命の物語

ふみゅうひぅ

第71話 ミカ月編

月「………」

ミカ「かーわーいーいー!」


………女装が趣味なんて言ってないのに


ミカ「じゃ、今ご飯作るねー」


何がしたいんだ……





ミカ「はい、どーぞ」

月「いただきます…」


美味しい……

これは一種の洗脳兵器かって言うぐらい美味しい……


ミカ「ねぇ……あいつら、死神って…どうして私を狙うの……?」


まだやつらが死神としか話していない
今の冥界の状態も、お兄ちゃん達のことも、話していない

……でも、ここも狙われる可能性はある、ゆっくり話している暇はない


月「………僕に関わったから、獲物として認識されたんだ」

ミカ「………」

月「………君のように、狙われている集団がいる。彼らは死神と戦いながら、抗っている」

月「……そこに、ミカを連れていきたい」

ミカ「そこなら安全なの?」

月「少なくとも、ここよりかは」

ミカ「………」

月「………どの道、僕と彼らの力を借りないと、君は生き残れない」

ミカ「………」

月「……お願い、ミカ。僕と行こう」

ミカ「……彼氏に……」

月「?」

ミカ「彼氏になってくれるなら、いいよ」


「かれし」ってなんだ?
…だめだ、これに関しては全くわからない
……素直に聞こう



月「彼氏って何?」

ミカ「…え?知らないの?」

ミカ「(…使える)」

ミカ「彼氏っていうのはー、彼女に喜んで女装されたり襲われる人のことだよー(大嘘)」

月「そ、そうなんだ……」

月「わ、わかった。彼氏になるから、逃げよう、一緒に」

ミカ「(この子、私のためにすんなり受け入れてくれた……。なんていい子なんだ……)」

ミカ「………落ち着いたら、結婚してくれる?」

月「それはわからない」

ミカ「(結婚は流石に知ってたか……)」

月「……ちゃんと、僕の傍にいてくれるなら……考えてあげる」

ミカ「え!ほんと!?やったー!」

月「………」


……禁忌すぎる……、人と死神である僕が……

……出来るかわからないけど、どうせもう王族じゃないし……

……お兄ちゃんに、相談してみよう


月「じゃあ、行こうか」

ミカ「え!今!?」

月「この辺の死神は夜が特に活発的だから、今行こう」

ミカ「えー…でもぉ……」

月「彼氏になってあげないよ」

ミカ「行きます!」


……落ちぶれたな、僕も
まあいいか

多分、僕は、ミカのことを好きになっているんだと思う

……ミカの笑顔を見続けるためにも


………冥界を取り戻す……!



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