戦力より戦略。
宝物の管理ってどうなってたんだろうね
王国へ帰る馬車の中。
「リブレさん、プリンセさんは隠してたほうがいいんじゃないんですか? 一応攻めてきてる国のヒトなわけですし。余計な厄介ごとを呼び込むことになるかもしれませんよ?」
確かにな。
「じゃあ、プリンセは俺とレインから離れるなよ。他の人にいきなり襲われたくはないだろ?」
「わかった」
コクリ。
プリンセが頷く。
「で、これも被っといてくれるか?」
レインのフード付きローブを被せる。
「あー、こうなんのか」
フードの上から耳の形が浮き上がってしまっている。
そりゃそうか。
よくあるゲームとかだとこういうので誤魔化せるものなんだけど……。
「キラ、これでいけると思うか?」
「いやー、無理なんじゃないかな? 流石に」
だよなぁ。
ちなみにキラはプリンセを気遣って馬車の横を並走するように走っている。
そういうとこが怖がらせる原因だって……。
普通の人間はそんな速さでそんな余裕そうに馬車についてこれないんだよ。
さて、耳はどうしようもないもんな。
どうやって隠そうか。
「キラ、この国の宝物ってどんな形で保管してる?」
「え? そうだね、宝箱とかにいれて宝物庫にあるんじゃなかったかな。いくらリブレ君でも宝物庫にははいれないよ?」
しねーよ。
「そういうのに触れられるのってある程度偉くて、王様に信頼されてるやつだよな」
「そうなるね」
よし。
ガラゴロガラゴロ。
馬車ごと王城に帰る。
「お疲れ様です! キラ様! ケイン様!」
「うん、お疲れ様。ちょっといいもの拾ったから宝物庫に入れたいんだ。空の宝箱持ってきてもらっていいかな」
「はい! 承知しました!」
新米君たちが走り去っていく。
「ほんとにそんなことするんですか?」
「しょうがないだろ? これしか思いつかなかったんだから」
そう、プリンセには宝箱のなかに身を潜めてもらい、人目のつかないところまで運び込むのだ。
「リブレさんの作戦って他にもっとやるようあるだろっていうの多いですよね」
「仕方ないだろ?」
思いつかないんだから。
「プリンセ、入れるか?」
「うん、だいじょうぶ」
クルっと丸くなり、箱の中に納まる。
おぉ。
凄いな。
「じゃあ、ケイン運んでもらえるか」
「任せろ! そのための筋肉よ!」
いやそのためではないだろ。
「おぉ、戻ったか。お前たち!」
予め人払いしてもらっていた玉座の間に行く。
「して、首尾はどうじゃ?」
「一応、虎族の方々には帰っていただいたよ。詳細は面倒だから省くけど」
「そこ省いていいんですか」
「キラ、どうじゃ?」
「そうですね。すぐに攻めてくるということもないでしょうし大丈夫かと思います」
「ふむ。キラが言うなら間違いないじゃろう」
俺信用ないな!?
「ところで、ケインが抱えておるその箱の中身はなんじゃ?」
あ、忘れてた。
ケインが箱を置き、ふたを開けると、プリンセがひょこっと出てくる。
「なっ!? 虎族!!」
一気に王様とルーリアが警戒態勢に入る。
マレイユさんは平然としている。
「あなたたちしっかりしなさい。彼らが連れてきているのだから、安全性は極めて高いでしょう」
「いや、それはそうなんじゃが……」
「王として相応しい立ち振る舞いを致しなさい」
ぐぅの音もでない王様。
可哀想に。
「えっと、彼女はプリンセ。一応は捕虜だが、こちらが相手方を傷つけないことを条件に味方をしてくれるそうです」
「がんばる」
「そなたのことじゃからわかっていないことはないじゃろうが、それが極めて難しいということは承知しておろうな?」
「もちろん」
最も険しい道だろうな。
「リブレさん、プリンセさんは隠してたほうがいいんじゃないんですか? 一応攻めてきてる国のヒトなわけですし。余計な厄介ごとを呼び込むことになるかもしれませんよ?」
確かにな。
「じゃあ、プリンセは俺とレインから離れるなよ。他の人にいきなり襲われたくはないだろ?」
「わかった」
コクリ。
プリンセが頷く。
「で、これも被っといてくれるか?」
レインのフード付きローブを被せる。
「あー、こうなんのか」
フードの上から耳の形が浮き上がってしまっている。
そりゃそうか。
よくあるゲームとかだとこういうので誤魔化せるものなんだけど……。
「キラ、これでいけると思うか?」
「いやー、無理なんじゃないかな? 流石に」
だよなぁ。
ちなみにキラはプリンセを気遣って馬車の横を並走するように走っている。
そういうとこが怖がらせる原因だって……。
普通の人間はそんな速さでそんな余裕そうに馬車についてこれないんだよ。
さて、耳はどうしようもないもんな。
どうやって隠そうか。
「キラ、この国の宝物ってどんな形で保管してる?」
「え? そうだね、宝箱とかにいれて宝物庫にあるんじゃなかったかな。いくらリブレ君でも宝物庫にははいれないよ?」
しねーよ。
「そういうのに触れられるのってある程度偉くて、王様に信頼されてるやつだよな」
「そうなるね」
よし。
ガラゴロガラゴロ。
馬車ごと王城に帰る。
「お疲れ様です! キラ様! ケイン様!」
「うん、お疲れ様。ちょっといいもの拾ったから宝物庫に入れたいんだ。空の宝箱持ってきてもらっていいかな」
「はい! 承知しました!」
新米君たちが走り去っていく。
「ほんとにそんなことするんですか?」
「しょうがないだろ? これしか思いつかなかったんだから」
そう、プリンセには宝箱のなかに身を潜めてもらい、人目のつかないところまで運び込むのだ。
「リブレさんの作戦って他にもっとやるようあるだろっていうの多いですよね」
「仕方ないだろ?」
思いつかないんだから。
「プリンセ、入れるか?」
「うん、だいじょうぶ」
クルっと丸くなり、箱の中に納まる。
おぉ。
凄いな。
「じゃあ、ケイン運んでもらえるか」
「任せろ! そのための筋肉よ!」
いやそのためではないだろ。
「おぉ、戻ったか。お前たち!」
予め人払いしてもらっていた玉座の間に行く。
「して、首尾はどうじゃ?」
「一応、虎族の方々には帰っていただいたよ。詳細は面倒だから省くけど」
「そこ省いていいんですか」
「キラ、どうじゃ?」
「そうですね。すぐに攻めてくるということもないでしょうし大丈夫かと思います」
「ふむ。キラが言うなら間違いないじゃろう」
俺信用ないな!?
「ところで、ケインが抱えておるその箱の中身はなんじゃ?」
あ、忘れてた。
ケインが箱を置き、ふたを開けると、プリンセがひょこっと出てくる。
「なっ!? 虎族!!」
一気に王様とルーリアが警戒態勢に入る。
マレイユさんは平然としている。
「あなたたちしっかりしなさい。彼らが連れてきているのだから、安全性は極めて高いでしょう」
「いや、それはそうなんじゃが……」
「王として相応しい立ち振る舞いを致しなさい」
ぐぅの音もでない王様。
可哀想に。
「えっと、彼女はプリンセ。一応は捕虜だが、こちらが相手方を傷つけないことを条件に味方をしてくれるそうです」
「がんばる」
「そなたのことじゃからわかっていないことはないじゃろうが、それが極めて難しいということは承知しておろうな?」
「もちろん」
最も険しい道だろうな。
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