不死者の俺は平和に生きたい
移植
エレベーターを降りて奥の部屋に案内された。
「下僕、ここは?」
「ここは院長室。ポッポさんの部屋みたいなとこだよ。」
「ふーん、あ!あの絵、私も持ってた!」
ジェミーが指を指す方向には、女の子が振り向く絵があった。心なしかジェミーに似ている。
「あれかい?あれは海外のオークションで売られてたんだよ。もしよかったらいるかい?」
ジェミーは首を縦にふった。
「すみません…高額なものを…。」
「いいさいいさ、お近づきのしるしみたいなものだ。」
ポッポさんは豪快な性格だ。そういうところにひかれる人は多い。
「では、コーヒーでも飲みながら仕事の話をしよう。」
ポッポさんはコーヒーを注ぐと、俺とジェミーの前に出した。ジェミーにはなぜかガムシロップと砂糖。ジェミーはムスッとした。コーヒーをそのまま飲むと、顔をしかめた。
「これは苦いからね。大人でも飲めない人は多い。だから無理に意地をはらなくてもいいんだよ?」
そう言いながらポッポさんはコーヒーを一口飲む。資料を見ながら、顔ひとつ変えずに飲んだ。ジェミーは嫌々ではあるが、目の前のガムシロップと砂糖をコーヒーに入れた。
「今回は心臓移植だ。確か君の心臓は前回の移植で子どもの心臓。今回の患者も前回の患者と同じ年齢。報酬は二千万、やってくれるか?」
「ええ、やりましょう。」
コーヒーを一気に飲み干すと、口の中を苦みに支配された。確かに、これは俺でもさすがにきつい。
「ではいこうか。ジェミーちゃんは明君の仕事を見てみるかい?」
「見な...痛っ!?」
手の甲をつねり、捻られた。
「うん!見たい!」
ポッポさんは笑顔でうなずくと、またエレベーターに向かって歩き出した。ジェミーめ…いつか覚えてろよ。
目が覚めると病院の天井。よかった、生きている。
「手術は無事成功したよ、ありがとう明君。」
「いえ、俺は不死身なのでこれくらいなんともないです。」
「はい、これは報酬金。後、これも受け取っておきなさい。」
ポッポさんは二千万円の小切手と一万円を差し出した。
「いえ、一万円はもらえませんよ。高額な絵も貰ってるわけですし…。」
「君らしいね。」
ポッポさんニコニコしながら一万円をふところにしまった。
「外でジェミーちゃんが待ってるよ。早く行きなさい。」
「はい。今日はありがとうございました。」
俺は頭を下げて病室を出た。外には絵を大事そうに抱えているジェミーがいる。
「お待たせしました。」
「遅い下僕!私を何時間待たせるつもりよ!」
ジェミーさんはさぞかしご立腹のようだ。
「しゃあないだろ、手術は全身麻酔で、手術後はなかなか起きられないんです。」
「むぅ…そうか。まあよい、帰るぞ。」
絵がでかいのか、ジェミーが小さいのかは分からないが、ジェミーの足取りはふらつく。
「持ちましょうか?」
「いい。これだけは自分で持ちたい。」
わがままジェミーさんにしては珍しいことを言ってる。こりゃあ明日の天気が心配だ…。
「下僕、ここは?」
「ここは院長室。ポッポさんの部屋みたいなとこだよ。」
「ふーん、あ!あの絵、私も持ってた!」
ジェミーが指を指す方向には、女の子が振り向く絵があった。心なしかジェミーに似ている。
「あれかい?あれは海外のオークションで売られてたんだよ。もしよかったらいるかい?」
ジェミーは首を縦にふった。
「すみません…高額なものを…。」
「いいさいいさ、お近づきのしるしみたいなものだ。」
ポッポさんは豪快な性格だ。そういうところにひかれる人は多い。
「では、コーヒーでも飲みながら仕事の話をしよう。」
ポッポさんはコーヒーを注ぐと、俺とジェミーの前に出した。ジェミーにはなぜかガムシロップと砂糖。ジェミーはムスッとした。コーヒーをそのまま飲むと、顔をしかめた。
「これは苦いからね。大人でも飲めない人は多い。だから無理に意地をはらなくてもいいんだよ?」
そう言いながらポッポさんはコーヒーを一口飲む。資料を見ながら、顔ひとつ変えずに飲んだ。ジェミーは嫌々ではあるが、目の前のガムシロップと砂糖をコーヒーに入れた。
「今回は心臓移植だ。確か君の心臓は前回の移植で子どもの心臓。今回の患者も前回の患者と同じ年齢。報酬は二千万、やってくれるか?」
「ええ、やりましょう。」
コーヒーを一気に飲み干すと、口の中を苦みに支配された。確かに、これは俺でもさすがにきつい。
「ではいこうか。ジェミーちゃんは明君の仕事を見てみるかい?」
「見な...痛っ!?」
手の甲をつねり、捻られた。
「うん!見たい!」
ポッポさんは笑顔でうなずくと、またエレベーターに向かって歩き出した。ジェミーめ…いつか覚えてろよ。
目が覚めると病院の天井。よかった、生きている。
「手術は無事成功したよ、ありがとう明君。」
「いえ、俺は不死身なのでこれくらいなんともないです。」
「はい、これは報酬金。後、これも受け取っておきなさい。」
ポッポさんは二千万円の小切手と一万円を差し出した。
「いえ、一万円はもらえませんよ。高額な絵も貰ってるわけですし…。」
「君らしいね。」
ポッポさんニコニコしながら一万円をふところにしまった。
「外でジェミーちゃんが待ってるよ。早く行きなさい。」
「はい。今日はありがとうございました。」
俺は頭を下げて病室を出た。外には絵を大事そうに抱えているジェミーがいる。
「お待たせしました。」
「遅い下僕!私を何時間待たせるつもりよ!」
ジェミーさんはさぞかしご立腹のようだ。
「しゃあないだろ、手術は全身麻酔で、手術後はなかなか起きられないんです。」
「むぅ…そうか。まあよい、帰るぞ。」
絵がでかいのか、ジェミーが小さいのかは分からないが、ジェミーの足取りはふらつく。
「持ちましょうか?」
「いい。これだけは自分で持ちたい。」
わがままジェミーさんにしては珍しいことを言ってる。こりゃあ明日の天気が心配だ…。
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