妖精の羽
エピローグ─彼女との未来─
それからのこと。
春が終わり、俺はちゃんと教師をやっている。
俺の家には漆黒の黒髪で純白の心の持ち主。クロゼットには白いワンピースが何着もある。全く、同じようなのしか着ないのか?
そう言ったら、「同じじゃないし!」と頬を膨らませて拗ねるんだ。
何日か休みをもらえた日には、あの飛鳥山へ行った。もちろん2人で。あの日のシラカシの板を持って行って滑ろうとしたところ、滑れるほど頑丈ではなくなっていた。
魔法が使えなくなってしまった彼女は、なんだか物足りないようだったけれど、実は彼女は今もずっと魔法を使えてるんだってこと、本人は知らない。
「俺は君のおかげでいつも笑顔でいられるんだよ。他の何でもない、君は俺の妖精だよ」
太陽に透けて見える幻想的な羽は、今はまた彼女の背中で輝いている。彼女が選んだ、背中にリボンのついているドレス。彼女らしいと思った。
真っ白なドレスを着ていつもよりおめかしした彼女を、俺は一生離さないと胸に刻む。
キラリと光る彼女の左手薬指。俺はそっとキスをする。
「誓います」
と言葉を添えて。
「春山セツナ、だって。変なの〜」
と言いながら、嬉しそうに顔をほころばせた。もちろん泣きながら。
その冬は、たくさんの雪が降った。でも暖かい冬だった。
人々は暖かい冬に気持ち悪がったけれど、これはきっと神の……というより、シャルロットさんとかいう人の悪戯だろうか。
とにかく俺は、ほんの少しの間にたくさんの経験をした。
これからも俺の人生は続くし、その隣にひとりの女性がいる今となっては、"俺達の人生"になる。
きっとみんな運命だなんだってくっついていくんだから、こんな出会いは運命以上のものに違いない。
何があっても大事にするんだ。
儚く、脆い、この妖精を。
春が終わり、俺はちゃんと教師をやっている。
俺の家には漆黒の黒髪で純白の心の持ち主。クロゼットには白いワンピースが何着もある。全く、同じようなのしか着ないのか?
そう言ったら、「同じじゃないし!」と頬を膨らませて拗ねるんだ。
何日か休みをもらえた日には、あの飛鳥山へ行った。もちろん2人で。あの日のシラカシの板を持って行って滑ろうとしたところ、滑れるほど頑丈ではなくなっていた。
魔法が使えなくなってしまった彼女は、なんだか物足りないようだったけれど、実は彼女は今もずっと魔法を使えてるんだってこと、本人は知らない。
「俺は君のおかげでいつも笑顔でいられるんだよ。他の何でもない、君は俺の妖精だよ」
太陽に透けて見える幻想的な羽は、今はまた彼女の背中で輝いている。彼女が選んだ、背中にリボンのついているドレス。彼女らしいと思った。
真っ白なドレスを着ていつもよりおめかしした彼女を、俺は一生離さないと胸に刻む。
キラリと光る彼女の左手薬指。俺はそっとキスをする。
「誓います」
と言葉を添えて。
「春山セツナ、だって。変なの〜」
と言いながら、嬉しそうに顔をほころばせた。もちろん泣きながら。
その冬は、たくさんの雪が降った。でも暖かい冬だった。
人々は暖かい冬に気持ち悪がったけれど、これはきっと神の……というより、シャルロットさんとかいう人の悪戯だろうか。
とにかく俺は、ほんの少しの間にたくさんの経験をした。
これからも俺の人生は続くし、その隣にひとりの女性がいる今となっては、"俺達の人生"になる。
きっとみんな運命だなんだってくっついていくんだから、こんな出会いは運命以上のものに違いない。
何があっても大事にするんだ。
儚く、脆い、この妖精を。
「妖精の羽」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
海辺の少女
-
3
-
-
砂鯨が月に昇る夜に
-
8
-
-
寿久くんのスマートフォンは面倒だが超絶可愛い
-
1
-
-
君の嘘は僕を救う
-
3
-
-
連奏恋歌〜歌われぬ原初のバラード〜
-
11
-
-
君を失った世界
-
33
-
-
長いものには巻かれない
-
7
-
-
ヒーローライクヒール(リメイク連載中)
-
16
-
-
俺は特攻隊員として死んだ
-
10
-
-
桜は君の無邪気な笑顔を思い出させるけれど、君は今も僕を覚えていますか?
-
17
-
-
Skill・Chain Online 《スキル・チェイン オンライン》
-
20
-
-
私は、海軍最強航空隊のパイロットだった
-
83
-
-
ルームメイトが幽霊で、座敷童。
-
42
-
-
俺は君が
-
19
-
-
許嫁は土地神さま。
-
33
-
-
むかしばなし
-
12
-
-
彼処に咲く桜のように
-
27
-
-
オタとツン属性を併せ持つ妹に、なぜか連夜催眠術を施されることに
-
31
-
-
ノアの弱小PMC—アナログ元少年兵がハイテク都市の最凶生体兵器少女と働いたら
-
143
-
-
『愛してるゲーム』に負けたらキスするなんて先輩のバカ!
-
32
-
コメント