戦力より戦略。
地形図は立体的に
山を避ける理由ってなんだ?
えっと……。
浮かばなっ!?
え、なに!?
エネミーがわざわざ山を避ける理由なんてある?
あいつらに知性がなくて、本能だけで動いていると仮定すると、山に何らかの忌避感がある。
え、そうだと仮定しても何も浮かばないんだが。
精々が「山を登れないから」くらいなんだが。
なんだそれ。
ま、いいか。
ルートがわかってるなら、それだけでもやりやすい。
「言われてみれば、確かにそうですね。平面図なのでわかりませんでした」
「あぁ、今のうちにジオラマみたいなのを作っとくといいかもな」
「ジオラマ?」
お、この言葉はないか。
「簡単に言えば、周りの地形を立体的にした地図みたいなもんだな。それがあればいざという時も簡単に地形がわかる。作っておいて損はないと思うぞ」
「そのような物があるのか。確かに有用なのは疑うべくもないな。よし、研究班に打診してこよう」
タンドルが部屋を出ていく。
「さて、まあまあ長居したな。そろそろエルフの長も帰ったころかな。行ってみよう」
今度はしっかり中の様子を確認してから行こう。
道中にも注意だな。
道で鉢合わせとかしないようにしなくては。
廊下とかでばったり出くわすとか地獄だぞ。
というわけで杖に戻りたがらないオーシリアを抱えてそろそろと廊下を進む。
「わしは自分で歩けるのじゃ!」とかなんとかごねたが、
「今度は俺のどこを攻撃するつもりだ? あ? 腰か?」と凄んだら大人しく引き下がった。
まじでこいつ戦闘時には役立つくせに隠密行動とかになると途端に役立たずどころか足引っ張りやがるからな。
絶対に一人で動かしてはならない。
これは歴史が、というかここ2週間くらいの結果が示している。
「!」
角で曲がろうとした方にスルー・アイの視線を向けると、向こうから歩いてきているエルフの長を見つける。
すすすすすーと後ずさりし、次の角に身を隠す。
周りを見れば、会談の席には同席していなかった従者たちも付いてまわっている。
「所詮、王と言っても人間。てんで役に立ちませんでしたね」
「……そういうことを言うものではないぞ」
「しかし、事実ではないですか。未だに犯人の目星も付いていないとは。国王が聞いて呆れます」
「ふむ、確かになぁ……」
「でしょう?」
あー、あれはヤバいかもな。
従者は自分の意見を認められたと思って嬉しがっているようだが、長が抱いている感情は{疑心}。
今の会話の中で疑うことがあるとすれば、犯人の目星は本当についていないのかというところだろう。
まずいな。
俺たちの可能性にいきつくのもそう遠くはないかもしれん。
逆側に歩いて行ったので俺たちは改めて謁見の間に向かう。
「よう、王様。どんな話し合いだった?」
「そう意味のあったものでもないぞ。で、お主はなぜここに?」
「いや、現状を聞いておこうかなと思って」
「そうか。しかし、特筆するような事項はないのじゃが……」
「大変だよ!!」
俺たちが話していると、ドアをぶち破る勢いでハンネが入ってきた。
「リブレ君もいた! ちょうどいい! 一緒に聞いてくれ!」
ハンネが慌てているのは初めて見るかもだな。
なにがあった?
えっと……。
浮かばなっ!?
え、なに!?
エネミーがわざわざ山を避ける理由なんてある?
あいつらに知性がなくて、本能だけで動いていると仮定すると、山に何らかの忌避感がある。
え、そうだと仮定しても何も浮かばないんだが。
精々が「山を登れないから」くらいなんだが。
なんだそれ。
ま、いいか。
ルートがわかってるなら、それだけでもやりやすい。
「言われてみれば、確かにそうですね。平面図なのでわかりませんでした」
「あぁ、今のうちにジオラマみたいなのを作っとくといいかもな」
「ジオラマ?」
お、この言葉はないか。
「簡単に言えば、周りの地形を立体的にした地図みたいなもんだな。それがあればいざという時も簡単に地形がわかる。作っておいて損はないと思うぞ」
「そのような物があるのか。確かに有用なのは疑うべくもないな。よし、研究班に打診してこよう」
タンドルが部屋を出ていく。
「さて、まあまあ長居したな。そろそろエルフの長も帰ったころかな。行ってみよう」
今度はしっかり中の様子を確認してから行こう。
道中にも注意だな。
道で鉢合わせとかしないようにしなくては。
廊下とかでばったり出くわすとか地獄だぞ。
というわけで杖に戻りたがらないオーシリアを抱えてそろそろと廊下を進む。
「わしは自分で歩けるのじゃ!」とかなんとかごねたが、
「今度は俺のどこを攻撃するつもりだ? あ? 腰か?」と凄んだら大人しく引き下がった。
まじでこいつ戦闘時には役立つくせに隠密行動とかになると途端に役立たずどころか足引っ張りやがるからな。
絶対に一人で動かしてはならない。
これは歴史が、というかここ2週間くらいの結果が示している。
「!」
角で曲がろうとした方にスルー・アイの視線を向けると、向こうから歩いてきているエルフの長を見つける。
すすすすすーと後ずさりし、次の角に身を隠す。
周りを見れば、会談の席には同席していなかった従者たちも付いてまわっている。
「所詮、王と言っても人間。てんで役に立ちませんでしたね」
「……そういうことを言うものではないぞ」
「しかし、事実ではないですか。未だに犯人の目星も付いていないとは。国王が聞いて呆れます」
「ふむ、確かになぁ……」
「でしょう?」
あー、あれはヤバいかもな。
従者は自分の意見を認められたと思って嬉しがっているようだが、長が抱いている感情は{疑心}。
今の会話の中で疑うことがあるとすれば、犯人の目星は本当についていないのかというところだろう。
まずいな。
俺たちの可能性にいきつくのもそう遠くはないかもしれん。
逆側に歩いて行ったので俺たちは改めて謁見の間に向かう。
「よう、王様。どんな話し合いだった?」
「そう意味のあったものでもないぞ。で、お主はなぜここに?」
「いや、現状を聞いておこうかなと思って」
「そうか。しかし、特筆するような事項はないのじゃが……」
「大変だよ!!」
俺たちが話していると、ドアをぶち破る勢いでハンネが入ってきた。
「リブレ君もいた! ちょうどいい! 一緒に聞いてくれ!」
ハンネが慌てているのは初めて見るかもだな。
なにがあった?
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