命の物語

ふみゅうひぅ

回想「フォー」

私の家は母子家庭でした

本当に貧しくて、高校に通えてはいたけど、それを理由に虐められたりしました

?「やめろよ、近寄るな、ゴミ」

?「息すんなよ」

私は別に虐めとかさほど気にすることはありませんでした
何故なら、むしろ人を虐めてしか生きることが出来ない彼らの方が可哀想だと思ったからです

?「ちょっと!あんた達やめなよ!」

彼女は萌花ほのか。クラスの人気者で、勉強も運動も出来る優等生でした


フォー「………ありがと」

萌花「どういたしまして」

フォー「……あんたさ、なんで私みたいなのを助けるの?あんたも虐められるよ」

萌花「んー?人が困ってたら助ける。理由なんてそんなもんでいいの」

フォー「……あんたバカじゃないの?」

萌花「えへへ…そうかもね…」


私達は次第に仲良くなっていき、一緒にいる時間も多くなった


でも

フォー「(今日も帰り誘うか……ん?)」

?「あんたさぁ、最近気持ち悪いよ」

?「そうそう、あんなのとつるんでさぁ……どうしちゃったの?」

フォー「………」


その日、私は1人で帰った


次の日、あえて萌花を避けた


そして私は帰りの支度をしていた

萌花「……どうして私を避けるの?」

フォー「……あんたこそ、どうして折角積み上げてきたものを崩してまで私とつるむの?」

フォー「……私、偽善者ぶるやつ嫌いなんだよね」

萌花「わ、私はそんなつもりじゃ……」

フォー「前々からうんざりしてたの、あんたのこと………。もう、近寄んないで」



……勿論そんなこと思ってない
たった1人の親友だもの
でも、だからこそ私はそう言った

……でも私は「友達じゃないから」とは嘘でも言えなかった
「近寄らないで」と言うしかなかった


1人で家に帰る


私はいつものように「ただいま」とは言えなかった


フォー「おか……あさん……」


お母さんは首を吊っていた

テーブルの上に遺書と、母が「好きな」人から貰ったと言っていたネックレスが置いてあった


遺書を見た私は、家を飛び出した



ガチャッ

?「…?お嬢ちゃん、だめだよぉ?こんな所に入ってきちゃあ」

バンッ

?「て、てめぇ!何しやがる!」


私は蜂の巣にされた


警官から奪った拳銃を落とし、次に私の体が倒れていく


私は考えていた
お母さんはどんな思いで私を育てていたのか
…その「好きな人」から貰ったネックレスはどれだけ心の支えになっていたのだろうか

それをもし、夫から貰ったネックレスと言えたらどれだけ幸せだったのだろう




回想「フォー」
END

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