俺と彼女と小宇宙とが織り成す宇宙人とのラブコメ

颯★改

パイ〇ダーオン!!!

「「ジャーンプ」」
「よっと」
「つー君キター!」
帰るなりマリスが抱き着いてきた。
「おぉ、よしよしぃ」
抱き着いてきたマリスの頭を撫でる。
「ムフー・・・
つー君の匂い・・・」
「よしよしぃ」
「んむ・・・れちゅ、くちゃくちゃ。つー君の味・・・」
「離れてねぇ」
マジか、この子僕の事食べようとしたぞ。
「もっとぉー」
「ダメだよぉ、僕の服ベタベタじゃん。どうしてくれるのかぁ?」
「私の体で払う」
「やめてねぇ。僕はまだ犯罪者にはなりたくないからぁ」
「むー。つー君のいけずぅ〜。
ん?あれ?この子誰?」
首を傾げ機械仕掛けの神を見つけるマリス。
「あぁこの子ねぇ。機械仕掛けの神の本体だよぉ」
「へぇーこの子が・・・」
すると機械仕掛けの神がトテトテと前に出て、
「こんにちは、
私は機械仕掛けの神。
月兎君のお嫁さん候補」
いきなり爆弾発言をする彼女。
ギギギギギィ
「つー君?」
「ひぃ!?」
振り向いたマリスの顔は憤怒に染まっていた。
「どーゆー事なのかなぁ?」
「ちょっと待ってよぉマリス。話せばわかるからぁ!」
「えぇ、話してもらうわ、どーゆー事なのかなぁ?」
「かくかくしかじか・・・という訳だよぉ」
「ふーん・・・そういう事ぉ
それじゃあ惚れるのも無理ないわね」
「うん!」
元気いっぱいに答える機械仕掛けの神。
「許してください。なんでもするからぁ
(なんでもするとは言ってない)」
「じゃあ私とセックS「ソレはまだ早いかなぁ」」
「照れなくてもいいのにぃー」
「出会ってまだ一日だよぉ?
そんな簡単に人を信用するもんじゃないよぉ。
いつか裏切られちゃうよぉ」
「でもつー君はそんな事しないわよね」
「まぁソレ・・は僕の一番嫌いな事だからねぇ」
虐められていた時にソレ・・を経験している月兎は裏切りがどれほど苦しいのか知っている。
「じゃあ・・・キス!キスが良い!」
月兎は数秒悩んで、やがて決心したように
「解ったよぉ。目を閉じてぇ」
と言った。
「ん」
「好きだよ、マリス」チュッ
そして口にキスをする。が・・・
「!?」
「ムフー」
してやったり顔のマリス。
マリスが何をしたかと言うと、舌で口をこじ開け、そして舌と舌を絡めて来たのだ。
所謂ディープキスだネ!
「れちゅ・・・ぷはぁ。ご馳走様でした」
顔を火照らせ、蕩けた表情のマリス
「そんないきなりぃ・・・/////」
犬をノーカンにすればファーストキスがディープキスというレアな経験をした月兎君であった。
「ふふっ。照れちゃって可愛い」
「・・・/////」
「凄い・・・」
マリスに感化される機械仕掛けの神であった。
「さてぇ、帰ろうかぁ」
「何処に?」
「おろ?」
「おろ?じゃなくて、だって城は豚野郎王族が居るんだよ?もっかいアイツと会う?」
「それは嫌」 
機械仕掛けの神が即答する。
「ふふふ。だよねぇ。
じゃあ創ろうかぁ」
「うん!そうしよう!」
「私もそれが良いと思う」 
「っていうか豚野郎アイツどうしたぁ」
「ん・・・」
と言って機械仕掛けの神の外装を指さす
本体。
そこには────
「おい!どうした!早く動け!
男を殺して神の器を奪え!
女は殺すなよ。ボクちんの奴隷にしてやる!」
相変わらずの下衆だった。
「「・・・」」ブチッ
機械仕掛けの神とマリスから血管の切れる音がした。
「「つー君(月兎君)殺して」」
「確かにぃあの発言は許せないねぇ。
奴は人の事をなんだと思ってるのかなぁ。
1回お話させてもらわないとぉ」
「「かっこいい・・・」」  
「・・・」 
この子達は僕が何言ってもカッコイイと思うのかな?
「でわでわ、殲滅に移らせていただきます。アグゥ展開。目標、豚野郎。
マスターレーザー、最大出力・・・チャージ完了。発射ァ!」
アグゥは2枚ある円盤の内、外側を前に出し、
2枚の円盤を高速で回転させた。
その次の瞬間。
ビシュゥゥゥゥゥゥ!!!!                         チュドォォォォン
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!
敵襲!敵襲ゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!!!!!」
虹色に輝く一筋の光がロボットに向かって伸びた。
「目標への着弾を確認。
尚、ターゲットはまだ生きてる模様」
「「カッコイイ・・・」」
「おい!お前ら不意打ちとは卑怯だぞ!」
豚野郎が鳴く。
「「「狡い卑怯は敗者の言い分」」」
「ぐぬぬ・・・もう良い!!!
こうなったらボクちんが戦う!」
そう言って豚野郎は機械仕掛けの神の外装に乗り込む。
「はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!!!!!!!!!!!!!
ボクちんがこの手で直接殺してやる!!!」
「おろろ」
「つー君どうするの?」
マリスが不安そうに聞く。
「僕一人で戦うよぉ」
「勝てるの?」
「余裕さぁ」
「怪我ひとつでもしたらオシオキだからね」
「心得たぁ」
「気を付けてね」
「うん」
「月兎君、月兎君」クイクイ
機械仕掛けの神が服をひっぱる。
「ん?何ぃ?」
「耳貸して」
「うん?」
「チュッ」
「っ!?」
「勝利の女神のキス」
「あぁ、ありがとぉ。
おかげさまで勝率が億倍になったよぉ。
じゃあ行ってくるねぇ」
「「いってらしゃーい!」」
「さて、無傷でお前に勝ってやる!」
月兎は指を指し、そう勝利宣言をする。
「ほざけ!生身の貴様に何が出来る!」
「なんでも出来るさぁ、何たって勝利の女神のキスをもらったんだからなぁ」
「ふん!余裕こいて・・・」チュドォォォォン
「先手必勝ぉ」ドヤァ
「死ねェェエェえぁぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇエ!!!!!!!!!!!!!!」
そう言って足を振り下ろす四足。
それに対して月兎は────
「ほいっ」
レーヴァテインで受け止めた。
レーヴァテインは機械仕掛けの神を助けるために使った鍵の事。
その間にエンジェルを向かわせ腕の付け根に突っ込ませる。
バキィン!!!と大きな音がして腕が落ちる。
「よしぃ!まずは1本!」
「クソっ!これでも喰らえ!」
ビシュゥゥゥゥゥゥ!!!!と空のキャノン砲からビームが出た。
「アグゥ 弐式ぃ」
月兎がそう呟くとアグゥの二重丸の形が変わり、半透明の4枚の翼を広げる。
その羽にビームが当たるとそのビームが球体に跳ね返る。
チュドォォォォン。
「くっそォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!! 
舐めやがって!殺してやる!」
「君それしか言えないのぉ?」
「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れェ!」
「ホイっ」
槍投げの要領で月兎がレーヴァテインを投げる。
それだけで球体が仰け反った。
「なっ!?何をした!」
「槍投げだよぉ」
ドヤ顔で答える。
「ぐぬぬ。どこまでもボクちんを馬鹿にしおってぇ!」
「馬鹿だからしょうがないねぇ」ニコッ
「しィィィィィねェェェェェェェ!!!!!!!」
「戻れ!レーヴァテイン!!!」
月兎がそう言いながら手を引くと、レーヴァテインが月兎の手に戻ってくる。
「やっぱ糸を結んでおいて正解だったねぇ」
「油断大敵!!!」
黒い球体が月兎を踏み潰そうとする。
・・・が
「行け!レーヴァテイン!!!」
月兎が投げたレーヴァテインによって弾かれる。
「まだだ!」
球体はもう一度脚を月兎に伸ばす。
「アグゥ参式ぃ」
月兎がそう言うと、アグゥが4つのキャノン砲が月兎の肩に2つ、脇腹に2つ、合計4つのキャノン砲をX状に展開し、球体の大きな脚に照準を合わせる。
球体の脚が月兎に触れるか触れないかのところで・・・
「ッテェ!!!」
月兎の声が響き、4つのキャノン砲が一斉に火を噴く。
チュドドドドォォォォン!!!
「んなっ!?」
球体が怯む。
その隙をついて月兎はレーヴァテインを球体に投げる。
「そぉれっ!」
ヒュンッ                                  ドガァッ
「2本目!」
「チッ!これでも喰らえ!!!!!!!!!!!!!!」
豚野郎が叫ぶと、球体は飛び上がって足を横に半回転させながら突っ込んでくる。
「おろっ!?」
月兎は驚愕する。
そのせいで正しい判断が出来なくなり、
球体のサマーソルトキックを喰らってしまう。
月兎は横に思いっきり吹っ飛び、山に突っ込み大きなクレーターを作って停止する。
「フハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!!!ざまぁ無いな!」
「月兎君!!!」
「つー君!!!」
マリスと機械仕掛けの神が同時に叫ぶ。
土煙の中、静かに佇む影が1つ。
そのシルエットは人の形で有りながら、明らかに人とは言えないような形を象っていた。
例えるなら鍵を背負った二足歩行の兎。
「アグゥ零式ぃ」
月兎は静かに呟く。


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