クラスにハブられた僕は罪を背負いながら頑張ります
幸せな時間
数時間後、部屋の扉が開き、いつもと変わらない表情の優と険しい表情をしたメル婆が出てきた。
「メル様......どうしたのですか?」
リブルさんが心配そうにメル婆に近づくと、メル婆は耳打ちでリブルさんに何かを伝える。瞬間、リブルさんは驚いて声をあげ、とっさに口をおさえた。そして、なにもなかったようにしゃがんで、またメル婆の話に耳を傾けた。
「……承知しました」
メル婆の話を聞き終えるとリブルさんは立ち上がる。
「兵を全員集めろ!一刻を争う事態だ!」
リブルさんの怒号が轟く。怒りをあらわにしたその表情は事態の深刻さを表していた。その事は他の兵士に伝わり、せかせかと階段を降りていった。
「お邪魔になりそうだね。望、リア、俺たちはおいとましようか」
「ええ!?僕も?」
「当たり前だ。今日から仲間なんだから」
そう言って優は階段へ向かって歩き始めた。僕はただならぬ雰囲気を感じて、優の後ろをついていく。後ろを振り向くとリアもちゃんとついてきていた。
膝に手をつき、大きく肩で息をする。降りるときは降りるときで膝にかなりの負担がかかり、足が棒になる。
「おんぶしようか?」
リアに問いかけられるが首を横にふる。そんなこと、僕のプライドが許すわけがない。
「歩けるよ」
一歩踏み出そうとした瞬間、バランス崩して前のめりに倒れる。起き上がろうとすると誰かの手が見えた。
「ほら、無理はするな」
どうやらこの手は優のようだ。僕は優の手をつかんで立ち上がる。すると、優はしゃがんで片ひざをついた。
「乗れ」
「いいよ。僕は歩けるから」
「嘘をつくな。今は強がる必要がないんだから甘えてもいいんだぞ?ここには甘える望をバカにするやつはいない。」
いる……。横を見ると一番可能性の高いリアがいる。そんなリアは少し不機嫌そうだ。
「いいんじゃない?僕じゃあ嫌みたいだから、大好きなお兄ちゃんにおんぶしてもらえば?」
予想以上にそっけない返事で僕はハッとした。
リアはからかうためじゃなく優しさからおんぶしようかと聞いたんだ。気づくと同時に罪悪感がわいた。
僕はすぐに頭を下げた。
「リア……ごめんなさい……」
「気づいたなら許してあげる。優も僕も君の味方なんだよ。辛かったら辛いって言っていいし、甘えたかったら甘えていい。無理に強がる必要何てないんだよ」
そう言ってリアは僕の頭を優しくポンポンと二回たたく。
もう無理はしなくていいんだ……。
その瞬間、僕の体から憑き物が落ちたように体が軽くなった。
「ほら、お兄ちゃんが早くしろって言ってるよ」
見ると優は座っていた。僕を見た瞬間、おんぶの体勢をまた作る。
「いくよ……優……」
「いつでもいいぞ」
僕が背中に乗ると優は立ち上がった。一瞬にして景色が変わり、いつもより少しだけ遠くの景色が見えた。
これが優の見てる景色なんだ……。
景色に感心しているとリアが横に来た。
「どうですか?大好きなお兄ちゃんの背中は?」
「からかってきた!」
僕とリアの言い合いを優は笑いながら聞いている。
この幸せが続いて欲しいなぁ……。
そう思っていたら口からこぼれた。
「この幸せがずっと続きますように……」
僕は小声で言ったつもりだったが、ここは優の背中。頭は当然、優の頭の近くにある。
「そうだな。望」
「わ、忘れてよお兄ちゃん!」
聞かれた……。恥ずかしさからみるみるうちに顔が熱くなる。
「ノゾム何て言ったんですか?」
「幸せが続きますようにだってさ。」
「バカ!バカ!優のバカ!」
必死に優の背中をポカポカと叩く。優とリアは和やかな雰囲気になっている。
「かわいいですねぇ~」
「だろ?自慢の弟だ」
穴があったら入りたい……。
「メル様......どうしたのですか?」
リブルさんが心配そうにメル婆に近づくと、メル婆は耳打ちでリブルさんに何かを伝える。瞬間、リブルさんは驚いて声をあげ、とっさに口をおさえた。そして、なにもなかったようにしゃがんで、またメル婆の話に耳を傾けた。
「……承知しました」
メル婆の話を聞き終えるとリブルさんは立ち上がる。
「兵を全員集めろ!一刻を争う事態だ!」
リブルさんの怒号が轟く。怒りをあらわにしたその表情は事態の深刻さを表していた。その事は他の兵士に伝わり、せかせかと階段を降りていった。
「お邪魔になりそうだね。望、リア、俺たちはおいとましようか」
「ええ!?僕も?」
「当たり前だ。今日から仲間なんだから」
そう言って優は階段へ向かって歩き始めた。僕はただならぬ雰囲気を感じて、優の後ろをついていく。後ろを振り向くとリアもちゃんとついてきていた。
膝に手をつき、大きく肩で息をする。降りるときは降りるときで膝にかなりの負担がかかり、足が棒になる。
「おんぶしようか?」
リアに問いかけられるが首を横にふる。そんなこと、僕のプライドが許すわけがない。
「歩けるよ」
一歩踏み出そうとした瞬間、バランス崩して前のめりに倒れる。起き上がろうとすると誰かの手が見えた。
「ほら、無理はするな」
どうやらこの手は優のようだ。僕は優の手をつかんで立ち上がる。すると、優はしゃがんで片ひざをついた。
「乗れ」
「いいよ。僕は歩けるから」
「嘘をつくな。今は強がる必要がないんだから甘えてもいいんだぞ?ここには甘える望をバカにするやつはいない。」
いる……。横を見ると一番可能性の高いリアがいる。そんなリアは少し不機嫌そうだ。
「いいんじゃない?僕じゃあ嫌みたいだから、大好きなお兄ちゃんにおんぶしてもらえば?」
予想以上にそっけない返事で僕はハッとした。
リアはからかうためじゃなく優しさからおんぶしようかと聞いたんだ。気づくと同時に罪悪感がわいた。
僕はすぐに頭を下げた。
「リア……ごめんなさい……」
「気づいたなら許してあげる。優も僕も君の味方なんだよ。辛かったら辛いって言っていいし、甘えたかったら甘えていい。無理に強がる必要何てないんだよ」
そう言ってリアは僕の頭を優しくポンポンと二回たたく。
もう無理はしなくていいんだ……。
その瞬間、僕の体から憑き物が落ちたように体が軽くなった。
「ほら、お兄ちゃんが早くしろって言ってるよ」
見ると優は座っていた。僕を見た瞬間、おんぶの体勢をまた作る。
「いくよ……優……」
「いつでもいいぞ」
僕が背中に乗ると優は立ち上がった。一瞬にして景色が変わり、いつもより少しだけ遠くの景色が見えた。
これが優の見てる景色なんだ……。
景色に感心しているとリアが横に来た。
「どうですか?大好きなお兄ちゃんの背中は?」
「からかってきた!」
僕とリアの言い合いを優は笑いながら聞いている。
この幸せが続いて欲しいなぁ……。
そう思っていたら口からこぼれた。
「この幸せがずっと続きますように……」
僕は小声で言ったつもりだったが、ここは優の背中。頭は当然、優の頭の近くにある。
「そうだな。望」
「わ、忘れてよお兄ちゃん!」
聞かれた……。恥ずかしさからみるみるうちに顔が熱くなる。
「ノゾム何て言ったんですか?」
「幸せが続きますようにだってさ。」
「バカ!バカ!優のバカ!」
必死に優の背中をポカポカと叩く。優とリアは和やかな雰囲気になっている。
「かわいいですねぇ~」
「だろ?自慢の弟だ」
穴があったら入りたい……。
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