短編シリーズ

ふみゅうひぅ

この夏 僕は八尺様に出会った

この夏 僕は八尺様に出会った 

僕「暑いなー」

僕は夏休みなので親の実家に遊びに来てた 
結構な田舎で、殆ど同じ景色で下手に歩いたら迷子になりそうだった 

…今だから言える事だけど その時の僕は好奇心しかなかった
僕はその好奇心だけを頼りに森に入り込んだ 


今思えばあそこでそうしておいてよかったと思う 彼女に出会えたのだから 


僕「…暗くなってきた…」 

案の定迷子になってしまい、しばらくあるいていたのだが、等々僕は泣き崩れてしまった 

僕「うわぁぁぁん!」 

その時だった 

ぽぽぽぽぽ…

僕「…え?」 

その「ぽ」はだんだん近付いてくる
 …姿が見える頃には驚きで泣くのをやめていた

背の高い髪の長い女性だ 

?「…どうしたの…?」 

僕「…お姉さん誰…?」 

?「…皆からは八尺って呼ばれてる…」

 八尺「迷子になったのね、…お姉さんがなんとかしてあげる」 

僕「本当?」

僕「お姉さん大好き!」

八尺「……」

その瞬間、八尺さんの表情が悲しそうになった

我に返ると親の実家でテレビの前に座っていた
家族に聞いても帰りがほんの少し遅かったこと以外特に変わった様子はなかったらしい

10年後 僕は久しぶりにこっちの方に遊びに来た 

僕「…八尺さん…!」 

僕の体は考える前に動いていた 

僕「はぁ…はぁ…」 

いない… 夢だったのか…? 
いや、そんなはずない その時 

八尺「君…どうして…」 

僕「…八尺さん…」

八尺「大きくなったわね」

僕「お姉さんにはかなわないよ」

八尺「ふふ…」

「ぽ」としか笑わない彼女が「ふ」と笑ってくれた

僕は気づいていた
彼女があの都市伝説八尺様だと…

八尺「…もうこの森に来ちゃダメ」

僕「……」

八尺「私は…もう抑えられない」

八尺「だめだってわかってるのに…」

僕「……」

八尺「貴方が好きで好きでしょうがないの…」

八尺「…何でだろうね…次はお姉さんが泣いちゃった……」

僕「…僕もだよ」

八尺「んっ……」

…なんだよ、「八尺様」の唇って、人間より優しいな…

八尺「………ダメ…」

僕「…たとえ戻れないとしても、僕は貴方が好きだ」

八尺「…君…」

それからというもの、結婚してからの生活はいろいろと大変だった
でも…楽しかった


僕には人間が彼女八尺様との接触を禁じられた理由が分かった



もう戻れない程の幸せそのものだからだ


END

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