戦力より戦略。
久しぶりだと会話が弾む
なんと俺たちを捕縛するために壁をぶち破ってきたのは、前とは違って白と青を基調としたドレスに身を包んだレインだった。
「キラ、頼んだ」
「ありがとう、大丈夫なのかい?」
「お前が戻ってくるまではなんとか耐えてみるけど、死んでたらごめん」
キラに俺が着ていたが、休む際に布団にしていたローブを渡す。
短いやり取りの後、キラはローブのフードを深く被ってから姿を消す。
「逃がしませんよ、キラさん!」
「させるか!」
レインの横を文字通り目にもとまらぬ速さで通り抜けようとするキラを止めるためにレインが闇魔法を大きく広げるが、その一部を小太刀で斬って消す。
「逃げるよ!」
「キ、キラ様……」
捕まってから激しく抵抗したのだろう。
かなりボロボロのエイグをキラが背負い、再び姿を消す。
ああなればもうキラは捕まらないだろう。
「いつのまにそんないいものを手に入れたんです? リブレさん」
「ちょっと魔界に行ってた時にな」
キラを逃がしてしまったのを確認したレインは俺に集中するようにこちらに視線を戻す。
「そういうレインもヒラヒラのドレスなんか着ちゃって。いつの間にそんな偉くなったんだ?」
「これは僕も不本意なんですよ!」
不本意なのかよ。
こういう会話してると前に戻ったみたいだな。
「そんなことはいいんですよ! リブレさんとはもう口きかないって決めたんでした! で、謎の侵入者さん。ここがどこかおわかりで?」
「それ言ったら意味ないだろ!? しかも謎の侵入者さんって何!? 俺がいなくなってたのには理由があるんだ! せめてそれだけでも聞いてくれ!」
「聞く耳持ちません! ダーク・フロア!」
レインの足元から闇が拡がり、こちらに迫る。
「主!」
オーシリアがステッド・ファストで拡がりを抑える。
しかし、ステッド・ファストごと闇に飲まれていく。
「ふっ!」
俺が地面に小太刀を突き刺して魔法を消す。
それにしても、今まで魔法に対して無敵に近かったステッド・ファストが破られたな。
闇魔法には相性が悪いらしい。
「なるほど、それが侵入者さんの杖ですか! また誰かちっちゃな子をだまして連れてきたのかと思いましたが!」
「やけに呑み込みが早いな! 侵入者になんでさん付けするんだ! しかもなんで侵入者のが杖だってわかるんだよ! またとか言ってるしな! 侵入者とか言ってる割に細部の詰めが甘いんだよ! あと騙すってなに!」
この言い合いの間にもレインのほとんどの魔法をオーシリアが、闇魔法と止め漏らしを俺が処理する。
「俺の二つ名の能力だけ知ってて俺たちは知らないってのは不公平じゃないですかねぇ!」
「そういうの利用するのがリブレさんでしょうが!」
鋭い。
しかももう侵入者さんとか言うの諦めてるし。
「そこをなんとか! 【魔妖精】様!」
「その二つ名恥ずかしいんですからやめてくださいよ!」
恥ずかしいんだ。
まぁ、二つ名なんてそんなもんか。
どうにか糸口を見つけられないかと口論してるとエイグを押さえつけてたエルフ達の中から一人が叫ぶ。
「馬鹿め! レイン様は数少ない上位二つ名の持ち主だぞ! お前みたいな人間なんかに敵うわけないんだ!」
「いや、お前がばらすんかい!」
「キラ、頼んだ」
「ありがとう、大丈夫なのかい?」
「お前が戻ってくるまではなんとか耐えてみるけど、死んでたらごめん」
キラに俺が着ていたが、休む際に布団にしていたローブを渡す。
短いやり取りの後、キラはローブのフードを深く被ってから姿を消す。
「逃がしませんよ、キラさん!」
「させるか!」
レインの横を文字通り目にもとまらぬ速さで通り抜けようとするキラを止めるためにレインが闇魔法を大きく広げるが、その一部を小太刀で斬って消す。
「逃げるよ!」
「キ、キラ様……」
捕まってから激しく抵抗したのだろう。
かなりボロボロのエイグをキラが背負い、再び姿を消す。
ああなればもうキラは捕まらないだろう。
「いつのまにそんないいものを手に入れたんです? リブレさん」
「ちょっと魔界に行ってた時にな」
キラを逃がしてしまったのを確認したレインは俺に集中するようにこちらに視線を戻す。
「そういうレインもヒラヒラのドレスなんか着ちゃって。いつの間にそんな偉くなったんだ?」
「これは僕も不本意なんですよ!」
不本意なのかよ。
こういう会話してると前に戻ったみたいだな。
「そんなことはいいんですよ! リブレさんとはもう口きかないって決めたんでした! で、謎の侵入者さん。ここがどこかおわかりで?」
「それ言ったら意味ないだろ!? しかも謎の侵入者さんって何!? 俺がいなくなってたのには理由があるんだ! せめてそれだけでも聞いてくれ!」
「聞く耳持ちません! ダーク・フロア!」
レインの足元から闇が拡がり、こちらに迫る。
「主!」
オーシリアがステッド・ファストで拡がりを抑える。
しかし、ステッド・ファストごと闇に飲まれていく。
「ふっ!」
俺が地面に小太刀を突き刺して魔法を消す。
それにしても、今まで魔法に対して無敵に近かったステッド・ファストが破られたな。
闇魔法には相性が悪いらしい。
「なるほど、それが侵入者さんの杖ですか! また誰かちっちゃな子をだまして連れてきたのかと思いましたが!」
「やけに呑み込みが早いな! 侵入者になんでさん付けするんだ! しかもなんで侵入者のが杖だってわかるんだよ! またとか言ってるしな! 侵入者とか言ってる割に細部の詰めが甘いんだよ! あと騙すってなに!」
この言い合いの間にもレインのほとんどの魔法をオーシリアが、闇魔法と止め漏らしを俺が処理する。
「俺の二つ名の能力だけ知ってて俺たちは知らないってのは不公平じゃないですかねぇ!」
「そういうの利用するのがリブレさんでしょうが!」
鋭い。
しかももう侵入者さんとか言うの諦めてるし。
「そこをなんとか! 【魔妖精】様!」
「その二つ名恥ずかしいんですからやめてくださいよ!」
恥ずかしいんだ。
まぁ、二つ名なんてそんなもんか。
どうにか糸口を見つけられないかと口論してるとエイグを押さえつけてたエルフ達の中から一人が叫ぶ。
「馬鹿め! レイン様は数少ない上位二つ名の持ち主だぞ! お前みたいな人間なんかに敵うわけないんだ!」
「いや、お前がばらすんかい!」
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