平凡な私が異世界で生きていくにはチート主人公に媚びるしかない!

tomayu

非常事態

突然の事態に会場全体がざわつく。

「カエデ…どうしましょう…」

リリーは怯えた様子で私の腕を掴む。

「大丈夫ですよリリー様、この会場には
冒険者も大勢いますからね」

とりあえず一番安全な場所(上田君の近く)に移動しますか。

気まずいけど、このまま距離が遠くなっていって自然消滅なんて事態は避ける必要があるし、元の世界ならまだしも、危険だらけの異世界での私の生命線でもあるからね…

気持ちを切り替えて行くしかない!

「リリー様、少し移動しましょうか。」

リリー様を連れ人混みを分けて移動する。

上田君は確かこの辺に……いた!

上田君は何やらレオン様を含めた、数名と何話し合っている。

「リリー様、レオン様もご一緒の様ですね」

「…ええ」

側まで歩み寄り上田君の背中を人差し指でつっつく。

「上田君?」

「…ああ楓か……。」

「…やあカエデ、っとリリー?なんで隠れているんだい?」

「…リリー、様?」

リリー様は何故か俯いている。

「リリーどうしたんだい?」

レオンはリリーの元へと歩み寄る。

「…レオン様なぜ最近会いに来てくださらないのですか?」

「あ、ああ最近は少し冒険者の仕事が忙しくてね…」

「…この前私のお友達が街でレオン様が他の女の人と歩いているのを見かけたと言って居ましたの………。」

「…た、多分仕事仲間じゃないかな?
ほら、冒険者にも女性が増えて来ているからさ!」

レオン様は明らかに動揺しており、
目が泳いでいる。

「…本当ですの?」

「ああ本当だ、俺は君だけを愛しているからね」

見た目もステータスも完璧なのに、中身がこうも残念だとちょっとね…

「…楓。お前の言いたい事は分かるが、
とりあえずやめておけ。」

どうやら顔に出ていたらしい。

「上田君、この後私達はどうするの?」

「…俺はさっきの話し合いで、王の護衛をする事になってな。」

「そうなんだ…」

うーん、危険度が10段階は上がってしまった…

「…本当はお前の側に居たいんだがな……。」

「…」

「…楓どうした?」

「…上田君が凄い積極的だから少し驚いて……。」

「…ああ」

上田君の表情を見る限り、どうやら無意識に言っていたようだ。

あんな恥ずかしい言葉を、自然と言えるとは
主人公レベルが確実に上がって来てるなこの男…

世のチョロイン達ならもう既に落ちてるよ…

「お二人さん、今はイチャイチャしている
時じゃないでしょ?」

「伊藤君⁈いつからいたの?」

いつのまにか隣に軍服を着た伊藤君が立っていた。

「久しぶり柊さん、 ずっと居たよ?」

「嘘…」

その目立つ格好で気付かないなんてさすがだね…

「柊さん?何やら失礼な事を考えていない?」

「別に何も。
それより乙女の心を読む方が失礼だと
おもうよ?」

「それは失礼。では上田、話した通り
柊さんは借りて行くね。」

「え?何の話?」

「…楓、そのすまない。」

何で謝るの?

伊藤君が指をパチンと鳴らすと、
同じような服装の男たちがゾロゾロと現れる。

「え?ちょっと待って!」

「じゃあ行こうか柊さん。」

伊藤君の合図で男達に連行される。

う、嘘でしょおおおおお!

********************

巨大なテントの前にまで運ばれた。

表には特別対策本部という立て札がある。

「…伊藤君、人類は他の動物と違って
話し合うことが出来るって知ってた?」

「まあまあ柊さん、そう怒らないで。
自体は急を要するからね」

「…」

「じゃあ中で説明があるから、入ろうか。」

テントの中に入ると、30人近くいる軍服をきた猛々しい男たちが、横に並び待機していた。

私は伊藤君とその列に加わる。

何をさせられるの?もう嫌な予感しかしないんだけど……。

テントの出入り口から更に3名が入ってきた。
その3名も軍服を来ているが、その上にコートを羽織り、胸には勲章が数多く取り付けられている。

 筋肉が盛り上がっている巨漢の男に、
眼帯をつけた凄まじい巨乳の女、
その2人の前に堂々とした目つきの悪い男が
立つ。

「…柊さん、左の女性がアレッタ中佐、右の男性がランドル中佐、真ん中にいるのが山田大佐です。」

「…うん」

…落ち着け私、突っ込みたい衝動を抑えるんだ!

アレッタ中佐が一歩前に出る。

「敬礼!」

全員が軍隊礼式をとる。

「休め!」

アレッタ中佐が下がり、山田君が前に出た?

「諸君!現在王国には複数の魔物が出現しており、騎士団がその対応に当たっている。
だが敵の戦力が想定以上の為長くは持たない。
そこで我が王国特殊作戦軍KSOCに与えられた任務は敵のトップの発見と排除。
5つの班に分け東西南北、それと城内を探る。
では任務に当たれ!」

「サー、イエス、サー」

全員が駆け足でテントから出て行く。

なにKSOCって…

勢いに押されて呆気にとられてしまった。

っと、みんな出て行ってしまう。

私も同じようにテントから出ようとするが…

「お前はここにいろ」

に腕を掴まれ、奥にあった小さなテントへと連れて行かれる。

くそ、あのまま逃げ出そう思ったのに!

「…あの、アレッタ中佐?」

「なんだ?」

…なんでこんな目に……。

「…山田君は一体どこに?」

「山田君、だと?貴様大佐に向かって失礼では無いか!」

「す、すいません!」

勢いよく頭を下げる。

なんでこんな目に……。

「…貴様、こちらへ来い。」

言われるがままにアレッタ中佐の前へと行くと、私の事をジロジロと眺める

「…貴様如きがあの英雄のな……」

「ひゃん⁈中佐、何を!」

いきなり胸を掴まれ、変な声が出てしまった。

「静かにしろ、そして動くな!
 ここでは上官の命令絶対だ!
分かったな?」

「は、はい!」

「…ふむ」

何がふむなんですか…って中佐!

「…んっ、やめ、て……。」

中佐の手つきが…

「おいアレッタ!何をしてる!」

「や、山田君?…」

山田君が現れたことで、アレッタ中佐は手を離し解放された。

…なんかこの世界きたからセクハラが凄いんだけど、気のせいじゃないよね?

もう私お嫁に行けないかも……。

「はっ!この前、私の胸を触った時の大佐の手つきを再確認しておりました。アレが出来れば尋問など、様々な場面使えると思いまして。」

え?それってつまり…

「おい、アレッタ誤解を生む様な言い方をするんじゃない!それと柊、その目はやめろ!」

「…あの時の大佐は凄かった……。」

「…別に山田君が部下に何してようと知らないけど?」

「違う!あの時はだな…」

つまりある任務中、暗闇で手探りで物を探して居た時、間違えて胸を揉んでいたと?

「へぇー」

「お前全く信じてないだろ…
  まあいい、この話はここまでだ。
  今回お前を呼んだことには訳がある、」

訳?まさか私の胸も揉みたくなったの?…

  「変態……。」

「大佐!胸を揉みたいのならどうぞ私の胸を!」

「ち、違う!あの話はさっきので終わりだ、
蒸し返すんじゃない!それとアレッタ、
お前は少し黙っていろ。」

露骨に落ち込んでいるアレッタ中佐

これ完全に出来てるね…

上田君は咳払いをして、真剣な面持ちになる

「では本題に入る。
今起きている事件を裏で魔族と手を結び、暗躍していたであろう人物を発見した。
そこでお前に尋問を行って貰いたいんだ。」

尋問ってアレだよね?
カツ丼でも食って話せ的な…

何で私が?

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