第23話

コチル「…ん……なんだ………」


いつもの血溜まりに倒れていた


コチル「寝ちまったか……はは」


月の代わりの大きな瞳がこちらを見る


コチル「………なんだっけ……」





？「……い……おい……！」







カオス「おい！しっかりしろ！」

コチル「！？」

コチル「お、俺は……一体……」

カオス「……恐らく何らかの攻撃だ」





カオス「……まるで記憶を別物にされていた」


コチル「…………危なかった、あと少しで自分を失うところだった」

コチル「ありがとう」

カオス「気にするな……、それよりもだ」

コチル「…皆は？」

カオス「………」



時は遡る




コチル「うっ……」

カラメル「コチル君！？」

？「こいつらだ、捕らえろ」

ゴピン「誰だお前ら…！」

？「抵抗しても無駄だ」

？「ティラミス！！」

ゴピン「なっ……ティラミス…だと…」

ティラミス「しばらく大人しくしててもらおうか」






？「ぐはっ」

モレチャヘ「はぁ…はぁ…」

オート「モレチャヘ姉さん……」

モレチャヘ「大丈夫よ……」

？「……終わりだ」

モレチャヘ「っ！！」


オートを庇い倒れるモレチャヘ


オート「モレチャヘ姉さん！！」

？「おい、こいつを連れて行け」



？「…やはり聞いていた通りだ、貴様は不安定だ」

オート「何を…言っている…？」

？「フン、言っても分からんさ」

？「こいつも連れて行け」






？「ぶへっ！」

？「ぎゃあぁ！」


コマチ「この数、まずいわね…」

カラメル「っ………」


？「…大人しくトラックに乗りたまえ、仲間の身を案じるならば…な」

コマチ「エラ・イヒト……！」

コマチ「何を考えて……！」

イヒト「君なら分かるだろう？」

コマチ「っ…………分かったわ」

カラメル「え…？どうして…」


気絶させる呪文を唱える


カラメル「うっ……」

コマチ「…………」








にちは「凛、あなたは逃げて」

夏祀「な、何を…！」

にちは「全滅したら……終わりなの……全てが……」

にちは「あなたはこの中で1番可能性がある……仮に1人になっても…」

夏祀「馬鹿な事言わないで！！」

カオス「……行け、皆もオートもきっと大丈夫だ」

カオス「それとも、信頼出来ないか」

夏祀「…………」


凛は逃げていく

何故逃がしたか

それは……


カオス「…やれやれ、こうも暑いと戦うのも一苦労だな……」


彼女を守る兵は大勢いる、きっと眠っても大丈夫







にちは「はぁ…はぁ………、カオス…」

カオス「…？」

にちは「……コチルを連れて逃げて」

カオス「…………」

にちは「……大丈夫、きっとまた会える」

カオス「………約束だ」


コチルを毛で掴み走り出す











カオス「状況は………最悪に近い」

コチル「………」

カオス「凛を逃がせたことが不幸中の幸いと言ったところか……、頼れる勢力があるということだ…」

コチル「……追うぞ」

カオス「バカを言うな、俺達だけで何が…」

コチル「うるせぇ！」

カオス「………」

カオス「……気持ちはわかるが冷静になれ」

コチル「……ごめん」

カオス「……一度凛達と合流しよう」

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