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名無しの英雄

夜廻

38話

次に自分の武器を作りたいのだがどんな物にしようかと迷っていた
「う〜ん……」
「なにか迷ってるの?」
スズが聞いてくる
「あぁ、今回の試合を通してどんな能力が俺に足りないんだろうな?」
「えーと……力が足りないんじゃないかな?」
「………」
力か……
「どうやって武器に取り入れようか…」
「うーん……ギルドで聞いてみたら?」
「それもそうか…じゃあギルドに行くぞ」
「はーい」


「なにかいい案はないですかね?」
「えーと、力が増えるようなアイテムですか……単純に力が増えるようなアイテムは無いですね」
「そうですか…」
残念だ……
「力では無いですが威力を増すやり方は2つほどありますよ?」
「教えてくれ」
俺は食い気味に言う
「1つ目は単純に切れ味を良くする事ですね」
「あぁ、それは今回の褒美のアレキサンドライトでカバーできるな」
「ええ、それでいいと思います。2つ目はスズさんのように武器自体の重さを増す方法ですね」
「重さか……正直俺はスピードで戦ってるから武器が重いとな…」
そう、俺はスピードを取られたら何も残らないのだ、悲しいことに
「ならアイテムで魔力を込めると重くなるモノがありますが……それを使ってみては?」
魔力を込めると重くなる?
「それは魔力を込めるのを辞めると軽くなるのですか?」
「ええ、その通りです」
それなら……できるか……?
「それの名前を教えてくれませんか?
「それの名前はペンデと言う赤色の宝石です」
赤色か……
「どこで取れるんですか?」
「ええと、この辺りでは取れませんね。輸入かノース帝国のダンジョンに行かないと取れません」
「輸入ですか……」
俺的にそれはキツイ
何故なら輸入する時に名前を書かないと行けないからな…
おまけにスズは奴隷なので買えない
「自分で取りに行きたいですね…」
「かなりの高難易度ダンジョンなので気をつけてくださいね」
「ええ、わかっています」
これは早々にノース帝国に行かないとな
「あ!そうだ《死神》さん。ウチのギルドマスターが会いたいって言ってましたが…会いますか?」
「ギルドマスターがか?それに拒否権はあるのか?」
俺は苦笑する
「……まぁ拒否権は一応はありますが……オススメはしないですね」
「だよなぁ…」
ギルドに所属している以上ギルドマスターの面会を断ったら面倒くさそうだしな
「わかった。会うよ」
「ではこちらへ」
そう言って案内されたのは豪華な扉の前だった
「………なぁ?ギルドマスター室ってこんなだったか?」
俺の記憶が正しければこんなに豪華な筈がない
「あぁ、知らなかったんですか?ウチのギルドマスターは全てのギルドマスターの頂点のグランドマスターですよ?」
「グランドマスターか……」
ならこの豪華さも納得だ
グランドマスターはギルドマスターを纏めるギルドの頂点だ
それこそ全帝とも権利は変わらない
人によっては上と言う人がいるぐらいだからな
「ではお入りください」
俺は頷いて扉を開ける
そこには煌びやかな赤い絨毯と高級そうな机、壁には本棚の本が所狭しとならんでいる
机の前には何処かで見た事がある様な…ない様な少年が座っていた
「やぁ、また会えたね?《死神》くん?」
少年は朗らかに笑ってそう言った

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