命の物語

ふみゅうひぅ

第69話 ミカ月編

………


ミカ「で、その友達なんて言ったと思いますー?」

………


凄い口数が多い人だ……


ミカ「……?あのー」

月「……え、ああ…何?」

ミカ「名前、なんて言うんですか?」

月「僕?僕は……月」

ミカ「月くんかぁ、変わった名前だね」

月「そう?」

ミカ「私はミカっていうの、よろしくね!」


急にタメ口かい


ミカ「月くんの趣味はなに?」

月「趣味…?趣味は…」


趣味……?
ないな……
強いて言うなら苦痛に悶える姿を見ることかな


月「……キャーキャー言わせること…かな」

ミカ「え、何それ。もしかしてアイドル!?」

月「…アイドル?」

ミカ「確かにカッコいいもんねー月くん!」

「お待たせしました」

ミカ「あ、どうもー」

ミカ「ん、どうぞ」

月「ありがとう…」

……

お、美味しい……

なんだこれは、こんなに美味しいものがあるのか、現世は

……狂人が生まれるぞ、この美味さ


ミカ「ねーねー、このあとどこ行くー?」

月「……帰らなくて大丈夫なの?」

ミカ「私そんな若く見えるー?嬉しい!けど一人暮らしだから大丈夫」




ミカ「……(月くん、なんかノリいいなー。……ジュルリ)」



ミカ「ねえ……好きな人とか…いる?」

月「いないよ」

ミカ「月くん、私の事どう思う?」

月「どうって……」


???なんだ?
様子が変だぞ
変な殺気みたいなのを発している……


月「……まだ分からない」

ミカ「そ、そうだよねー…」


?急に落ち込んだ
なんか変な事言ったかな
とりあえず励ますか


月「……まあ、次があるよ、次」

ミカ「ほんと!?じゃあ次は夜景を見に行こ!」

月「え」



……あれからいろんな所を連れ回された
そして同じ質問をされる
そしてその質問に同じ回答をする

なんて言えばいいんだ……


ミカ「んー、ダメか……じゃあ次行ってみよー」

月「う、うん…」

?「ねぇ君、可愛いねぇ。俺たちと遊ばない?」

ミカ「やだー、きーもーいー」

?「んだぁ?つれねぇなぁ」


誰だこのツンツンヘアー達は
…とりあえずやめさせるか


月「…嫌がってますよ」

?「誰だ、てめぇ。彼氏?」

ミカ「月くん助けてー」


助けて…?
………

月「とりあえず、裏、行きますか」

?「カッコつけてんじゃねぇぞ!」


ゴギッ


?「い、いてぇぇぇぇぇ!」


……?
なんだあの遅い拳は……


月「ミカはここで待ってて」

ミカ「う、うん!」


………


?「た、頼む!許してくれぇ!」

?「お、俺たちも悪気があったわけじゃ…」

月「……君達、誰?ミカとどんな関係か知らないけど、レディにあんな挨拶は無いでしょ」

?「そ、そうですね……はい……」

月「………ま、どうせ君達……死ぬけどね」



?「う、うぎゃああああ!」


僕が見えるということは……終わりだ


ミカも………

………

ミカ「大丈夫だった?なんか悲鳴が聞こえたけど……」

月「……なんか悲鳴が趣味らしい」

ミカ「???…そうなんだー…」

月「……とりあえず、行こう」

ミカ「お、ノリいいねー」



なんだか、この人といると調子狂うな……

……どうして僕なんかと綺麗なところに行きたがるんだろう

……僕もどうして一緒にいたいって思うようになったんだろう

とりあえず、守ろうかな



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