クラスにハブられた僕は罪を背負いながら頑張ります
変革
「メル婆さんに聞きたいことがある。森の罠はちゃんと作動してるかい?」
優は両手を組み、肘を机につける。そして、組んだ手に顎をのせる。
とてつもなく態度が大きい…。
メル婆は気にしてないように見えるが、後ろの若い男のエルフたちから殺意を感じる。
僕は視線へをそらして左に座るリアを見る。リアは視線に気づくと笑顔を返す。たぶんリアは殺意に気づいていながらも気づいていないふりをしている。
「……何のことじゃ?」
「とぼけないでくださいよ。俺はいろいろ知ってますよ?元凶とか……知りたくないですか?」
その時、出会ってから一度も開かれることのなかったメル婆の目が開いた。
「珍しい……。」
左のリアがぼそりと呟く。
メル婆の目が開かれるのは、エルフでもなかなかお目にかかれない珍しい事なのか…。
「情報を買おう、対価はなんじゃ?」
優は指パッチンをすると同時に立ち上がる。そして、メル婆に近づこうとした瞬間、後ろから目がたれ目のエルフが前に出てきた。槍の穂先を優に向けて威圧をする。僕はどうするべきか分からず再びリアを見る。だが、リアは全く気にする様子もなく目の前に置かれた飲み物を飲んでいる。
「それ以上動くな!メル様!こいつのことを本当に信じていいんですか!こいつが元凶だったっていうこともあるかもしれないんですよ!」
「リブル!やめるのじゃ!ユウは名の通る情報屋であり信頼できる情報屋じゃ!」
メル婆が声を荒らげるとリブルさんは槍の穂先を天井に向けて、再び後ろに下がった。だが、リブルさんはまだ不満そうな顔をしている。
とりあえず一触即発は免れてた。僕は安堵から胸を撫で下ろした。
「すまんのう、ちと血の気多くての。」
「そんなことないですよ。主君を守るために自ら行動する素晴らしい兵士ではありませんか。」
優はさっきのことなど気にする様子などなく、いつものような笑顔でメル婆に接する。その笑顔にメル婆は困惑してるようにも見えた。
「それで、何が欲しいんじゃ?」
「魔法の国に教えた秘術と禁術、そして人材も欲しいから……そうだ!そこのリアと望が欲しい!」
次の瞬間リアは口から飲み物を吹き出した。
「何で僕が君に同行しなきゃいけないんだ!」
「望も一緒に行くけど行かないのか?」
「そ、それでも森のしきたりがなぁ...でも望がいなくなるのもなぁ...」
リアは腕を組んで考える。
僕は優と出会ったその時からに一生優についていくと決めている。けれどやっぱりリアとも別れたくない。だけどリアに無理強いはできないし...。
「分かった、交渉成立じゃ。あっちの部屋で話そう。」
メル婆の一言にリアと僕はすっとんきょうな声をあげる。まさかこんなに簡単に決めるとは...。
「どうしてですかメル様!」
リアがそう言うとメル婆は振り返って近づいてくる。リアは片ひざをつけて、真剣な眼差しでメル婆を見る。メル婆はそんなリアを見据えて、肩をつかんだ。
「エルフの森はしきたりで、長く外界との関わりを断ってきた。そのためか外界の情報には疎い。だからこそ変えるべき時がきたのじゃ。そのために人とエルフのかけ橋になれる器が必要なんじゃ。そしてその器になれるのがリア...君じゃよ。現にこうして人と関われている。それが何よりの証拠じゃ。」
ゆっくりとした口調でそれだけ言うと、優と一緒に別の部屋へと移動した。
リアは下を向いていて表情が分からない。
故郷を出るのが悲しいのかな…こんな時って何て声をかけてあげればいいんだろう…?
そんな心配をよそに、不気味な笑い声がリアから聞こえた。
「リア……?」
顔をあげたリアの頬は赤く染まり、頬がひくついている。
「僕が…僕が人間との架け橋……ヘヘ…。」
たぶん人との架け橋になれると言われたのが相当嬉しかったのだろう。リアの顔はいつも僕をいじって楽しんでいる時の顔に似ている。もし、頬が完全に上がりきっていればそっくりだと思う。
「どうしたの?」
喜んでいるのは断定できるが、一応念には念をということで確認することにした。
「やったよノゾム!」
「ちょっと!兵士さんが見てる!」
やっぱり喜んでいた!
リアはなぜか抱きついてきた。僕が拒もうとするが男の性が邪魔をする。僕はまたあの感覚を感じて赤面した。未だになれることのできない初な自分を恨んだ。
「気にしないの!ノゾムも一緒で嬉しいでしょ?」
リブルさんをちらりと見ると鬼のような形相をしている。手に持っている槍の穂先は不気味に光を反射する。
身の毛がよだち、早く離れた方が賢明だと僕は判断した。
「う、嬉しいよ…リアのことが好きだから一緒にいられて…でもね、今はものすごくはなれて欲しいな…。」
再びリブルさんを見ると心なしか表情が和らいだ気がする。だが、次のリアの一言で一層険しい表情になった。
「いいじゃん!いつもしてるんだし!だから平気でしょ?」
「平気じゃないよ!ものすごく恥ずかしいよ!」
僕の悲痛な声は部屋に反響はするものの、リアに届くことはなかった。
優は両手を組み、肘を机につける。そして、組んだ手に顎をのせる。
とてつもなく態度が大きい…。
メル婆は気にしてないように見えるが、後ろの若い男のエルフたちから殺意を感じる。
僕は視線へをそらして左に座るリアを見る。リアは視線に気づくと笑顔を返す。たぶんリアは殺意に気づいていながらも気づいていないふりをしている。
「……何のことじゃ?」
「とぼけないでくださいよ。俺はいろいろ知ってますよ?元凶とか……知りたくないですか?」
その時、出会ってから一度も開かれることのなかったメル婆の目が開いた。
「珍しい……。」
左のリアがぼそりと呟く。
メル婆の目が開かれるのは、エルフでもなかなかお目にかかれない珍しい事なのか…。
「情報を買おう、対価はなんじゃ?」
優は指パッチンをすると同時に立ち上がる。そして、メル婆に近づこうとした瞬間、後ろから目がたれ目のエルフが前に出てきた。槍の穂先を優に向けて威圧をする。僕はどうするべきか分からず再びリアを見る。だが、リアは全く気にする様子もなく目の前に置かれた飲み物を飲んでいる。
「それ以上動くな!メル様!こいつのことを本当に信じていいんですか!こいつが元凶だったっていうこともあるかもしれないんですよ!」
「リブル!やめるのじゃ!ユウは名の通る情報屋であり信頼できる情報屋じゃ!」
メル婆が声を荒らげるとリブルさんは槍の穂先を天井に向けて、再び後ろに下がった。だが、リブルさんはまだ不満そうな顔をしている。
とりあえず一触即発は免れてた。僕は安堵から胸を撫で下ろした。
「すまんのう、ちと血の気多くての。」
「そんなことないですよ。主君を守るために自ら行動する素晴らしい兵士ではありませんか。」
優はさっきのことなど気にする様子などなく、いつものような笑顔でメル婆に接する。その笑顔にメル婆は困惑してるようにも見えた。
「それで、何が欲しいんじゃ?」
「魔法の国に教えた秘術と禁術、そして人材も欲しいから……そうだ!そこのリアと望が欲しい!」
次の瞬間リアは口から飲み物を吹き出した。
「何で僕が君に同行しなきゃいけないんだ!」
「望も一緒に行くけど行かないのか?」
「そ、それでも森のしきたりがなぁ...でも望がいなくなるのもなぁ...」
リアは腕を組んで考える。
僕は優と出会ったその時からに一生優についていくと決めている。けれどやっぱりリアとも別れたくない。だけどリアに無理強いはできないし...。
「分かった、交渉成立じゃ。あっちの部屋で話そう。」
メル婆の一言にリアと僕はすっとんきょうな声をあげる。まさかこんなに簡単に決めるとは...。
「どうしてですかメル様!」
リアがそう言うとメル婆は振り返って近づいてくる。リアは片ひざをつけて、真剣な眼差しでメル婆を見る。メル婆はそんなリアを見据えて、肩をつかんだ。
「エルフの森はしきたりで、長く外界との関わりを断ってきた。そのためか外界の情報には疎い。だからこそ変えるべき時がきたのじゃ。そのために人とエルフのかけ橋になれる器が必要なんじゃ。そしてその器になれるのがリア...君じゃよ。現にこうして人と関われている。それが何よりの証拠じゃ。」
ゆっくりとした口調でそれだけ言うと、優と一緒に別の部屋へと移動した。
リアは下を向いていて表情が分からない。
故郷を出るのが悲しいのかな…こんな時って何て声をかけてあげればいいんだろう…?
そんな心配をよそに、不気味な笑い声がリアから聞こえた。
「リア……?」
顔をあげたリアの頬は赤く染まり、頬がひくついている。
「僕が…僕が人間との架け橋……ヘヘ…。」
たぶん人との架け橋になれると言われたのが相当嬉しかったのだろう。リアの顔はいつも僕をいじって楽しんでいる時の顔に似ている。もし、頬が完全に上がりきっていればそっくりだと思う。
「どうしたの?」
喜んでいるのは断定できるが、一応念には念をということで確認することにした。
「やったよノゾム!」
「ちょっと!兵士さんが見てる!」
やっぱり喜んでいた!
リアはなぜか抱きついてきた。僕が拒もうとするが男の性が邪魔をする。僕はまたあの感覚を感じて赤面した。未だになれることのできない初な自分を恨んだ。
「気にしないの!ノゾムも一緒で嬉しいでしょ?」
リブルさんをちらりと見ると鬼のような形相をしている。手に持っている槍の穂先は不気味に光を反射する。
身の毛がよだち、早く離れた方が賢明だと僕は判断した。
「う、嬉しいよ…リアのことが好きだから一緒にいられて…でもね、今はものすごくはなれて欲しいな…。」
再びリブルさんを見ると心なしか表情が和らいだ気がする。だが、次のリアの一言で一層険しい表情になった。
「いいじゃん!いつもしてるんだし!だから平気でしょ?」
「平気じゃないよ!ものすごく恥ずかしいよ!」
僕の悲痛な声は部屋に反響はするものの、リアに届くことはなかった。
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