16話

俺は眠りから覚めて目を開けた
横には金髪の少女が眠っている
「おい、朝だぞ。飯だ」
少女を起こす
「ん〜？」
コイツなかなか起きないな……
「おはようございます…」
「あぁ、おはよう」
さて、飯食って犯罪組織のリーダーを潰す作戦練らないとな…

俺は部屋の中で少女の事情について話していた
「で？なんでお前は奴隷なんかになったんだ？しかも犯罪奴隷なんかに」
「……」
「あぁ、話したくなかったら話さなくていいぞ。どうしても聞きたいわけじゃないからな」
「いえ、別に話したくないわけじゃないんです……」
そう小さく返事をした
「なら話せよ」
「……わかりました」
少女は観念したようにそう返事した
「私は元々スラムで孤児だったんです…親の顔は知りません……それで最初の方はどうにか生きられていたんです。でも年齢が上がるにつれて生きていくのに食べ物もなくなっていって……それで食べ物を盗もうとしたら見つかって…捕まりました……」
「なるほどな。だから比較的軽い奴隷の契約を結んでいるのか」
「はい」
それにしてもコイツ盗む才能とかないんじゃないか？
そもそもスキルとかってどうなってんだ？
「なぁ、お前のスキルとか魔法ってどうなってるんだ？」
「スキル…魔法……ですか？」
「あぁ、そうだ。普通の人間は両方持ってる」
「奴隷の時にスキルと魔法は封じられてしまいました……もちろんステータスを見るのも……」
どういうことだ？
なんで見るのを禁止する？
「お前の主人ってあの一緒にいた男だよな？」
「……いえ、どうやら変わったみたいです……これは、犯罪組織のリーダー？かな…」
「めんどくさい事になったな…けどまぁいいか」
どうせアイツは殺すしな
「そう言えば、リーダーの事でなんか知ってるか？」
「はい、少しだけ…」
「ふーん、何を知ってる？」
「あのリーダーは聞いた話によると孤児院の院長らしいです。その孤児院の子供を奴隷にして貴族に売ってるとか…」
「どうしようもないクズだなそりゃ。俺が言えた義理ではないがな……他には知らないか？」
「すみません、分かりません…」
まぁしょうがないか
あの俺を襲った衝撃が何なのか明らかにしたいところではあるが……
まぁどうにかなるかな…計画通りに行けば
「さて、リーダーを殺すために計画を練ろうか…」
そう言って妖しく俺は笑った

首都に夜の帳が落ちる頃スラムの一角で騒ぎが起きていた
「侵入者だ！！」
「武器を持って対抗しろ！」
そう犯罪組織の下っ端は叫んでいる
武器を持ったところで変わらないのにな
「見つけた！侵入者……リーダー……？」
「アハハハハハ！！！」
黒い服の男達は動きが止まる
そりゃそうだろう
何せ俺の左手の中には犯罪組織のリーダーの首があるのだから……
「リーダー…」
「あァ、悪ィな、お前らのリーダーは殺させて持ったぞ？」
「！？………どうやって殺した…リーダーは凄まじいまでの空間把握能力があったはずだ……」
「アハッ！答えは簡単だァ！ただ単に闇属性魔法で影に潜って出てきたと同時に鎌を振るえば対処できねェだろォ？」
「あ…悪魔だ……」
黒い服の男達は青い顔をして後ずさりし始めている
「ンン？逃がすわけねェだろ？」
俺はそう満面の笑みで言って

俺は血塗れのマントを着たまんま宿に戻ってきていた
部屋の扉を開ける
「おかえりなさい」
そう少女が言う
「あァ、ただいま」
「お疲れ様です。そしてありがとうございました」
そう言って少女は頭を下げる
「いい、いい、俺が勝手にやったことだ」
「いえ、それでも感謝します」
「……」
俺は下げられた頭を撫でてやる
その時に金色のブレスレットが見える
「これ、お前にやるよ」
そう言って俺はブレスレットを少女に差し出す
「？……いいんですか？大切なもの見たいですが…」
「あぁ、これはお前が持つべきものだ」
「ありがとうございます。大切にしますね」
あぁ、やっぱりランとは言動こそ似てないがどこか面影を感じるな……
そう思っているともう空は白くなり始めていた

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