名無しの英雄

夜廻

10話

「そこでなんだが、武器作成っていうスキルを君は勘違いしている」
勘違い?武器作成を何も無いところから作るスキルじゃないのか?
「武器作成は本来、鍛冶師になるためのスキルだ。つまり金属から好きな形に加工できる」
「!?」
イース王国にいた時はそんなこと教えてもらえなかったぞ?
まぁそりゃそうかあんな国だもんな
「やはり知らなかったか。そんな理由でオリハルコンのインゴットを渡したのだ」
「つまりここでやってみろと言うことですか?」
「あぁ、武器作成のスキルを持つ人は頑固なヤツが多くてな…1回見てみたかったのだ」
「わかりました。では作成したいと思います」
そう行って国王様のところまで行ってインゴットを受け取る
「では、やってみます」
まず、どんな武器がいいかイメージしないとな
俺はイース王国にいた時にひと通り武器は扱えるようになっている
その中で俺が得意だった武器は…
「出来ました」
「……その武器は…」
そう、俺はオリハルコンから大きな鎌を作り出したのだ
本来オリハルコンは透き通るような青色だが俺が作り出した鎌は持つ部分は真っ黒で刃の部分は赤と黒が所々混じっている
お世辞にも豪華な武器とは言えない
だが、敵を効率よく殺すだけを考えられた武器である事は確かだ
ひと振りで3人ぐらいだったら体を貫通するだろう

「飾り気は無いが戦闘に特化した武器だな…君に良く似合っているよ」
国王様から褒められた
「ありがとうございます」
「あぁ、貴重なモノを見れたからな。満足だ」
「では…」
そう言って謁見の間から出ていった


王城から出てギルドに向かっていた
俺は今現在Gランクなのでランクを上げようと思ったのだ
背中に大きな鎌を背負った黒いマントのヤツ…不審者だよな…
ギルドについてドアを開けるとギルドにいる人の視線が刺さる
俺は気にせずに受付に行く
「依頼を受けたいんだが」
「あ、待ってましたよ!君にランク昇格の試験が来ています。受けますか?」
「ランク昇格?」
「ええ、Cランクに」
Cランク!?
なんでFとか吹っ飛ばしてCなんだ?
「なんでいきなりCランクなんだ?」
「だって、国からの褒美が出るような事をしたんですよ?当たり前じゃないですか?」
マジか…
受けといて損は無いか…
「じゃあ受けるよ。どんな試験なんだ?」
「試験官と戦ってもらいます。その時の判断でランク昇格するかどうか決めます」
「…戦うのか」
正面から戦うのは苦手なんだよな
「今から出来ますが、試験を受けますか?」
「あぁ」
「ではこちらへ来てください」
俺は何も言わずについて行った


「ここが試験場です」
試験場は何も無いただの広場だった
「では中心に行ってください。そうしたら試験官がいますので」
「ああ、わかった」
そう言って広場の中心まで行く
そうすると人がいきなり現れた
「!?」
「あぁ、心配しないでくれ。私が試験官だ」
試験官は短い金髪の男性だった
いきなり現れたように見えたんだが…スキルか?
「では、試験を始めたいと思うんだが。いいかな?」
「ああ、いいぞ」
「では始めっ」
「……」
俺らは互いに動かない
「来ないならこっちから行くけど…」
「どうぞ?」
ちょっと挑発気味に言ってみた
「へぇ、後悔しても知らないからな?」
そう言った瞬間俺の視界から消える
次に分かったのはどうやら背中に攻撃してきたことだった
もちろん俺は部分強化を防御力にかけていたのでダメージは受けていない
「へぇ、かなり防御力高いね」
声が横から聞こえてくる
やはり瞬間移動みたいなスキルがあるのだろう
「じゃあ次はこちらの番ですよ」
そう言って俺は気配遮断と部分強化を敏捷にかける
次の瞬間には俺は試験官の後ろにいた
そして首に鎌をかける
「どうですか?」
そう言ってみた
「……私の負けだ。全く見えなかったよ」


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コメント

  • うぇーい乁( ˙ω˙ 乁)

    死神だぁ( ^∀^)

    0
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