短編シリーズ

ふみゅうひぅ

呪いのビデオ

俺はビデオデッキにビデオを入れる

……

井戸がずっと映っている


どれぐらい経っただろうか

井戸から髪の長い女が出てくる

ゆっくりとこちらに近づいてくる

ついに女は画面に髪で見えない顔を近づける

真っ暗で何も見えない


次の瞬間


テレビから手が出てくる

女は画面から俺の部屋に侵入する




女「お待たせ!待った…?」

俺「待ったよー、32分も井戸の画面だったぞ。早くお前の顔が見たくて困ってたんだ」

女「もぉー、見せてもいいけど、ちゅーして」

俺「……分かってるよ」


俺は髪を横に流し、その美しい素顔をあらわにさせる

まるで結婚指輪の箱を開けるようだ


月明かりと井戸彼女の家が映し出されたテレビの光が差し伸べるこの部屋で、口付けを交わす

これが俺とこいつのいつもの日課だ





END

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