全校鬼ごっこ

大津 千代

第13話 レズる2人、探す2人

跳び箱の中でじっと隠れている2人。入った後に部屋の電気消し忘れた事を思い出し少しだけ後悔した。けれど、ただの消し忘れだろうと勘違いしてくれる事を祈っていた。




「なんか周りに囲まれてるって安心感あるね」歩が言う。


「うん…そうだよね。密室に2人きり…」亜希子がつぶやく。それを聞き歩が亜希子を見る。亜希子はニヤニヤとして歩を見ている。



「2人きり…2人きり…」そう言いながら亜希子が歩に近づく。



「え、また?亜希ちゃん。亜希ちゃんってそっちなの?」


「男子にされるなら女子同士の方が私はいいなって思って…いいでしょ?歩ちゃん」


「えぇ…亜希ちゃんが言うなら…いいけど…」



歩がそう言い、亜希子が体を近づける。そして2人の唇が重なる。亜希子が歩の胸に手を伸ばし、揉む。歩も亜希子の胸を揉んでいる。さすがに跳び箱の中で女子同士の《自主規制》は出来ない。



「亜希…大好き…」


「歩ちゃん…私もだよ…」



2人が再びキスをする。いやらしい音が部屋に響く。




「ねぇ、気持ちいい?」胸を触り、盛り上がっているところをコリコリと指先で弄る亜希子。歩が頷く。それを見て強く弄る亜希子。



歩の喘ぎ声のようなものが聞こえる。それを聞いて亜希子も興奮する。







「亜希ちゃんだけずるいよ?たまには私にもやらせて」歩が言う。胸を揉んでいた亜希子の手が止まる。



「え?うーん…いいよ?」


歩の手が亜希子の胸に伸びていく。そして手に触れる。



触られただけで変な声が出てしまう亜希子。そして亜希子の胸の盛り上がっている部分を指先で弄る。喘ぎ声が思わず出てしまう。こんな感じなんだ、と亜希子は思っていた。いつもとは立場が逆ですごく興奮していた亜希子。



「亜希ちゃんの、おっぱい柔らかいね。揉むのやめたくない…」


「え?そう?けど…大きくないから…」


「ううん、並くらいはあると思うよ。わたしとそんなに変わらないよ」



「そうなんだ…なんか嬉しいな」



亜希子が微笑む。そして歩が再びいじり始めた。



2人は跳び箱の中で胸の触り合い、弄り合いを続けていた。












2人は、女子同士での行為を、一通り終え、一息ついていた。亜希子は持っていた竹刀の先端を歩の《自主規制》に当てたりしていた。こんな事を風香に言ったら多分怒られる。そして行為をしている間の部屋に男子生徒は来なかった。運が良かった。



「亜希って…Sっ気あるね。まぁ私も少しだけMっ気だけど…」そう言う歩。実はかなりのMだ。以前、学校で亜希子に言われノーパン状態でスカートを履き学校で授業を受けていた。その日はずっと顔が赤いままだった。見られる事に興奮する歩だった。



「私、歩ちゃんと結婚したいなー。けど同性婚って出来ないもんね…」


「そうだね。したいね…そしたら毎日2人で《自主規制》出来るもんね」



「そうだね」亜希子がそう言い2人は向き合う。そしてほぼ同時に笑い出す。2人の笑い声が部屋に響く。そして再びキスをする。亜希子は純也の事なんて、その時は忘れてしまっていた。本当の好きな人、だったのに。















「またヤり過ごした…俺の好きな人、あの部屋にいたの…」啓太がうなだれる。男子2人は空き教室で少しの時間だけ休憩していた。純也は机の上に座り、啓太は椅子に触り机に突っ伏している。



「俺だってそうだよ。それに…すれ違う時、俺の方見ながら名前呼ばれたし……亜希子さん…」


「もしかして、お前ら2人両思いなんじゃね?」突っ伏していた啓太が体を起こす。


「ま、まさか、多分違うよ。たまたまだよ」


「じゃあなんでお前見ながらお前の名前呼んだんだよ?俺にはお前も亜希子ってやつ、両思いだとしか思えねーけどな」啓太が真剣な眼差しで純也を見ている。純也の体になんだか電流が流れたように感じた。



「1回、亜希子ちゃんに聞いて見たら?探してさ。俺も、歩ちゃんに想いを伝えてみたいし」



「そうだな…1回聞いてみるか。多分あの2人、一緒に行動してると思うから探そう」



「おう!」





純也が机から降りる。啓太も椅子から立ち上がり椅子を机の中にしまい、元に戻した。そして2人は教室を後にする。2人はそれぞれ想いを伝えるために校舎内を歩いていった。






時計の針が14時を指す。


鬼ごっこ開始から、5時間が経過した。





女子生徒、残り 159人。

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