戦力より戦略。
可能性がないと逆にやることがすぐに決まったりするよね
「なんで絶望的な顔してるんですか! すごい名誉なことじゃないですか!」
おい、レイン……。
「なぁ、俺のレベル覚えてるよな……」
「はい! 2ですよね!」
いい笑顔で言うな……。
「つまりだな? そこら辺の強い奴から見たら、自分の上にくそ雑魚が降ってわいたような話なんだぞ? その二つ名の名付けのシステムは知らねーけど、少なくとも自分より上の奴を倒すことがマイナスに働くことはないだろう。ってことはだ。大した実力もない俺はこれから暗殺に怯える日々を過ごさなきゃならないわけだ」
「あ、そうですね……」
レインもやっとことの重大さに気づいたのか顔を曇らせる。
「家が荒らされるかもですもんね……」
いや俺は!?
-そうですね。ですがあなたが二つ名を得るのはここにいる人間しか知りません。よってここにいるものが口外しなければ広まりはしないでしょうー
ほんとか!
「お前らわかってるよな? 俺は平穏な生活を送りたいんだよ。わかるな?」
よっぽど俺が鬼気迫った表情をしていたのか全員、王様も含めてこくこく頷く。
「よし」
これで命の危険は多少減ったか……。
「で、なんか能力を二つ貰えるんだよな?」
-その通りです。二つ名に関するものであればー
ここで俺は思いついてしまった。
狙われるならやられても殺られないようにすればいいんじゃん!
「じゃあ、身体防御は?」
-不可能ですー
「じゃ、じゃあ物理攻撃耐性は?」
-不可能ですー
「じゃあ、えーと、物理攻撃力アップは? 経験値効率アップは? 攻撃魔法取得は?」
-不可能ですー
あ、終わった。
俺の強キャラ化はどうしてもできないらしい。
あれ? なんか涙が……。
「なんか……。ご愁傷さまです」
「ここまでくると凄いね。こんなに戦闘に向いていない人がいるのかと驚きを禁じ得ないよ」
くそー! 馬鹿にしやがって!
「逆にどういうのだったらいいんだよ!」
-基本的には今できることの補助です。【雷剣】は能力を得る以前もリスクを負えば光速に近づくことが出来ていましたし、【灰色の科学者】も限界はあるものの物の複製や判別に優れていましたー
俺にできることとか補助呪文くらいしかないんですけど!?
俺に出来ることはそれぐらいだと知っているレインとキラがあちゃーって顔してる。
もういいよ! 言えよ役立たねーなって!
どうしよう。できることが限られすぎてて考えが膨らまない。
「こ、これリブレ。神様をあまり待たせるものじゃないぞ」
「いっとき黙っとけおっさん!」
お前に関わってる暇はないんだよ!
「おっさん……」
王様は精神的ダメージを負ったようだ。
俺は考えた。
考えに考えた。
持てる全ての力を結集し、どうにか有用な能力にできないかと。
そして思いつかなかった……。
だから俺はもう一番初めに思いついてはいた能力にすることにした。
「オッケー。決まった。
俺は、補助呪文の詠唱時間をなくすのと同じ呪文の多重使用の可能化を望む」
おい、レイン……。
「なぁ、俺のレベル覚えてるよな……」
「はい! 2ですよね!」
いい笑顔で言うな……。
「つまりだな? そこら辺の強い奴から見たら、自分の上にくそ雑魚が降ってわいたような話なんだぞ? その二つ名の名付けのシステムは知らねーけど、少なくとも自分より上の奴を倒すことがマイナスに働くことはないだろう。ってことはだ。大した実力もない俺はこれから暗殺に怯える日々を過ごさなきゃならないわけだ」
「あ、そうですね……」
レインもやっとことの重大さに気づいたのか顔を曇らせる。
「家が荒らされるかもですもんね……」
いや俺は!?
-そうですね。ですがあなたが二つ名を得るのはここにいる人間しか知りません。よってここにいるものが口外しなければ広まりはしないでしょうー
ほんとか!
「お前らわかってるよな? 俺は平穏な生活を送りたいんだよ。わかるな?」
よっぽど俺が鬼気迫った表情をしていたのか全員、王様も含めてこくこく頷く。
「よし」
これで命の危険は多少減ったか……。
「で、なんか能力を二つ貰えるんだよな?」
-その通りです。二つ名に関するものであればー
ここで俺は思いついてしまった。
狙われるならやられても殺られないようにすればいいんじゃん!
「じゃあ、身体防御は?」
-不可能ですー
「じゃ、じゃあ物理攻撃耐性は?」
-不可能ですー
「じゃあ、えーと、物理攻撃力アップは? 経験値効率アップは? 攻撃魔法取得は?」
-不可能ですー
あ、終わった。
俺の強キャラ化はどうしてもできないらしい。
あれ? なんか涙が……。
「なんか……。ご愁傷さまです」
「ここまでくると凄いね。こんなに戦闘に向いていない人がいるのかと驚きを禁じ得ないよ」
くそー! 馬鹿にしやがって!
「逆にどういうのだったらいいんだよ!」
-基本的には今できることの補助です。【雷剣】は能力を得る以前もリスクを負えば光速に近づくことが出来ていましたし、【灰色の科学者】も限界はあるものの物の複製や判別に優れていましたー
俺にできることとか補助呪文くらいしかないんですけど!?
俺に出来ることはそれぐらいだと知っているレインとキラがあちゃーって顔してる。
もういいよ! 言えよ役立たねーなって!
どうしよう。できることが限られすぎてて考えが膨らまない。
「こ、これリブレ。神様をあまり待たせるものじゃないぞ」
「いっとき黙っとけおっさん!」
お前に関わってる暇はないんだよ!
「おっさん……」
王様は精神的ダメージを負ったようだ。
俺は考えた。
考えに考えた。
持てる全ての力を結集し、どうにか有用な能力にできないかと。
そして思いつかなかった……。
だから俺はもう一番初めに思いついてはいた能力にすることにした。
「オッケー。決まった。
俺は、補助呪文の詠唱時間をなくすのと同じ呪文の多重使用の可能化を望む」
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