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不死者の俺は平和に生きたい

煮干

狼人間

 俺は走り出しフランケンとの距離を縮める。フランケンは腕をひく。


 刺突、だとすすると狙いはまた首。直前に体を半身にすればよけられる。だが、俺のよみは外れた。体を半身にした瞬間、フランケンの刺突が背中を掠める。


 少しの痛みと血が飛び散るが、ここで止まるわけにはいかない。左手で拳をつくり、フランケンの頬をめがけてうちこむ。フランケンの顔は歪み、口がきれて鮮血が飛ぶ。だが、未だにその目は正気を取り戻さない。俺の脇腹をフランケンの右足がえぐる。ふき飛ばされ、砂浜を二、三回ボールのようにバウンドするが、空中で体勢を立て直す。


 今のでわかった。フランケンは考えて行動している。狙いを首から胴体に変える。つまり首だけでは勝てないと考えたわけだ。勝機はある……。


 フランケンから攻撃を仕掛けてくる。空中高く飛び、落下の威力も込める気だ。 俺はすかさず砂をひと握り掴むと、フランケンへと投げつけた。フランケンの攻撃は途中で止まり、目に入った砂に呻き声をあげる。むやみに腕を振り回して俺が近づけないようにする。


 ようやく落ち着いたフランケンは俺を睨みつける。そして、確実に殺すとでもいうように雄叫びを上げた。互いに見合い、相手の動きを考える。だが、この時間はあっさりと終わりを告げた。突然フランケンが倒れた。


「仲間同士で無益な争いをするな」


 フランケンの後ろには体長が二メートルもあり、二足で立つ狼がいた。


「そこにもう一人……いるな」


 鼻をスンスンと動かすと、木の後ろを睨みつける。ジェミーは無駄なあがきはせず、素直にでてきた。そして、俺に近づき後ろへと隠れる。


「さて、お前ら二人は教会を知ってるか?」


「俺は知ってる」


「私も知ってる」


「なら話は早い。俺らはその教会を潰す組織、人類淘汰の会だ。お前達も参加してみないか?」


 教会を潰すなら当然教会と争う。そんなことをすればジェミーは教会に再び狙われる。ならば答えはひとつ。


「断る。争いは好まない」


「私はするわ!あの教会を潰せるなら命すら惜しくないわ!」


 俺の予想した答えとは違う答えに驚きを隠せない。協会の条件はジェミーに全部伝えた。ジェミーも理解し、関わらないと誓った。


「ジェミー!どうしてだ!?」


「許せないよやっぱり……この恨みは消えることなんてないよ。忘れようとするたびに強くなるんだもん……」


 そう言うとジェミーはオオカミに近づいていった。


「ということみたいだ。じゃあな」


「明……今までありがとう……」


 ジェミーのその声は、波にのまれて消えてしまいそうなくらいにか細かった。瞬間、オオカミが雄叫びあげる。あっという間に目の前にいたオオカミもジェミーもいなくなり、フランケンだけがそこにいた。


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