異世界転移するような人が平凡な高校生だと思った?
67話 デート
 
 昇格試験は試験管として来たギザルドが気絶したことで幕を閉じた。回復魔法を使えるもの達が、ギザルドさんを担架に乗せて急ぎ足で連れていく。重症では無いはずだからきっと大丈夫だろう。
「祐....ですか?」
 俺がミスラの元へ戻ると、他の人には聞こえないほどの小さな声で聞いてくる。
「あぁ、もちろん」
 俺の目をじっと見るミスラ。そのまま10秒、20秒程して、俺が佐野祐だと確信したミスラはほっと胸を撫で下ろす。
「後で、聞かせてくださいね」
 まるでわかっていたかのように動揺がない俺を見て、何か知ってると思ったのだろう。察しが良くて助かる。
 俺はウェストさんのほうに顔を向ける。
「試験はこれで終わりですか?」
 一部始終を見ていたウェストは未だに唖然とした様に立ち尽くしていた。
「え...えぇ......あ、佐野さん」
「はい?」
「....気づいてたんですね。彼が冒険者じゃないって」
「まぁ..一応」
 気づいたのはどちらかと言えば前世の俺なんだけど、言っても面倒なことになるだけだと思い誤魔化しておく。
「ならこの試験も必要のないものだったと気づいてますよね。申し訳ない」
「えっ?」
「えっ?」
........そうなの?
「そ、そりゃもちろん気づいてましたけども!」
「...はぁ....そうですよね」
「いえ、この顔は完全に気づいてませんね」
 おいそこ、余計な事を言うんじゃない。それと人の頭の中読まない
 ミスラに論破されてしまった為少し気まずい雰囲気の中、ウェストさんが会話を再開した。
「えっと...本来はダンジョン攻略者は昇格試験などを無しに金ランクへ昇格出来るのですが...」
「なるほど?」
「佐野さんは少し特殊だったんです。というのも、貴方の実力が全く分からなかった。オークを倒した時の戦闘データなど今の実力とは別物のはずなので使い物になりませんし」
 いや、多分ステータス的にはほぼ同じだと思う。技術面は別だけど。
「となると困るのがギルドでクエストを斡旋する受付の者達なんです。金ランク冒険者に勧めるクエストは難易度に上下差がありすぎますので。そこで今回私が独断で試験を行わせて頂きました」
「ふむふむ......それで、本音は?」
「たった二ヶ月前に来た新人冒険者がダンジョンを攻略したなんて有り得ない!どうしてそんなに強くなれたのか!どれほどの力があるのか!早く見たくて見たくてワクワクが止まらず、つい護衛騎士の友人に偽の試験官を頼んでしまった。という感じですね」
「...隠す気あります?」
「いえ、特に」
「.......」
 そもそも、俺の実力が見たいだけなら試験関係なしに頼めばいいだけの話だ。ただ、それは個人的な申し出になる為、直ぐに見れるか分からないと思ったからこんな面倒な事をしたのだろう。
「...はぁ......それで、満足しましたか?」
「えぇ、十分です。貴方は、やはり冒険者になる前から武術や剣術の心得があったのですね?それも相当の修練を詰んだようだ」
 そう来たか。でもあれを見たら誰でもそう思うよな。魔法に関しては、『巫女姫の加護』のおかげで威力はでかいが、実はそんなに上達してないって自覚はあった。
 そんな話をしていると、ウェストさんからは見えないようにミスラが肘で小突いてきた。早く説明しろということらしい。
「じゃあ、昇格試験はこれで終わりでいいですか?」
「はい、大丈夫です!ご協力ありがとうございました!」
 調子のいい人だ....
 そうして、無事に昇格試験を終えた俺は、ミスラと共にギルドをあとにした。
「それで、なんでそんなに冷静なんですか?」
 シュナには大会を観に来るなと言われているので、暇を持て余した俺らは今、ぶらぶらと表通りを歩きながら話している。
「.....んー、なんて言うんだろ、あの人と剣を合わせた時、一瞬だけ前世の感情が先行した気がして、自らその感情に委ねた....といいますか....」
「危険はないと分かっていたんですか?」
「それは、うん。多分大丈夫だって言う気はしてた」
 ミスラは少しの間逡巡して、俺と目を合わせて口を開く。
「......やっぱりその.....知りたいですか?前世のこと」
「え?.......そりゃ、知りたい....というか、多分知らなくちゃいけない気がするんだ」
 ....そう言えば、ダンジョンでミスラは俺の前世を知ってる風なことを言ってたような......あぁ、でも他人から聞いても記憶が混乱するだけとか言ってたっけ、この際だから聞いてみるか。
「なぁ、ミスラ。俺の前世のこと、何か話せることって無いのか?」
 ミスラは1度俺から視線を外し思考する。何を考えているのかは分からない。けど、真剣そうだ。
「知りたいですか....?」
「あぁ、知りたい」
 即答。それほどに今、俺は前世のことが気になっている。
「....良いでしょう。ですが、その前に....やる事があるでしょう??」
「え?.....何かあったか?」
「ダンジョンで約束しましたよね?」
 ダンジョンで....約束......?約束.........あぁ
「デートだったか?」
「膝枕」
「デートだよな?」
「シラを切る気ですか。そうですか。良いでしょう。ではデートでいいです。その代わり──」
 言葉を切った次の瞬間、ミスラは歩きながら近づいてきて、俺の右腕に手を回す。
「お、おい」
「で、デートのグレードアップを所望...します」
 少し顔を赤らめているミスラはこちらに目を向けずに俺を引っ張る様に歩き出す。
「....わ、分かった。それでいいから...引っ張るなって」
 いつも無表情のミスラが誰から見ても恥ずかしがっているような表情になっているのも相まって、何となく俺も恥ずかしくなる。
....な、なんだこれ。めちゃくちゃ恥ずいぞ...!
 
 
 こうして急遽始まったデートは女っ気のない祐にとって大きな試練となるのだった。
***
「ミスラ、一応聞くけどデートは初めてか?」
「....はい、祐と同じで初めてです」
「俺が伝えてない情報を意味の無い場面で晒すのやめてくれない?.....でも俺も初めてというのは認めよう。認めた上で話し合いたい.....デートって何すればいいんだ?」
 本当に、本当に情けないことだが、そういう事をしてこなかったどころか、デートしたことのある友人さえいない俺にとって、何をすればいいのか本当にさっぱり分からない。ラノベとかであるようなデートを提案してもし「何それ、映画の見すぎ〜」とか言われてしまった日にはメンタルがズタズタになってしまう自信がある。だからこういう時は危ない橋は渡らず、腹を割って話し合うことこそが初デートを挑むにあたっての正攻法であり、そこから始まる青春ライフにこそ(略)
「....取り敢えず、何か食べます?」
「そうだな....あ、いや、ちょっと待ってくれ。いいこと考えた」
「はい?」
「少しだけ、ここで待っててくれるか?」
「...えぇ、良いですけど」
「よし、んじゃ行ってくる。5分くらいしたら戻るから」
 そう言って俺はダッシュする。本気で走る。
 1分もしないうちに目的地に着くと、勢いよくそのドアを開け放つ。
「レイラさん!おすすめのデートスポット教えてください!!!」
 デート中に他の女性からアドバイスを貰う。それこそ俺が思いついた「いいこと」だ。他人が聞けば、割と最低な部類に入るかもしれないけれど、気まずくなるのを回避する為なら俺は、悪魔にだって体を売ろう。
「あらあら〜?祐ちゃんったら大胆。いいわよ〜、急いでるみたいだから何も聞かずに教えてあげる〜」
 ありがとう女神様!!やっぱ胸の大きい人に悪いやつはいないって本当だったんだな!!!
***
「....」
デート......私は今からデートをするんだ......好きな人と。
 思い切りで言ってしまったことだけど、それが案外トントン拍子でいってしまった。いや、嬉しい。嬉しいはずなのに、思い浮かぶのはこれからの事。
 祐が本来使用出来るステータス値を知って、とてもじゃないけれど魔王討伐なんて無理だと思った。3人で力を合わせれば分からないけれど、私の事情にシュナまで巻き込めない。
 どうしよう。私の事情を祐が知ってしまった以上、簡単には引き下がらないと思うし......
 一つだけ、解決方法があるとすれば....何も言わずに私が天界に帰ること。そしたら祐は追ってこれないだろうし.....
「....そんなの、無理ですね。祐を騙すなんて私には、出来ませんし」
 それになんと言うか......変なことをしでかしそうで怖いし。神に喧嘩売るとか....少なくとも、切り札である『進化』は確実に使ってしまいそう......
「..ダメですね。せっかくのデート何ですから、切り替えないと」
 ミスラは吹っ切るように両頬を軽く叩いく。
 そして、そうこうしてるうちにミスラの視界に祐の姿が見えた。
「ごめん、待たせた」
「いえいえ、今来たところです」
「いや、紛れもなく嘘じゃん」
「ふふっ、冗談です」
 祐は5分ぴったりに戻ってきた。そして、また先程のように腕を回すか迷っていると──
「ん」
 今度は祐が私に腕を回させるよう促す感じで肘を向ける。
 その光景に私は目を見開いて、数秒した後、このまま止まってたらダメだと焦りながら腕を組む。
「んじゃ、行くか」
「え、ええと、どこにいくんですか?」
「取り敢えず何か食べながらどこに行くか考えようぜ」
 何だか、5分前とは比べ物にならないくらい冷静になっている気がするけど、なんでだろう?
 少し疑問に思いながらも、腕を組みながら歩く私たちをすれ違う人達がちらちらと見てくる。そのせいでまともに頭が働かないミスラだった。
(やっぱり、こうしていると他人から見れば、恋人.....に見えるんでしょうか......)
 昇格試験は試験管として来たギザルドが気絶したことで幕を閉じた。回復魔法を使えるもの達が、ギザルドさんを担架に乗せて急ぎ足で連れていく。重症では無いはずだからきっと大丈夫だろう。
「祐....ですか?」
 俺がミスラの元へ戻ると、他の人には聞こえないほどの小さな声で聞いてくる。
「あぁ、もちろん」
 俺の目をじっと見るミスラ。そのまま10秒、20秒程して、俺が佐野祐だと確信したミスラはほっと胸を撫で下ろす。
「後で、聞かせてくださいね」
 まるでわかっていたかのように動揺がない俺を見て、何か知ってると思ったのだろう。察しが良くて助かる。
 俺はウェストさんのほうに顔を向ける。
「試験はこれで終わりですか?」
 一部始終を見ていたウェストは未だに唖然とした様に立ち尽くしていた。
「え...えぇ......あ、佐野さん」
「はい?」
「....気づいてたんですね。彼が冒険者じゃないって」
「まぁ..一応」
 気づいたのはどちらかと言えば前世の俺なんだけど、言っても面倒なことになるだけだと思い誤魔化しておく。
「ならこの試験も必要のないものだったと気づいてますよね。申し訳ない」
「えっ?」
「えっ?」
........そうなの?
「そ、そりゃもちろん気づいてましたけども!」
「...はぁ....そうですよね」
「いえ、この顔は完全に気づいてませんね」
 おいそこ、余計な事を言うんじゃない。それと人の頭の中読まない
 ミスラに論破されてしまった為少し気まずい雰囲気の中、ウェストさんが会話を再開した。
「えっと...本来はダンジョン攻略者は昇格試験などを無しに金ランクへ昇格出来るのですが...」
「なるほど?」
「佐野さんは少し特殊だったんです。というのも、貴方の実力が全く分からなかった。オークを倒した時の戦闘データなど今の実力とは別物のはずなので使い物になりませんし」
 いや、多分ステータス的にはほぼ同じだと思う。技術面は別だけど。
「となると困るのがギルドでクエストを斡旋する受付の者達なんです。金ランク冒険者に勧めるクエストは難易度に上下差がありすぎますので。そこで今回私が独断で試験を行わせて頂きました」
「ふむふむ......それで、本音は?」
「たった二ヶ月前に来た新人冒険者がダンジョンを攻略したなんて有り得ない!どうしてそんなに強くなれたのか!どれほどの力があるのか!早く見たくて見たくてワクワクが止まらず、つい護衛騎士の友人に偽の試験官を頼んでしまった。という感じですね」
「...隠す気あります?」
「いえ、特に」
「.......」
 そもそも、俺の実力が見たいだけなら試験関係なしに頼めばいいだけの話だ。ただ、それは個人的な申し出になる為、直ぐに見れるか分からないと思ったからこんな面倒な事をしたのだろう。
「...はぁ......それで、満足しましたか?」
「えぇ、十分です。貴方は、やはり冒険者になる前から武術や剣術の心得があったのですね?それも相当の修練を詰んだようだ」
 そう来たか。でもあれを見たら誰でもそう思うよな。魔法に関しては、『巫女姫の加護』のおかげで威力はでかいが、実はそんなに上達してないって自覚はあった。
 そんな話をしていると、ウェストさんからは見えないようにミスラが肘で小突いてきた。早く説明しろということらしい。
「じゃあ、昇格試験はこれで終わりでいいですか?」
「はい、大丈夫です!ご協力ありがとうございました!」
 調子のいい人だ....
 そうして、無事に昇格試験を終えた俺は、ミスラと共にギルドをあとにした。
「それで、なんでそんなに冷静なんですか?」
 シュナには大会を観に来るなと言われているので、暇を持て余した俺らは今、ぶらぶらと表通りを歩きながら話している。
「.....んー、なんて言うんだろ、あの人と剣を合わせた時、一瞬だけ前世の感情が先行した気がして、自らその感情に委ねた....といいますか....」
「危険はないと分かっていたんですか?」
「それは、うん。多分大丈夫だって言う気はしてた」
 ミスラは少しの間逡巡して、俺と目を合わせて口を開く。
「......やっぱりその.....知りたいですか?前世のこと」
「え?.......そりゃ、知りたい....というか、多分知らなくちゃいけない気がするんだ」
 ....そう言えば、ダンジョンでミスラは俺の前世を知ってる風なことを言ってたような......あぁ、でも他人から聞いても記憶が混乱するだけとか言ってたっけ、この際だから聞いてみるか。
「なぁ、ミスラ。俺の前世のこと、何か話せることって無いのか?」
 ミスラは1度俺から視線を外し思考する。何を考えているのかは分からない。けど、真剣そうだ。
「知りたいですか....?」
「あぁ、知りたい」
 即答。それほどに今、俺は前世のことが気になっている。
「....良いでしょう。ですが、その前に....やる事があるでしょう??」
「え?.....何かあったか?」
「ダンジョンで約束しましたよね?」
 ダンジョンで....約束......?約束.........あぁ
「デートだったか?」
「膝枕」
「デートだよな?」
「シラを切る気ですか。そうですか。良いでしょう。ではデートでいいです。その代わり──」
 言葉を切った次の瞬間、ミスラは歩きながら近づいてきて、俺の右腕に手を回す。
「お、おい」
「で、デートのグレードアップを所望...します」
 少し顔を赤らめているミスラはこちらに目を向けずに俺を引っ張る様に歩き出す。
「....わ、分かった。それでいいから...引っ張るなって」
 いつも無表情のミスラが誰から見ても恥ずかしがっているような表情になっているのも相まって、何となく俺も恥ずかしくなる。
....な、なんだこれ。めちゃくちゃ恥ずいぞ...!
 
 
 こうして急遽始まったデートは女っ気のない祐にとって大きな試練となるのだった。
***
「ミスラ、一応聞くけどデートは初めてか?」
「....はい、祐と同じで初めてです」
「俺が伝えてない情報を意味の無い場面で晒すのやめてくれない?.....でも俺も初めてというのは認めよう。認めた上で話し合いたい.....デートって何すればいいんだ?」
 本当に、本当に情けないことだが、そういう事をしてこなかったどころか、デートしたことのある友人さえいない俺にとって、何をすればいいのか本当にさっぱり分からない。ラノベとかであるようなデートを提案してもし「何それ、映画の見すぎ〜」とか言われてしまった日にはメンタルがズタズタになってしまう自信がある。だからこういう時は危ない橋は渡らず、腹を割って話し合うことこそが初デートを挑むにあたっての正攻法であり、そこから始まる青春ライフにこそ(略)
「....取り敢えず、何か食べます?」
「そうだな....あ、いや、ちょっと待ってくれ。いいこと考えた」
「はい?」
「少しだけ、ここで待っててくれるか?」
「...えぇ、良いですけど」
「よし、んじゃ行ってくる。5分くらいしたら戻るから」
 そう言って俺はダッシュする。本気で走る。
 1分もしないうちに目的地に着くと、勢いよくそのドアを開け放つ。
「レイラさん!おすすめのデートスポット教えてください!!!」
 デート中に他の女性からアドバイスを貰う。それこそ俺が思いついた「いいこと」だ。他人が聞けば、割と最低な部類に入るかもしれないけれど、気まずくなるのを回避する為なら俺は、悪魔にだって体を売ろう。
「あらあら〜?祐ちゃんったら大胆。いいわよ〜、急いでるみたいだから何も聞かずに教えてあげる〜」
 ありがとう女神様!!やっぱ胸の大きい人に悪いやつはいないって本当だったんだな!!!
***
「....」
デート......私は今からデートをするんだ......好きな人と。
 思い切りで言ってしまったことだけど、それが案外トントン拍子でいってしまった。いや、嬉しい。嬉しいはずなのに、思い浮かぶのはこれからの事。
 祐が本来使用出来るステータス値を知って、とてもじゃないけれど魔王討伐なんて無理だと思った。3人で力を合わせれば分からないけれど、私の事情にシュナまで巻き込めない。
 どうしよう。私の事情を祐が知ってしまった以上、簡単には引き下がらないと思うし......
 一つだけ、解決方法があるとすれば....何も言わずに私が天界に帰ること。そしたら祐は追ってこれないだろうし.....
「....そんなの、無理ですね。祐を騙すなんて私には、出来ませんし」
 それになんと言うか......変なことをしでかしそうで怖いし。神に喧嘩売るとか....少なくとも、切り札である『進化』は確実に使ってしまいそう......
「..ダメですね。せっかくのデート何ですから、切り替えないと」
 ミスラは吹っ切るように両頬を軽く叩いく。
 そして、そうこうしてるうちにミスラの視界に祐の姿が見えた。
「ごめん、待たせた」
「いえいえ、今来たところです」
「いや、紛れもなく嘘じゃん」
「ふふっ、冗談です」
 祐は5分ぴったりに戻ってきた。そして、また先程のように腕を回すか迷っていると──
「ん」
 今度は祐が私に腕を回させるよう促す感じで肘を向ける。
 その光景に私は目を見開いて、数秒した後、このまま止まってたらダメだと焦りながら腕を組む。
「んじゃ、行くか」
「え、ええと、どこにいくんですか?」
「取り敢えず何か食べながらどこに行くか考えようぜ」
 何だか、5分前とは比べ物にならないくらい冷静になっている気がするけど、なんでだろう?
 少し疑問に思いながらも、腕を組みながら歩く私たちをすれ違う人達がちらちらと見てくる。そのせいでまともに頭が働かないミスラだった。
(やっぱり、こうしていると他人から見れば、恋人.....に見えるんでしょうか......)
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