幼馴染と3人の異世界性生活

大津 千代

第35話 コア

「いきなり何するかと思ったら…。不意打ちで攻撃かい…」


サタナキアが刺された部分に手を伸ばし触れた。サタナキアの手には血がベットリと付き、手に付いた血がポトポトと地面に落ちている。貫通したのにも関わらずあまりダメージは受けていない様子だった。瑛斗はサタナキアを睨み見ていた。


「俺は、もう許さねぇ。葵とアリスを傷つけた事…俺が復讐してやる!」


瑛斗の目が赤く光る。サタナキアが同じように瑛斗をじっと睨むと右腕が剣のように変化していった。その間、誰も喋らず無言の空間が部屋に広がっていた。サタナキアが舌打ちをし右腕を振りかぶった。


「チッ…、何もして来ねぇならこっちからやらせてもらうぞ!」


右腕を斜めに斬ると、斬ったその直後にブーメラン状の白い物体が浮かび上がりそれが瑛斗めがけ向かって行った。瑛斗は表情を変える事なく見ていた。見兼ねたアリスが瑛斗の名前は叫んだ。


「瑛斗!避けて!」


瑛斗のギリギリの所まで来ていたがそれを当たる寸前に瑛斗は体をしゃがませ、それを、かわした。瑛斗がかわした後、建物の壁に向かって行き壁に当たった。白いブーメラン状の物は消えたが、その瞬間建物の壁に斜めの亀裂が走りそして壁が激しい音を立て崩れ落ちた。壁の外には、外の光景が見えていて外の冷たい風が一気に部屋に入ってくる。風に煽られ砂煙が部屋の所々に起こっていた。


瑛斗がしゃがませていた体を起こしサタナキアを見た。瑛斗の口角が上がり微笑んだ。


「危ないじゃんか。建物も壊しちゃって…。まぁお前の建物だからいいんだけどさ」


瑛斗が微笑みながら仕舞っていた剣を抜きゆっくりと歩き出した。歩いている間も瑛斗は微笑み、サタナキアを見ていた。


「今度は俺の番だね。……覚悟してろよ」


瑛斗が地面を蹴りサタナキアに向かう。剣を思い切り振りかぶり向かって行った。ただただ立ちすくんでいるアリスは、瑛斗に何か出来ないか考える。サポートしか出来ないが今、できる事といえばアリス自身が囮になる事だった。


アリスがサタナキアの後ろに回り、サタナキアに向け叫んだ。そして銃を取り出し装填し銃口をサタナキアに向けた。


「サタナキア!後ろがガラ空きだよ!」


サタナキアがアリスの声を聞き後ろを振り向く。瑛斗の目にはサタナキアの背中が映されていて、背中の翼と翼との間に赤く光る石のようなものがありそれが光っていた。


「アリス!ありがとな!」


「エイト!さ、サタナキアの背中に赤い石があるでしょ!それ、コアだからそれを壊したら…!」


アリスが最後まで言い切れなかったが瑛斗にはその続きはわかっていた。それを壊したらサタナキアを倒すことが出来、完全に消す事か出来る。


サタナキアが瑛斗の方を振り向こうとするがもう遅かった。


「消えろ!サタナキア!」


瑛斗が剣を持ち替え両手で持った。そして上に大きく振り、勢いよく振り下ろした。


瑛斗の振り下ろした剣はコアに直撃したのだった。

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