユ様に話を振るとは……。
「そうですねぇ……」
話をしてくれそうじゃないですか!
「私と王の出会いは俗に言う恋愛のようなものではありませんでした。結局、お見合いのようなものでしたから。ただ、最初から好印象だったと思います。戦で猛威を振るったということだけ聞いていましたから、粗雑な人を想像していましたからね。一度会った後はそれなりに楽しかったですよ。身分を考えて皆様で言うデートのようなことはできませんでしたが、城を案内してもらった時は純粋にこの人となら一緒になってもいいのかもと思いましたね」
深い……、深いです……!
年季が違います……!
僕たちには及びもつかないものです……!
「エルメはどうなのですか? ケインなどどうです?」
「ないわ」
バッサリ斬り捨てますね……。
「残念ながら、私にはそういう話はないわね。残念ながら」
大事なことなので2度言いましたね……。
「エイグはどうなの?」
「え、私ですか!? 私は……」
聞くまでもないですね。
「キラ様が……」
「あぁ、そうだったわね。進捗はあったの?」
「……」
赤面して黙り込むエイグさん。
キラさんのことですから、何もないのでしょうけど、自覚無しに何かしてるんでしょうね……。
「ルーリアはどうなの?」
「わたくしにはまだ縁談などの話はありませんが……」
マレイユ様の方を見るルーリア様。
「ルーリアにはしっかり人生経験を積んでからいい人を選んでもらいたいと思っています。王は泣きわめくでしょうが、私がなんとかしますので」
「ということで、残りはレインさんとプリンセさんだけですわ」
遂に来ました。
「ね、レインはリブレと付き合ってるんだよね? どんな感じなの?」
「え、えーと……」
あれ?
思い返してみれば、付き合う前の方が服を買って貰ったり、恋人らしいことをしていた気がします。
「特にこれといって話すことはないですかね……」
「え、それ本当? 付き合って1か月くらいじゃないの?」
「そうですけど……」
「もっと甘えてもいいんだよ? 私の見たところ、あいつは自分からいくのは苦手みたいだからね。積極的にいかなきゃ」
「なるほど……」
勉強になります。
こ、今度、自分からハグしてみましょうか……。
「ちなみに、プリンセちゃんはどうなの?」
「……?」
「好きな人とか、いる?」
「……リブレさん」
くっ!
知ってはいましたが、言葉にされると妙に危機感を覚えますね……。
「結婚したい?」
「……ん、でも、レインさんのだから……」
そこはわかってるのですか……。
「……わたしは、あいじんで……」
「そんな言葉どこで覚えてくるんですかー!?」
不穏な事言ってる人がいます!
幻想級との戦いが迫り、全員が休息をとっている日。
僕たちはマレイユ様に集められました。
なんでも、女性だけで話す機会が欲しかったとのこと。
参加者は、僕、マレイユ様、ルーリア様、エルメさん、ハンネさん、エイグさん、そしてプリンセちゃんの7人です。
「なんで集められたのでしょうか?」
「特にはありませんよ? 親睦を深めたいと思っただけです」
マレイユ様が優雅に紅茶を飲んでいます。
この前、ルーリア様が飲んでいるのを見ましたが、カップの持ち方が全く一緒です。
親子ですね。
「ただ、リブレ様に聞きましたが、女子が集まるとしなければならないことがあるそうですわ。なんでも、『恋バナ』というものをするらしいですわ」
「それはなんなの?」
「互いの恋について赤裸々に語るものだとか。どこまで話すかは本人の裁量次第だと言ってましたが……」
ルーリア様に対しても言葉遣いの変わらないエルメさん、流石です。
しかし、リブレさんは姫に対してなにを教えているのでしょうか。
帰ったら他にも変なことを教えていないか問い詰める必要がありそうです。
「じゃあ、まずはマレイユ様じゃない? なんたって、唯一の既婚者だし」
エルメさんの怖いもの知らずなところは周りを怖がらせることに定評があります。
現に、僕とエイグさんは怯えています。
初手でマレイユ様に話を振るとは……。
「そうですねぇ……」
話をしてくれそうじゃないですか!
「私と王の出会いは俗に言う恋愛のようなものではありませんでした。結局、お見合いのようなものでしたから。ただ、最初から好印象だったと思います。戦で猛威を振るったということだけ聞いていましたから、粗雑な人を想像していましたからね。一度会った後はそれなりに楽しかったですよ。身分を考えて皆様で言うデートのようなことはできませんでしたが、城を案内してもらった時は純粋にこの人となら一緒になってもいいのかもと思いましたね」
深い……、深いです……!
年季が違います……!
僕たちには及びもつかないものです……!
「エルメはどうなのですか? ケインなどどうです?」
「ないわ」
バッサリ斬り捨てますね……。
「残念ながら、私にはそういう話はないわね。残念ながら」
大事なことなので2度言いましたね……。
「エイグはどうなの?」
「え、私ですか!? 私は……」
聞くまでもないですね。
「キラ様が……」
「あぁ、そうだったわね。進捗はあったの?」
「……」
赤面して黙り込むエイグさん。
キラさんのことですから、何もないのでしょうけど、自覚無しに何かしてるんでしょうね……。
「ルーリアはどうなの?」
「わたくしにはまだ縁談などの話はありませんが……」
マレイユ様の方を見るルーリア様。
「ルーリアにはしっかり人生経験を積んでからいい人を選んでもらいたいと思っています。王は泣きわめくでしょうが、私がなんとかしますので」
「ということで、残りはレインさんとプリンセさんだけですわ」
遂に来ました。
「ね、レインはリブレと付き合ってるんだよね? どんな感じなの?」
「え、えーと……」
あれ?
思い返してみれば、付き合う前の方が服を買って貰ったり、恋人らしいことをしていた気がします。
「特にこれといって話すことはないですかね……」
「え、それ本当? 付き合って1か月くらいじゃないの?」
「そうですけど……」
「もっと甘えてもいいんだよ? 私の見たところ、あいつは自分からいくのは苦手みたいだからね。積極的にいかなきゃ」
「なるほど……」
勉強になります。
こ、今度、自分からハグしてみましょうか……。
「ちなみに、プリンセちゃんはどうなの?」
「……?」
「好きな人とか、いる?」
「……リブレさん」
くっ!
知ってはいましたが、言葉にされると妙に危機感を覚えますね……。
「結婚したい?」
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