戦力より戦略。
虎はけっこう万能です
「……行くよ」
「来い」
脚力では人間の姿でもアミラの方が上回っているはず。
さて、どうするのか。
ダンッ!
プリンセの一瞬の早さも中々のものなのだが、チーター族のアミラには及ぶべくもない。
チーターが優れているのはその一瞬の早さである。
普通のチーターなら時速90キロにもなる。
動き始めておよそ2秒で時速70キロだ。
ただ、欠点となるのは持続力がないこと。
トップスピードで走れるのは、10秒から20秒程度だし、距離的には300から400メートル程しか走れない。
そこを上手くつければいいと思うんだけど……。
プリンセがポンポン突っ込むのをアミラがするする避けている感じだ。
この感じではどうにも捕まえられそうにない。
「プリンセ、直線じゃダメだ。もうちょっと頭を使え」
「……ん」
そもそもプリンセはスペックが高いのだ。
俺みたいに工夫を凝らしまくってやっと対等というわけではない。
ほんとにちょっとの工夫でいいはずなのだ。
鬼ごっこって鬼が有利なわけだし。
逃げる側は何もできず、逃げるだけなのに対し、鬼はどこかに触れるだけで勝利なのだ。
まぁ、この世界では魔法による妨害があるから一概に有利とは言えないけど。
トンッ。
トンッ。
プリンセが周りの家を使って三次元的に動き始める。
チーターは平面で圧倒的な強さを誇る。
虎はそういった得意不得意はない。
木の上に登ることも出来るし、海を泳いで島と島の間を渡ることも出来る。
後半部分は蛇足だが、要するに三次元的な動きなら虎の方が上手なのだ。
家から家へ壁を渡ってアミラを翻弄する。
アミラはとりあえず距離をとろうとするが、行きたい場所に人間の冒険者がいて、思うように動けない。
そうこうするうちに追い詰められ、プリンセにタッチされてしまった。
「くそ……」
「……やったー」
「よしよし、よくやったぞー」
プリンセを撫でながらアミラにアドバイスをする。
「身体能力に頼りすぎだな。獣人族の身体能力が凄いのは否定しないどころか大きなアドバンテージだとは思うが、魔法も使えばもっとその優位は拡大するだろ? プリンセはまだ練習中だからともかく、アミラならある程度は使えるはずだ」
「そうだな、自分の方が速いと高をくくっていたのかもしれん」
いくら速くても序盤は自由に動けないからな。
互いの実力がわかっている状態では速い奴から捕まえていくのが定石だ。
小学校のクラスでする鬼ごっことかが典型的だな。
ちなみにプリンセとアミラが追いかけっこしていた間の俺もサボっていたわけではない。
2人が動き回ることによって動きを阻害された人たちを捕まえていた。
えっと、冒険者と兵士が84人で、獣人族が大体200くらいだから……。
で、俺たちが17人捕まえていて、キラとレインも同じくらい捕まえてるとすると……。
あと250?
エグイ。
そりゃそうか。
前まで俺は1:4だったのに、今は4:300くらいなわけだからな。
4人になったからまぁいけるかなとか思ってた俺はアホだな。
「来い」
脚力では人間の姿でもアミラの方が上回っているはず。
さて、どうするのか。
ダンッ!
プリンセの一瞬の早さも中々のものなのだが、チーター族のアミラには及ぶべくもない。
チーターが優れているのはその一瞬の早さである。
普通のチーターなら時速90キロにもなる。
動き始めておよそ2秒で時速70キロだ。
ただ、欠点となるのは持続力がないこと。
トップスピードで走れるのは、10秒から20秒程度だし、距離的には300から400メートル程しか走れない。
そこを上手くつければいいと思うんだけど……。
プリンセがポンポン突っ込むのをアミラがするする避けている感じだ。
この感じではどうにも捕まえられそうにない。
「プリンセ、直線じゃダメだ。もうちょっと頭を使え」
「……ん」
そもそもプリンセはスペックが高いのだ。
俺みたいに工夫を凝らしまくってやっと対等というわけではない。
ほんとにちょっとの工夫でいいはずなのだ。
鬼ごっこって鬼が有利なわけだし。
逃げる側は何もできず、逃げるだけなのに対し、鬼はどこかに触れるだけで勝利なのだ。
まぁ、この世界では魔法による妨害があるから一概に有利とは言えないけど。
トンッ。
トンッ。
プリンセが周りの家を使って三次元的に動き始める。
チーターは平面で圧倒的な強さを誇る。
虎はそういった得意不得意はない。
木の上に登ることも出来るし、海を泳いで島と島の間を渡ることも出来る。
後半部分は蛇足だが、要するに三次元的な動きなら虎の方が上手なのだ。
家から家へ壁を渡ってアミラを翻弄する。
アミラはとりあえず距離をとろうとするが、行きたい場所に人間の冒険者がいて、思うように動けない。
そうこうするうちに追い詰められ、プリンセにタッチされてしまった。
「くそ……」
「……やったー」
「よしよし、よくやったぞー」
プリンセを撫でながらアミラにアドバイスをする。
「身体能力に頼りすぎだな。獣人族の身体能力が凄いのは否定しないどころか大きなアドバンテージだとは思うが、魔法も使えばもっとその優位は拡大するだろ? プリンセはまだ練習中だからともかく、アミラならある程度は使えるはずだ」
「そうだな、自分の方が速いと高をくくっていたのかもしれん」
いくら速くても序盤は自由に動けないからな。
互いの実力がわかっている状態では速い奴から捕まえていくのが定石だ。
小学校のクラスでする鬼ごっことかが典型的だな。
ちなみにプリンセとアミラが追いかけっこしていた間の俺もサボっていたわけではない。
2人が動き回ることによって動きを阻害された人たちを捕まえていた。
えっと、冒険者と兵士が84人で、獣人族が大体200くらいだから……。
で、俺たちが17人捕まえていて、キラとレインも同じくらい捕まえてるとすると……。
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