俺と彼女と小宇宙とが織り成す宇宙人とのラブコメ

颯★改

僕はやり直す

「知らない天井だ・・・」
1回言って見たかったんだよねぇ。
朝起きて両脇に温もりを感じながらつらつらとくだらないことを考える。
両脇の温もりの正体はエマとマリス。
ちら、と彼女たちを見て、焼いたトーストのいい匂いに気がつく。
トタトタと階段を降り、迷いながらも何とか食堂に辿り着く。
「おう!おはよーさん!ご主人様!
昨夜はお楽しみでしたね?」
そこでトーストを焼いていたのはメイド服のあの褐色肌の女の人。
男勝りな独特の喋り方が特徴だ。
「おはよぉ。
昨夜は何もなかったからねぇ?
っていうかなんでメイドなのぉ?」
「あぁ、エマに言われてな。
どうせ行くアテも無いならここで働いたらどうだって」
「行くアテが無いってどうしてぇ?」
「この肌の色のせいでな。差別されてんだアタイは」
女の人は寂しそうに顔を陰らせる。
「ご主人様はアタイを追い出すか?」
なんて顔で聞くんだ君は。
「まさかぁ、そんなことする訳ないよぉ。
ココでは辛い思いなんてさせないさぁ」
「ご主人様ならそう言ってくれると思ってたぜ。ありがとな、ご主人様」
「いいよぉ礼なんてぇ。それよりご飯食べよ?」
「おう!出来たぜフレンチトーストだ!」
「おぉ!美味しそうだねぇ。
いただきますぅ!」
もぐもぐもぐ。
「どうだ?」
「凄く美味しいよぉ!」
「それはよかったぜ!」
嬉しそうに彼女は笑う。
「うん、君は笑顔の方が似合ってるよぉ」
「!?」
ボンッと音がしそうな感じで顔を真っ赤にする。
「そ・・・そんなことを急に言われたって・・・」
モジモジと内股を擦りながら独りごちる。
「そう言えば君の名前を聞いてなかったねぇ。
僕は月兎ぉ、君はぁ?」
「アタイはカリーナ。
よろしくな」
「うん、よろしくねぇ」
しばらくお話した後フレンチトーストを食べ終わった。
「ん、ご馳走さまぁ。
美味しかったよぉ」
「お粗末さまでした。
片付けはしておくからご主人様はあの2人を起こしに行ってくれ」
「分かったよぉ」







てくてくてくと迷いながらも寝室へ。
そこには2人の美少女が居た。
2人を揺すぶって起こす。
「ほらほら起きてぇ。
朝ご飯作ってくれてるよぉ」
「んー、あと5年」
これはマリス。
「ん、おはよぉ、月兎君」
これはエマ。
「はい、おはよぉ。
ほらほらマリス、バカ言ってないで起きてぇ」
「んー」
クシクシと目を擦りながら起きるマリス。
「おはよぉ」
「おはよう、つー君」
「ほら、下行くよぉ。
有能なメイドさんが朝ご飯作ってくれてるからぁ」
「んー、つー君抱っこしてー」
「もぉ、甘えん坊なんだからぁ」
「あっ!ずるい!私も!」
「んー、流石に2人も運べないよぉ。肩車にしようかぁ」
「ムッ!」
「ムムッ!」
互いに睨み合う2人。
「「ジャン、ケン」」
手を大きく振りかぶって───
「「ポン!」」
マリスがグー。
エマがチョキだった。
「やった!つー君!抱っこ抱っこ! 」
「はいはい」
マリスをお姫様抱っこする。
それからしゃがんで、
「エマぁ乗っちゃってぇ」
「うん。よいしょ」
「立つよぉ」
「うん」
「よいしょぉー」
2人の甘えん坊を連れてまた食堂へ。
「連れてきたよー」
「お疲れさん。
出来ちゃってるから食べておくれ」
「「いただきまーす」」
美味しい美味しいと言いつつ30分。
フレンチトーストを食べ終わり、一息つく。
「そう言えばつー君はこの後どうするつもりなの?」
「そうだねぇ午後は暇だからねぇ・・・」
「そうじゃなくて、どうやって生きるのかってことよ」
「あぁ!それなら今まで出来なかった事をやり直して生きていくつもりだよぉ。
例えば学園生活とかねぇ」
「そんな事でいいの?世界征服とかじゃなくても」
「とても魅力的だけど面倒くさそうだから遠慮しておくよぉ」
「勉強の方が面倒くさそうよ」
「大丈夫!やることが無くてずっと勉強してたから。
今ならどこの大学受験を受けても余裕で受かれるよぉ」
「へぇー、つー君頭いいんだー」
「あっ!でもその前に妹達に会いたいかなぁ」
「じゃあ今日行きましょ!」
「そうだねぇ、今日は暇だからねぇ」
こうして僕らは妹達に会いに行く事にした。

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