俺氏、異世界に行きたすぎてむせび泣く
プロローグ
「はぁ~~~っ、やっぱラノベは最高だな」
待ちに待った待望の新刊を読み終えて俺は言った。
女又力。
それが俺の名前だ。
名字と名前をすべて合わせると努力の「努」の字になる。
親もそれを狙って「努力できる人間になれるように」と願ってこの名前にしたらしい。
しかし、俺は努力なんて嫌いだ。
というか、努力が好きな人間なんてこの世界に存在するのだろうか。いや、しない(反語)。
しかし、努力している人間は確実に存在している。
それは何故か。
考えてみることにする。
努力している人間も決して努力が好きでしてるわけじゃない。
成功したいから仕方なく努力するだけであって、もし努力しなくても成功が約束されているのなら、わざわざ七面倒くさい努力なんて好き好んでしたりはしないだろう。
キャラメイク不可。
そのくせ、容姿というパラメーターはヌルゲーになるか無理ゲーになるか恐ろしく重要なファクターだ。
どの家庭に生まれてくるかは引き直し不可能なガチャ。
これも格差が激しい。
富豪の家に生まれれば人生一生安泰コース。
そうでない場合はストレスまみれの人生が待ってる。
セーブ不可。
後戻りはできない。
取り返しのつかない要素あり。
一手の悪手だけで人生というゲームが詰む。
ほとんどの建物はただ存在するだけで中に入ることはできない。
空腹や排泄欲求要素がある。
スキップ機能なし。
イベントを飛ばすことはできない。
エトセトラ、エトセトラ。
現実をリアルにゲーム化したらクソゲー以外の何物でもない。
その点ラノベはいい。
女の子にはモテモテで待っているのはラッキースケベな毎日だ。
暴力系ヒロインが敬遠される昨今、美味しい思いだけして殴られることはまずない。
暴力系ヒロインはそろそろ絶滅危惧種になりつつある。
苦戦なんてしないし、主人公だったらただそこに存在するだけで周りの脇キャラやモブどもがただひたすらにマンセーしてくれる。 「お前ら、指紋なんてないんじゃないの?」っていうくらいひたすらお手々をモミモミしてくれる。
いいなあ、ラノベの主人公。
いいなあ、本気と書いてマジでうらやましい。。
なりたい。
俺はラノベの主人公になりたい。
なんで俺はラノベの主人公じゃないんだろうか。
そう考えると目から透明な液体がとめどなくこぼれ落ちてきた。
涙だ。
男は人前では決して涙を見せぬもの。
しかし、今この空間にいるのは俺だけだ。
今俺は泣いていい。
泣いていいんだ。
「うっ……ううっ……うあああっ……」
ラノベの主人公になって異世界に召喚されたい。
そんな実現不可能な願望を抱いてしまった俺は、ただひたすらにむせび泣いた。
待ちに待った待望の新刊を読み終えて俺は言った。
女又力。
それが俺の名前だ。
名字と名前をすべて合わせると努力の「努」の字になる。
親もそれを狙って「努力できる人間になれるように」と願ってこの名前にしたらしい。
しかし、俺は努力なんて嫌いだ。
というか、努力が好きな人間なんてこの世界に存在するのだろうか。いや、しない(反語)。
しかし、努力している人間は確実に存在している。
それは何故か。
考えてみることにする。
努力している人間も決して努力が好きでしてるわけじゃない。
成功したいから仕方なく努力するだけであって、もし努力しなくても成功が約束されているのなら、わざわざ七面倒くさい努力なんて好き好んでしたりはしないだろう。
キャラメイク不可。
そのくせ、容姿というパラメーターはヌルゲーになるか無理ゲーになるか恐ろしく重要なファクターだ。
どの家庭に生まれてくるかは引き直し不可能なガチャ。
これも格差が激しい。
富豪の家に生まれれば人生一生安泰コース。
そうでない場合はストレスまみれの人生が待ってる。
セーブ不可。
後戻りはできない。
取り返しのつかない要素あり。
一手の悪手だけで人生というゲームが詰む。
ほとんどの建物はただ存在するだけで中に入ることはできない。
空腹や排泄欲求要素がある。
スキップ機能なし。
イベントを飛ばすことはできない。
エトセトラ、エトセトラ。
現実をリアルにゲーム化したらクソゲー以外の何物でもない。
その点ラノベはいい。
女の子にはモテモテで待っているのはラッキースケベな毎日だ。
暴力系ヒロインが敬遠される昨今、美味しい思いだけして殴られることはまずない。
暴力系ヒロインはそろそろ絶滅危惧種になりつつある。
苦戦なんてしないし、主人公だったらただそこに存在するだけで周りの脇キャラやモブどもがただひたすらにマンセーしてくれる。 「お前ら、指紋なんてないんじゃないの?」っていうくらいひたすらお手々をモミモミしてくれる。
いいなあ、ラノベの主人公。
いいなあ、本気と書いてマジでうらやましい。。
なりたい。
俺はラノベの主人公になりたい。
なんで俺はラノベの主人公じゃないんだろうか。
そう考えると目から透明な液体がとめどなくこぼれ落ちてきた。
涙だ。
男は人前では決して涙を見せぬもの。
しかし、今この空間にいるのは俺だけだ。
今俺は泣いていい。
泣いていいんだ。
「うっ……ううっ……うあああっ……」
ラノベの主人公になって異世界に召喚されたい。
そんな実現不可能な願望を抱いてしまった俺は、ただひたすらにむせび泣いた。
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