RUKOISM

ヴォ

豊満な体と爪楊枝

「全く、あの姉には本当に頭にきたものだ。私があそこに存在していたら、きっと殴ってやったであろうに!」

ヒューガリテは肩をいからせながら口調を荒らげる。

「ふふ、そうだね」

「お前ももっと怒ったらどうなのだ!?」

「今はいい、ヒューが居るから」

ヒューガリテに身を寄せる。彼女もそれに応えるように、受け入れてくれた。

「ねぇ、ヒュー。これからどうすればいい?」

「お前の好きなことをすればいい」

「好きなことって言っても・・・」

「行きたいところはないのか?やりたいことは?」

そんなこと、無いわけじゃないけれど。

「ははぁ、足か?」

ヒューガリテは私の足を優しく撫でる。くすぐったい感覚が私を襲う。

「え?」

くすぐったい?

「お前に不可能なことがあろうが、私にとってそれは不可能とは限らない。どうだ?初めての足の感覚というのは?」

「すごい・・・すごいっ!すごいよヒュー!」

私の足は確かに動いた。
ゆっくりだけれど、でも確実に、私の意思で、それは動いた。

「・・・いいのかな?こんなに幸せで」

「ほう、お前は今幸せか?」

「・・・当たり前じゃない。あの地獄から逃げることが出来て、足が動いて、ヒューが居て・・・こんなに幸せで、バチが当たっちゃう」

「ほう、ならば私の役割はそのバチとやらを跳ね返すことだな」

ヒューガリテはケラケラと笑った。それに釣られて、私も笑ってしまう。

「さて、次はどうする?何がしたい?何が見たい?」

「・・・ヒューみたいな、ドレスが欲しい、私も着てみたい、いいかな?」

「ふふん、お前の貧相な体にこれは似合うまい」

「うっ・・・」

確かにヒューガリテの体は出るところが出て、締まるところは締まる完璧な体だ。それに比べて・・・私は・・・。

「だから、お前にあった服を私が見繕ってやろうぞ。安心しろ、100人が100人、お前に求婚するようなモノを選んでやる」

「ほんとっ?」

「あぁ」

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